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いきものと人の心地よい関係を都心から

〜1984年からネイチャーポジティブに取り組む駿河台緑地〜

Prologue

プロローグ

ネイチャーポジティブな未来をめざして

三井住友海上の本社ビルである駿河台ビルは、1984年に旧大正海上の本社ビルとして竣工しました。四半世紀にわたって取り組んできた都心における緑づくりは、2012年からの駿河台新館建設を機に「“いきもの”と“まち”との共生」をコンセプトに掲げた緑地全体の改修で、さらなる進化を遂げました。

世界では今、気候変動対応とともに、自然資本全体の保全・回復が課題となっています。自然と共生する世界を実現するため、生物多様性の損失を減らし回復させる行動をとること(ネイチャーポジティブ)が必要という認識が広まってきています。
駿河台ビル・駿河台新館を中心とした駿河台緑地の取組は、まさにその先駆けともいえます。自然との共生をめざす三井住友海上と駿河台緑地の取組をご紹介します。

Background

駿河台緑地誕生の背景・コンセプト

駿河台緑地誕生の背景

80年代に都市緑化を先取りして完成したビル

駿河台ビルは、江戸時代には武家屋敷が建ち並び、今は大学のまちとして知られる東京都千代田区神田駿河台に立地しています。竣工時のコンセプトは「地域に溶け込み、地域の人々と共に栄える」「近隣の価値向上に貢献する」ことでした。建設時に地域の人々から「緑豊かなビルにしてほしい」との声が寄せられ、周辺環境との調和を理念の一つに掲げて緑化に取り組みました。

特徴的な屋上庭園も、建設当時から計画されたものです。都市の環境を意識した建物がまだ少なかった1980年代にこのように緑あふれるビルを完成させたことは、時代を先取りした取組と評価されました。

駿河台ビル

都市緑化の思想を発展的に継承した駿河台緑地の再開発

2012年には、隣接地に分散していた本社機能を集結すべく、駿河台ビルの隣にあった旧別館を解体して環境性能の高い駿河台新館として建て替えることになります。この再開発では、竣工時の理念や歴史を引き継ぎ、駿河台ビルと合わせて「緑の持つ力」を最大限に表現することをめざしました。そのために必要と考えたのが、地域と一体になった緑地の再開発と公共貢献です。

木木
新館ビル建て替え

新館ビル建て替え

緑地の再開発

緑地の再開発

公共貢献

公共貢献

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羽ばたく鳥
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生物多様性を豊かにする、
エコロジカルネットワークの形成

緑地の再開発の中でも特徴的な取組が、「エコロジカルネットワーク構想」です。皇居と上野公園という豊かな緑地の中間点という立地を活かし、両拠点を往来する野鳥の羽休めの場所となるよう、都市化によって分断された生態系のネットワークの回復・形成に貢献するというものです。
既存緑地の緑量の増加、屋上庭園の一般開放、屋上菜園の再整備など、新しい技術を用いて地域の生物多様性に配慮した緑化を推進し、地域貢献も一層進めました。

さらに、安全で快適なまちづくりの推進・公共貢献として、周辺道路の再整備や災害時の支援機能の強化、地下鉄出入口の新設等も行っています。

日本の都市部では、建物や土地に関するさまざまな規制があります。この再開発も通常であれば規制対象となりますが、独創的かつ高い社会貢献性が認められ、東京都の都市再生特別地区として自由度の高い計画を進めることができました。

エコロジカル・ネットワークの形成

駿河台緑化プロジェクト紹介動画 <時間:3分50秒>

本動画は「気候変動と生物多様性への挑戦 ~駿河台緑化プロジェクト~」をテーマに、駿河台ビル屋上庭園・菜園や、駿河台ビルにあるヒメアマツバメのコロニー等を紹介する内容となっています。

Nature

緑地の未来

駿河台緑地を訪れてみませんか?

30by30と自然共生サイト認定
ケーススタディともいえる緑地

駿河台緑地は、三井住友海上の本社機能がある駿河台ビル・駿河台新館の周辺を取り巻く緑地のほか、一般の方も直通エレベーターを使って入場可能な屋上庭園、地域との環境に関するコミュニケーションスペース「ECOM駿河台」で構成されています。
2030年までに陸と海の30%以上を保全する「30by30」の目標が国際的に議論されるなど、企業が所有・管理する敷地においても緑化の推進が叫ばれている今、駿河台緑地の取組はその先がけです。

環境省は、2023年から企業等によって生物多様性の保全が図られている区域を保全地域として認定する制度「自然共生サイト認定」を開始しました。駿河台緑地は自然共生サイトに認定され、これによって国際データベースのOECM(公的な保護地域以外で生物多様性保全に貢献する場所)に登録されました。

開園・開館時間

屋上庭園

3月~10月 平日 10:00~17:00
11月~2月 平日 10:00~16:00

ECOM駿河台

平日 12:00~18:00

敷地面積17,387

緑地面積7,091

緑地率41%

駿河台緑地の構成

Column

コラム

30by30
2030年までに国土の30%以上を
自然環境エリア
として保全

「30by30(サーティ・バイ・サーティ)」とは、2030年までに生物多様性の損失を食い止め、回復させる(ネイチャーポジティブ)というゴールに向け、自国の陸域・海域の少なくとも30%を保全・保護することの達成をめざす目標です。
2022年12月に開催された国連生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)において、世界目標の1つとして採択されました。

30by30

企業の緑地取組を支援するサービスも

こうした背景を踏まえ、三井住友海上は自社の緑化だけでなく、他企業の緑地取組を支援するサービスを始めました。2022年11月から提供を開始した自然資本・生物多様性に配慮した企業の緑地取組を支援する「企業緑地支援パッケージ」は、駿河台緑地での豊富な取組実績を活かしたものです。「企業緑地支援パッケージ」は企業緑地にかかわる2つのサービスと保険で構成されています。

企画・立案フェーズ(無償)
駿河台緑地の視察案内を行います。企業緑地として限られた面積で生態系に配慮した緑地を運営し、どのような効果が現れているのか、実際に駿河台緑地をご案内しながらこだわりのポイントをご説明します。
調査・実行フェーズ(有償)
今ある企業緑地を活かし、生物多様性の取組に着手し、向上させる方法をMS&ADインターリスク総研がご提案します。事業所の土地利用についての調査・分析から、それに基づく整備・活動計画の策定まで、ESGやSDGsの視点から総合的なサポートをご提供します。
維持管理フェーズ(保険)
企業緑地において、不測かつ突発的な事故により生じた損害や費用等を補償します。
<主なお支払い事例>

緑地内で火災が発生し、樹木が焼損した。

台風による強風で樹木や造成地が損傷した。

豪雨により上流の川が氾濫し泥水や流木が流れ込み、樹木や造成地が損傷した。

詳しくはお問い合わせください。

駿駿河台緑地
視察案内

企業緑地
コンサルティング

企業緑地保険

Awards

History of awarded prizes

代表的な受賞・認証歴

2001年

「平成13年度都市緑化及び都市公園等整備・保全・美化運動における都市緑化功労者国土交通大臣表彰者」|国土交通省

2004年

「第3回屋上・壁面・特殊緑化技術コンクール」環境大臣賞(屋上緑化部門)|都市緑化機構

2016年

「第1回ABINC賞」優秀賞(都市SC版)|いきもの共生事業推進協議会(ABINC)

2017年

「第1回グリーンレジリエンス大賞」優秀賞|レジリエンスジャパン推進協議会

2017年

「第5回みどりの社会貢献賞」|都市緑化機構

2017年

「江戸のみどり登録緑地」優良緑地登録(第1号)|東京都

2017年

「SEGES」緑の殿堂認定|都市緑化機構

2018年

「RaCS雨水活用サイト認証」(第1号)エメラルドレベル|雨水まちづくりサポート

2023年

「自然共生サイト」認定|環境省

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