国内企業と連携した生物多様性の保全・回復活動

私たちの暮らしや経済活動は、生物多様性から提供される自然の恵み(生態系サービス)によって成り立っています。地球環境の持続可能性を高め、私たちの暮らしを持続可能なものにするためにも、気候変動とともに生物多様性の保全・回復は重要なテーマです。
企業においては自然への依存や影響等のリスクの把握や情報開示を含めた議論が活発化しており、今後、自然への過度な依存を減らし、生態系の復元等、ネイチャーポジティブへの対応も求められることになります。
三井住友海上は国内の多くの企業と連携し、生物多様性の重要性を発信し、保全・回復等、ネイチャーポジティブに資する活動に積極的に取り組んでいます。

生物多様性とは

  • 一種類のいきものの中で遺伝子が多様にあること
  • いきものの種類が多いこと
  • そうしたいきものが支えあって生息する安定した生態系が、熱帯林、干潟、サバンナなどバラエティーに富んでいること

を指します。

多様であることは、一見無駄で非効率に見えますが、想定外の環境変化が起きたとき、いきものや遺伝子が多様であればあるほど、そのうちのいずれかが生き延びる可能性が高くなります。

生物多様性とは、私たちにさまざまな自然の恵みをもたらすと同時に、私たちの未来をリスクから守る大いなる戦略なのです。

企業と生物多様性イニシアティブ(JBIB)

三井住友海上は、生物多様性の保全と生物資源の持続可能な利用の実現方法を社会に提供するため、「企業と生物多様性イニシアティブ(Japan Business Initiative for Biodiversity(以下JBIB))」の設立以来、会長会社としてその活動をサポートしています。2018年6月からはMS&ADホールディングスが会長会社を引き継ぎ、当社としても引続き生物多様性の保全に取り組んでいます。
JBIBは、2007年11月に三井住友海上が開催した「企業が語るいきものがたりPart1」において、参加企業に生物多様性の保全に関する研究を共同で進めて行くことを呼び掛け、各業種を代表する企業14社の賛同を得て2008年4月1日に発足しました。
国際的視点から生物多様性の保全・回復に関する共同研究を実施し、事業活動と生態系との調和を願って協働しています。2023年6月30日時点で、正会員・ネットワーク会員計59社となっています。

これまで国内企業の参考となるよう、生物多様性に配慮した土地利用のためのガイドラインや原材料調達のガイド等を作成し、研究成果を公表しています。環境白書や生物多様性条約への国別報告書等でも紹介されています。
2017年9月には、企業における生物多様性主流化のためのツールやガイドラインの開発が評価され、第5回生物多様性アワード(イオン環境財団主催)の優秀賞を受賞しました。
また、2017年より3年に亘って活動を続けた「JBIBいきものDays」の取組みが高く評価され、生物多様性アクション大賞2019で入賞を果たしました。
生物多様性条約締約国会議(COP)にも継続的に参加しており、国際的なプレゼンスアップを図っています。

シンポジウム「企業が語るいきものがたり」

当社は、企業の生物多様性取組を推進する情報提供の機会として、2007年度より毎年「企業が語るいきものがたり」シンポジウムを開催し、2018年度からは主催をMS&ADホールディングスに変更して、継続しています。
2022年度は16回目を迎え、COP15で採択された生物多様性に関する世界目標と企業の取組みをテーマに、行政や企業、金融機関、NGOを招き、国際動向の解説や企業の取組事例の共有、ディスカッション等を行いました。

企業が語るいきものがたりPart16(2023年2月22日開催)
生物多様性世界目標の実現に向けたビジネスが果たす社会変革

過去のシンポジウム

企業が語るいきものがたりPart15(2022年2月10日開催)
生物多様性は変革の時代へ~世界目標と金融の波~

企業が語るいきものがたりPart14(2021年2月10日開催)
『生物多様性条約COP15に向けた企業を取り巻く動き』

「MS&ADグリーンアースプロジェクト」における生物多様性保全活動

グループとして、自然環境の保全・再生や環境負荷低減、 防災・減災、地方創生をテーマとした「MS&ADグリーンアースプロジェクト」のなかで、生物多様性保全活動に取り組んでいます。