当社は、MS&ADインシュアランス グループ ホールディングス株式会社(以下「持株会社」)傘下の中核事業会社として、より実効的なガバナンス向上を実現し、持株会社の株主を含めたさまざまなステークホルダーに対する責務を果たすために、コーポレートガバナンス・コードの各原則(上場会社のみを想定した原則を除きます。)を実施します。

原則1‒4 政策保有株式

政策株式の保有縮減に関する方針について

政策株式とは、総合的な取引関係の維持・強化を目的として、長期保有を前提に投資する株式をいいます。
株価変動の影響を受けにくい強固な財務基盤の構築や資本効率性の向上の観点から、政策株式の保有総額を縮減する方針とします。
個別の銘柄ごとに成長性、収益性等から保有の適否を検証し、取引関係強化等の中長期的な視点も踏まえた上で保有の妥当性が認められない場合には、発行体企業の理解を得ながら、売却を進めます。
保有の妥当性が認められる場合にも、市場環境や当社の経営・財務戦略等を考慮し、売却することがあります。

政策株式にかかる議決権行使について適切な対応を確保するための考え方

(1)議決権行使の基本的な考え方

当社は、議決権の行使は投資先企業の経営に影響を与え、企業価値の向上につながる重要な手段と考えております。このため、定型的・短期的な基準で画一的に賛否を判断するのではなく、中長期的な企業価値向上、株主還元向上につながるかどうか等の視点に立って判断を行います。

(2)議決権行使のプロセス

当社は、議決権行使にあたっては、投資先企業において当該企業の発展と株主の利益を重視した経営が行われているか、反社会的行為を行っていないか等に着目し、以下のような項目について議案ごとに確認を行います。
さらに必要に応じて個別に精査した上で、当該企業との対話等の結果を勘案し、議案への賛否を判断します。

  • 株主還元
  • 役員退職慰労金
  • 授権資本拡大
  • 買収防衛策
  • 事業再編

当社は、スチュワードシップ活動を推進するにあたり、中長期的な視点で投資先企業の企業価値向上や持続的成長を促す観点から継続的かつ建設的な対話を行い、認識の共有や問題の改善に繋げていくことが重要であると考えています。
したがって、当社のスチュワードシップ活動をご理解いただくため、議決権を行使した議案の主な種類ごとの集計に加えて、不賛同事例などを公表してまいります。

なお、個別の投資先企業ごとの議決権行使結果は、当該企業との建設的な対話等に影響を及ぼす可能性があるため、公表を控えさせていただきます。

原則1‒7 関連当事者間の取引「関連当事者間取引に係る手続きの枠組み」

当社は、関連当事者間の取引に関して、会社および株主共同の利益を害することのないよう、取締役による競業取引ならびに役員との会社間の取引および利益相反取引等について複数の社外取締役を含む取締役会において審議した上での承認事項としています。
また、①および②の事項について執行役員が行う場合は、取締役会への報告を必要としています。

  • 取締役による他会社取締役、執行役および監査役の兼任
  • 取締役による競業取引ならびに役員と会社間の取引および利益相反取引
  • 当社の重要な財産の処分および譲受

補充原則2‒4① 女性・外国人・中途採用者の管理職への登用等、中核人財の多様性の確保

当社では、女性・外国人・中途採用者の管理職への登用等、中核人財の多様性の確保に向けて、以下の目標を設定し、取り組んでいます。

  • 女性
    当社では、女性社員が自分の強み・特性を活かしながら、さらに活躍できる仕事や役割にチャレンジすることが、「社員の成長」と「会社の成長」のために重要と考えており、「管理職(※1)の女性比率」の目標を「2030年度末までに30%」として取り組んでいます。また、意思決定層の多様化に向けて、「ライン長(※2)の女性比率」の目標を「2030年度末までに15%」として取り組んでいます。
    (※1課長職以上の役職者 ※2ラインマネジメントを担う管理職)
    目標項目 目標 2023年度
    管理職の女性比率 2030年度末までに30% 21.2%
    ライン長の女性比率 2030年度末までに15% 15.0%
  • 外国人 ※持株会社におけるグループ目標
    当社グループでは、海外子会社の役員に、海外雇用社員を積極的に登用して、グローバルな事業展開を進めています。引き続き海外雇用社員の登用を進めるため、「海外子会社役員における海外雇用社員登用比率」の目標を「現状水準以上」として取り組んでいます。
    目標項目 目標 2022年度
    海外子会社役員における海外雇用社員登用比率 現状水準以上 83.0%
  • 中途採用者
    当社では、中途採用者とともに社外出向等の経験者を管理職に積極的に登用し、「異なるカルチャーに触れた経験」による多様性の確保を進めています。「管理職に占める社外カルチャー経験者比率(中途採用者+社外出向等経験者比率)」の目標を「2025年度末までに30%以上」として取り組んでいます。
    目標項目 目標 2023年度
    管理職に占める社外カルチャー経験者比率
    (中途採用者+社外出向等経験者比率)
    2025年度末までに30%以上 26.8%

原則2‒6 企業年金のアセットオーナーとしての機能発揮

  • 当社は、確定給付企業年金を実施するにあたり、三井住友海上企業年金基金を設立して年金資産を会社から分離し運営しています。
  • 各企業年金基金の資産運用に関する意思決定は、資産運用委員会の審議を踏まえ、代議員会で決定しています。資産運用委員会および代議員会には、各社の資産運用、経理、人事部門の適切な資質を持った人財を配置するとともに、受益者代表として労働組合幹部等を配置しています。
  • 企業年金基金においては、資産運用経験豊富な人財が資産運用業務に従事しています。また、2018年4月にスチュワードシップ・コードを受け入れています。
  • 株式の組み入れおよび投資先への議決権行使については運用委託先の判断基準に従っており、利益相反に該当する事項はありません。

原則3‒1 情報開示の充実

  • (1)会社の目指すところ(経営理念等)や経営戦略、経営計画「会社の目指すところ(経営理念等)」および「経営戦略、経営計画」はディスクロージャー誌をご覧ください。
  • (2)本コードのそれぞれの原則を踏まえた、コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方と基本方針「コーポレートガバナンスに関する方針」(後掲)をご覧ください。
  • (3)取締役会が経営陣幹部・取締役の報酬を決定するに当たっての方針と手続「指名、報酬決定の機能」(前掲)の「2.報酬決定のプロセス」をご覧ください。
  • (4)取締役会が経営陣幹部の選任と取締役・監査役候補の指名を行うに当たっての方針と手続「指名、報酬決定の機能」(前掲)の「1.指名決定のプロセス」をご覧ください。
  • (5)取締役会が上記(4)を踏まえて経営陣幹部の選任と取締役・監査役候補の指名を行う際の、個々の選任・指名についての説明
    • 経営陣幹部である取締役を兼務する執行役員の説明は以下のとおりです。
      保険会社において豊富な業務経験を有し、保険会社の経営全般を的確かつ公正に監督できる知識・経験を有していること。
    • 社外監査役以外の監査役の説明は以下のとおりです。
      保険会社において豊富な業務経験を有し、保険事業全般に通じており、取締役の職務の執行を的確かつ公正に監査できる知識・経験を有していること。
    • 社外取締役、社外監査役の説明は以下のとおりです。
      氏名 選任の理由
      社外取締役 木村 宏 経営者としての知識や経験を当社の経営に反映していただくため。
      石井 淳子 労働行政に関する知識や経験を当社の経営に反映していただくため。
      伊藤 友則 グローバル金融ビジネスに関する知識や経験を当社の経営に反映していただくため。
      髙倉 千春 人事戦略に関する知識や経験を当社の経営に反映していただくため。
      社外監査役 秋葉 賢一 公認会計士としての知識や経験を当社の監査に反映していただくため。
      鈴木 明美 弁護士としての知識や経験を当社の経営に反映していただくため。
      安藤 まこと 公認会計士としての知識や経験を当社の監督に反映していただくため。

補充原則3‒1③ サステナビリティについての取組み等

  • (1) サステナビリティについての取組み
    当社「ディスクロージャー誌」の「Sustainability(4ページ)」をご覧ください。
  • (2) 気候変動に係るリスク及び収益機会が事業活動や収益等に与える影響
    本サイト内「気候変動リスクに向き合う」ページをご覧ください。
  • (3) 人的資本や知的財産への投資等
    • 人的資本
      当社「ディスクロージャー誌」の「人財戦略(24ページ)」、「従業員の状況(188ページ)」および「社員研修・能力開発体系(189ページ)」をご覧ください。
    • 知的財産
      ディスクロージャー誌」の「Digital Transformation(8ページ)」をご覧ください。

補充原則4‒1① 経営陣に対する委任の範囲

法令・定款に定める事項および経営戦略、資本政策等の経営上の重要な事項を除いては、経営陣に権限を委譲しています。

原則4‒9 社外取締役となる者の独立性判断基準および資質

「取締役候補および監査役候補の選任基準(概要)」(前掲)をご覧ください。

補充原則4‒10① 任意の委員会の設置状況・委員会構成

当社「ディスクロージャー誌」の「コーポレートガバナンス態勢(34ページ)」、「指名、報酬決定の機能(35ページ)」をご覧ください。

補充原則4‒11① 取締役会のメンバーのバランス・多様性・規模に関する考え方と取締役の選任に関する方針・手続き

当社では、人事委員会にて、当社の成長戦略の実現に向けて、多様な視点から論議を行うため、取締役会の実効性確保に必要なスキル(知識、経験、能力)について審議し、経営戦略等の重要な事項の判断および職務執行の監督の観点から、以下のとおりとしました。

  • 一般的に求められるベースとなるスキル
    「企業経営」、「人事・人財育成」、「法務・コンプライアンス」、「リスク管理」、「財務・会計」
  • 当社グループのコア事業が保険事業であり、グローバルな事業展開をしていることを踏まえたスキル
    「保険事業」、「国際性」
  • 現在の当社の事業環境を踏まえた、事業変革および市場が重視している課題への対応に必要なスキル
    「IT・デジタル」、「サステナビリティ」

また、監査役については、「財務・会計」を重要なスキルと考えております。

取締役・監査役のスキル

取締役・監査役のスキル

  • 「取締役会のメンバーのバランス・多様性・規模に関する考え方」については、「監督の仕組み(取締役会)」(前掲)の「取締役会の構成」をご覧ください。
  • 「取締役の選任に関する方針・手続き」については、「指名、報酬決定の機能」(前掲)をご覧ください。

補充原則4‒11② 社外役員の兼任状況

社外役員の兼任状況は以下のとおりです。

氏名 重要な兼職
社外取締役 木村 宏 なし
石井 淳子 川崎重工業株式会社(社外取締役)、日鉄ソリューションズ株式会社(社外取締役)
伊藤 友則 早稲田大学大学院経営管理研究科教授、株式会社あおぞら銀行(社外取締役)、電源開発株式会社(J-POWER)(社外取締役)
髙倉 千春 日本特殊陶業株式会社(社外取締役)、野村不動産ホールディングス株式会社(社外取締役)
社外監査役 秋葉 賢一 早稲田大学大学院会計研究科教授、ジャフコグループ株式会社(社外取締役)
鈴木 明美 長島・大野・常松法律事務所パートナー
安藤 まこと 日本コンクリート工業株式会社(社外監査役)、明治ホールディングス株式会社(社外監査役)、インヴァスト証券株式会社(社外取締役)

補充原則4‒11③ 取締役会全体の実効性について分析・評価

取締役会は、取締役会全体の実効性について分析・評価を定期的に実施し、その結果の概要を公表しています。(こちら

補充原則4‒14② 取締役・監査役に対するトレーニングの方針

「取締役および監査役のサポート体制・トレーニング」(前掲)をご覧ください。

原則5‒1 株主との建設的な対話に関する方針

当社の株主は、MS&ADインシュアランス グループ ホールディングス株式会社(以下「持株会社」)です。持株会社の本原則の対応状況は、持株会社ホームページ(https://www.ms-ad-hd.com/ja/group/value/corporate.html)に掲載の「コーポレートガバナンス報告書」をご覧ください。