三井住友海上火災保険株式会社(以下「当社」という。)は、コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方や枠組みを示すことを目的として、コーポレートガバナンスに関する方針を定めます。
第1章 当社のコーポレートガバナンスに関する基本的な考え方
- 1.当社は、MS&ADインシュアランス グループ(以下「グループ」)の中核事業会社として、グループの経営理念(ミッション)、経営ビジョン、行動指針(バリュー)のもと、経営資源の効率的な活用と適切なリスク管理を通じ、グループの長期的な安定と持続的成長を実現するため、MS&ADインシュアランス グループ ホールディングス株式会社(以下「持株会社」)の株主を含めた様々なステークホルダーの立場を踏まえ、透明性と牽制機能を備え、加えて透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うための経営体制を構築し、企業価値の向上に努めます。
- 2.そのため、当社は、「三井住友海上 行動憲章」を全役職員へ浸透させるよう努めるとともに、コーポレートガバナンス、コンプライアンス、リスク管理等を経営の重要課題として位置づけ、積極的に取り組みます。
- 3.なお、当社は、完全親会社である持株会社との間で経営管理契約を締結し、持株会社から経営に関する助言等を受けています。
第2章 ステークホルダーとの関係
- 1.当社は、経営理念(ミッション)を実現させるため、「MS&ADインシュアランス グループのサステナビリティの考え方」に基づき、7つのステークホルダー(お客さま、持株会社の株主、代理店、取引先、社員、地域社会・国際社会、環境)への責任を果たし、社会のサステナビリティと持続的な企業価値の向上を目指します。
- 2.MS&ADインシュアランス グループのサステナビリティの考え方
- MS&ADインシュアランス グループは、経営理念の実現に向け、「価値創造ストーリー」を紡ぐ企業活動を通じて、社会との共通価値を創造し、レジリエントでサステナブルな社会を目指します。
- 信頼と期待に応える最高の品質を追求し、ステークホルダーとともに、地球環境と社会の持続可能性を守りながら、誰もが安定した生活と活発な事業活動にチャレンジできる社会に貢献し続けます。
- 3.各々のステークホルダーに対する取組内容
以下の取組みにより、ステークホルダーへの責任を果たし、協業を通じて社会との共通価値を創造していきます。- お客さま:信頼と期待に応える品質の商品・サービスを提供する。
- 持株会社の株主:適切な情報開示、適正な利益還元を行う。企業価値を向上させる。
- 代理店:パートナーとして、ともに成長する。
- 取引先:健全な関係を保ち、協力して社会的責任を果たす。
- 社員:働きやすい環境、働きがいを実感し成長していく機会を提供する。
- 地域社会・国際社会:社会の一員として、レジリエントでサステナブルな社会づくりに取り組む。
- 環境:地球のサステナビリティを守る。
- 4.お客さまの声を聴く仕組み
当社では「お客さまの声対応方針」を策定し、お客さまから寄せられたすべての声(問い合わせ、相談、要望、苦情、紛争、おほめ、感謝等)を広く受け止め、品質向上に活かします。 - 5.スピークアップ
当社では、当社及び子会社の全ての社員が違法または不適切な行為について直接通報できるグループ内部通報制度をはじめ、疑問を感じること、困っていることをフランクかつ前向きに声を出す(スピークアップ)ことができる環境を整備して社員の声を広く受け止め、問題の早期発見・解決を目指します。 - 6.ダイバーシティ&インクルージョンの推進
当社は、グローバルな環境変化を意識したグループ経営を進めるため、性別、国籍、障がいの有無等を問わず、社員が活躍できる職場環境を整備し、多様性と多様な価値観を尊重する企業風土の定着を目指します。 - 7.政策保有株式
当社は、政策株式の保有をゼロとする方針および政策株式にかかる議決権の行使に関する方針を定めています。
第3章 当社のコーポレートガバナンス態勢
1. 当社の機関構成
- 当社は、監査役会設置会社として、取締役会および監査役の双方の機能の強化、積極的な情報開示等を通じ、ガバナンスの向上に取り組みます。
- 取締役会の内部委員会として、委員会の過半数および委員長を社外取締役とする「人事委員会」および「報酬委員会」を設置し、実効性と透明性の高いコーポレートガバナンス態勢を構築します。
2. 取締役会の役割
- (1)取締役会は、法令・定款に定める事項のほか、経営戦略、資本政策等の経営上の重要な事項について論議・決定するとともに、取締役、執行役員の職務の執行を監督します。
- (2)取締役会は、健全性を基盤とした成長の持続と収益性・資本効率の向上を実現し、中長期的な企業価値の向上を目指します。
- (3)取締役会は、迅速な意思決定と適切なモニタリングを両立させるため、執行役員制度を導入し、執行役員への業務執行権限の委譲を進め、迅速な業務執行を行うとともに、経営意思決定および監督を担う「取締役会」と業務執行を担う「執行役員」の役割を明確化して、経営管理の強化を図ります。
- (4)執行役員は、取締役会より委ねられた業務領域の責任者として業務執行を行い、その業務執行状況について取締役会に報告します。
3. 取締役会の構成
- (1)取締役会は、多様な知見と専門性を備えたバランスの取れた構成とし、実質的な論議を可能とするため、取締役の員数は定款で15名以内とし、取締役候補者は、「取締役候補および監査役候補の選任基準」に基づき選任します。
また、社外取締役を2名以上選任するものとし、経営から独立した視点を取り入れ、監視・監督機能を強化し、透明性の高い経営を行います。 - (2)社外取締役に期待する役割は次のとおりです。
- 経営の方針や経営改善について、自らの職歴や経歴、知識等に基づき、会社の持続的な成長を促し中長期的な企業価値の向上を図る、との大局的な観点から意見を述べること。
- 取締役会の重要な意思決定を通じ、経営の監督を行うこと。
- 会社と経営陣(注)等の関連当事者との間の利益相反を監督すること。
- 経営から独立した立場で、持株会社の株主をはじめとするステークホルダーに対する説明責任が果たせるか、という観点等から牽制機能を果たすこと。
- (注)当社の取締役・監査役・執行役員の総称(以下同じ)
4. 取締役会の運営
- (1)取締役会の決議
取締役会の決議は、法令に別段の定めのある場合を除き、取締役の過半数が出席し、出席取締役の過半数をもって行います。 - (2)取締役会の運営
- 取締役会の議題、審議時間および開催頻度は、重要な業務執行の決定および職務執行の監督のために、必要かつ十分な議論が可能になるように設定します。
- 取締役会において意義のある意見、指摘および質問が行われるよう、出席者の事前準備に要する期間に配慮して、取締役会の議案の送付または説明に努めます。
- 取締役会の年間スケジュールや予想される議事について予め決定します。
5. 取締役会の評価
取締役会は、取締役会全体の実効性について分析・評価を定期的に実施し、その結果の概要を公表するものとします。
6. 監査役・監査役会
- (1)監査役の責務
- 監査役は、株主の負託を受けた独任制の機関として取締役の職務の執行を監査することにより、企業の健全で持続的な成長を確保し、社会的信頼に応える良質なコーポレートガバナンス体制を確立する責務を負っています。
- (2)監査役の権限と役割
- 各監査役は、業務および財産の調査権限等法令に基づく権限を適切に行使し、監査役会で定めた監査の方針・計画等に従い、取締役会その他の重要な会議への出席、重要な決裁書類等の閲覧、本社、部支店、海外拠点および子会社の調査等により、取締役の職務の執行を監査します。
- (3)監査役会の構成と役割
- 監査役の人数は、定款で定める6名以内とし、このうち半数以上を、法令に従い社外監査役とします。
監査役候補者は、「取締役候補および監査役候補の選任基準」に基づき、監査役会が同意の上、取締役会が選任します。 - 監査役会は、監査役からの職務遂行の状況の報告や役職員からの監査に関する重要な事項についての報告を受けるとともに、監査の方針および監査計画等を決定します。
- 監査役会は、株主総会に提出する会計監査人の選解任および会計監査人を再任しないことに関する議案の内容を決定します。また、会計監査人の報酬等の決定について、同意権を有します。
- 監査役の人数は、定款で定める6名以内とし、このうち半数以上を、法令に従い社外監査役とします。
7. 会計監査人
取締役会および監査役会は、会計監査人の適正な監査の確保のため、適切な対応に努めます。
8. 取締役および監査役のサポート体制・トレーニング
取締役および監査役がその役割や責務を実効的に果たすために、当社は以下のとおり必要な社内体制を整備します。
- (1)社外取締役・社外監査役(以下「社外役員」)に対し、取締役会の事務局に各社外役員の担当者を配置し、取締役会に付議される議事の事前説明を行うなどのサポート体制を整備します。
- (2)取締役および監査役に対し、就任時および任期中継続的に情報提供・研修を行うための体制を整備します。
- (3)社外役員と経営陣・幹部社員との情報共有・意見交換の機会の設定等の環境整備を行います。
- (4)当社は、社外役員がその役割を果たすために必要な費用を負担します。
9. 経営会議
経営方針、経営戦略等、経営に関する重要な事項について協議するとともに、執行役員による決裁事項について報告を受けることにより、具体的な業務執行のモニタリングを行います。
10. 指名決定のプロセス
- 社外取締役が過半数を占める持株会社の人事委員会での審議および持株会社の取締役会の事前承認を経て、取締役会は人事委員会の助言を受けて取締役候補・監査役候補・執行役員等を選任します。監査役候補については監査役会の同意を得るものとします。
- 人事委員会は、当社の取締役および監査役の候補者の選任に関する方針、ならびに取締役・監査役・執行役員の候補者等の重要な人事事項について審議し、取締役会に助言します。
- 人事委員会は3名以上の委員により構成します。
- 委員の過半数および委員長は社外取締役とし、取締役会が選任します。
11. 報酬決定のプロセス
- (1)取締役の報酬
- 各取締役の報酬等の額については、株主総会の決議により定めた金額の範囲内で、報酬委員会における審議を経たうえで取締役会の決議により決定します。
- 報酬委員会は、当社の取締役および執行役員の報酬等に関する方針、ならびに取締役・執行役員の業績評価、報酬等について取締役会に助言します。
- 報酬委員会は3名以上の委員により構成します。
- 委員の過半数および委員長は社外取締役とし、取締役会が選任します。
- (2)監査役の報酬
- 各監査役の報酬等の額については、株主総会の決議により定めた金額の範囲内で、監査役の協議により決定します。
12. 社外役員連絡会
- 取締役会における論議をさらに活性化させるために、経営に関する重要事項を社外役員に説明し、社外役員の間で情報交換・認識共有を図ることを目的として社外役員連絡会を設置しています。
- 社外役員連絡会は、社外役員および経営企画部担当役員により構成します。
- 経営企画部担当役員は、経営に関する重要事項等の説明者の立場で参加し、経営陣との連絡・調整や監査役または監査役会との連携等の機能を果たします。
13. 課題別委員会
業務執行にかかる会社経営上の重要事項に関する協議および関連部門の意見の相互調整を図ることを目的に、「ERM委員会」「事業投資モニタリング委員会」「システム投資委員会」「サステナビリティ委員会」を設置しています。
第4章 適切な情報開示
- 当社は、持株会社が定める「ディスクロージャー基本方針」に則り、法令および金融商品取引所の定める開示ルールの徹底を図るとともに、それぞれのステークホルダーが、公平に、正しく、かつ速やかに重要情報を認識できるよう、情報開示を行います。
- 当社は、ニュースリリース、当社ウェブサイトなどを通じ、お客さま、株主、投資家などの皆さまに情報が伝達されるよう配慮を行います。
附則
本方針の改廃は取締役会の決議によります。
以上
2018年4月1日改定