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台風被害

2022.07.28

台風被害で車両保険は使える?等級の扱いや補償内容をチェック

台風被害

2022.07.28

台風被害で車両保険は使える?等級の扱いや補償内容をチェック

台風被害で心配なことのひとつは、生活の足である車にも影響が及んでしまうこと。近年は台風による被害のニュースを耳にすることも多いですが、国土交通省によると、静岡県や関東地方、甲信越地方、東北地方などに記録的な大雨をもたらした令和元年東日本台風(台風19号)の発生した2019年の水害被害額は、統計開始以来最大を記録。台風対策をしていたとしても、防ぎようのない被害が今後発生しないとも限りません。
ここでは、台風などの自然災害で起こりうる車体への被害と車両保険でカバーできる範囲、保険利用での等級への影響のほか、車体の損傷度合いによる保険金額の違いや、台風時に車を利用する場合の注意点などを解説します。

台風や強風などの自然災害によって発生する車体への被害

台風や強風などの自然災害によって、車に発生する被害はさまざまです。例えば、以下のような被害が挙げられます。

強風が原因の飛来物(瓦や看板など)による被害

台風や強風で起こりうる車の被害として、吹き飛ばされた石や看板、枯れ枝、屋根瓦などが飛来し、車にぶつかることで、ボンネットやルーフ、窓ガラスなどが傷つくケースがあります。

強風が原因の飛来物による被害

倒れてきた街路樹や電柱などによる被害

台風や強風で起こりうる車の被害には、倒れた街路樹や電柱の下敷きになるといったことで、車が破損してしまうケースも考えられます。

土砂災害による被害

台風では、土砂崩れに家や車が巻き込まれることもあります。例えば、2019年の台風19号では、国土交通省によると20の都県で合計952件の土砂災害が発生し、多くの家や車が被害を受けました(台風に伴う土砂災害としては、昭和57年の統計開始以来、過去最大の発生件数です)。

土砂災害

強風で車が横転

樹木や電柱が倒れるぐらいの強風であれば、車が横転する事故も発生します。およそ風速30mを超えると、トラックでも横転する場合があります。

強風で横転する車

道路の冠水や洪水、河川の氾濫などによる車体の浸水や水没

河川が氾濫した場合、道路が冠水し、車が巻き込まれたり、マフラーから水が入ることで車のエンジンが動かなくなったりする被害も考えられます。

道路が冠水し動けなくなる車

台風の影響で他人の車と衝突

台風や強風で想定される被害はほかにも、強風にあおられて飛んできた新聞紙が視界を遮り、突然のことに焦って車のハンドル操作を誤る、風にあおられてハンドルをとられる、ブレーキを踏むタイミングが遅れるなどして他人の車と衝突するといったケースが考えられます。

台風の影響で他人の車と衝突

台風での車体への被害は、車両保険で補償される?

台風での車体への被害

台風が原因で車が傷ついたり、土砂崩れに巻き込まれてしまったりした損害は、自動車保険のうち、契約車そのものへの補償である「車両保険」でカバーすることができます。
車両保険とは、事故などで自分の車が壊れた際の修理代を補償する保険です。一般的な補償範囲をカバーしたタイプと、より補償範囲を限定したタイプの2つがありますが、台風による車体への損害は、どちらのタイプでも補償の対象となっていることがほとんどです。

車両保険で補償されるのは自分の車の損害のみ

車両保険は、あくまで契約者の車の損害を補償するものなので、人のケガや自宅の屋根瓦が飛ばされて他人の車を傷つけたような場合は補償の対象となりません。

車体の損害度合いによる保険金額の違い

車に損害が生じたときに、車両保険によって補償される金額は、車体の損壊の度合いによって変わってきます。大きくは、「分損」と「全損」の2つに分類されます。

車体が修理可能で、修理費が車両保険金額以下の「分損」

分損とは、車体の修理が可能で、かつ修理費用が車両保険金の支払限度額を下回っている場合です。この場合は、修理費用から車両保険契約時にあらかじめ定める自己負担額(免責金額)を差し引いた金額を受け取れます。
例えば、修理費用が40万円で自己負担額が10万円だとすれば、受け取れる金額は30万円になります。

車両が物理的に修理不能、もしくは修理費が保険金額を超える「全損」

全損は、車体の修理が物理的に不可能か、物理的に修理は可能だけれど、修理費が車両保険金の支払限度額を上回っている場合です。前者は「物理的全損」、後者は「経済的全損」と呼ばれます。この場合は、自己負担額を差し引かれることなく、車両保険金額の全額を受け取ることが可能です。
例えば、車両保険金額が200万円で自己負担額が10万円、修理費用が250万円かかるとします。この場合は、自己負担額に関係なく、車両保険金200万円を受け取れます。

なお、三井住友海上の場合では、自動車保険の基本補償に全損時諸費用特約を含んだプランをご提供しており、車両保険で受け取れる金額のほかに、原則として全損時に車両保険金額の10%(20万円限度)、車両保険金額が100万円以下の場合は10万円、追加で補償を受けていただくことが可能です。

車両保険利用時の等級の扱い

台風による被害を受けて車両保険を使うにあたり、注意したいのは次年度以降の自動車保険の等級が1等級下がり、事故有係数適用期間が1年加算されてしまうことです。

自動車保険は、契約者の保険料負担を公平にするために、契約者の事故歴に応じて保険料を割り引いたり割り増したりするノンフリート等級制度がとられています。1年間保険を使わなければ、次年度は等級が上がって保険料は下がり、保険を使えば次年度は等級が下がって保険料が上がります。
また、事故あり係数適用期間は、保険を使うとその内容に応じて、事故あり係数適用期間が1年または3年加算されるものです。「事故あり」のあいだは保険料が割高になり、「事故なし」だと割安になる仕組みです。

車両保険を使うと1等級ダウン、かつ事故あり係数適用期間が1年間加算されるので、次年度以降の保険料が上がってしまいます。車両の損傷具合や修理費用によっては、保険金を受け取って等級が下がり、事故あり係数適用期間も加算されて次年度以降の保険料が上がるより、保険を使わず自費で修理したほうが、最終的な負担を抑えられるケースもあります。
そのため、車両保険を使う際は、どちらのほうがお得なのかしっかり検討することが大切です。迷う場合は保険会社に相談し、両方の場合の試算をしてもらった上で、お得なほうを選ぶといいでしょう。三井住友海上ではこのようなご相談にも親身に対応させていただきます。ぜひお気軽にご相談ください。

■車両保険利用時の等級への影響

車両保険利用時の等級への影響

自動車保険の等級について詳しくは以下のページをご覧ください。
自動車保険の等級とは?制度や保険料の決まり方を解説

台風で車体などに被害を受けたときに便利な特約

車両保険のほかに、台風で車が被害にあった場合に役立つ特約として、レンタカー費用特約と車内手荷物等特約があります。それぞれどのような特約なのか、詳しく見ていきましょう。

レンタカー費用特約

レンタカー費用特約とは、被害にあった車を修理しているあいだ、レンタカーを借りる費用が補償されるというもの。
三井住友海上の場合は、事故にあい、走行はできるが修理が必要なケース等が対象。最大30日間、1日あたり保険日額を限度にレンタカー代が補償されます。受け取る保険金の日額は、3,000~20,000円の範囲で、1,000円単位で設定が可能です。

車内手荷物等特約

車内手荷物等特約とは、車両保険で車両保険金が支払われる事故において、車室やトランク内に収容されていた物(個人が所有する動産)が損害を受けた場合に、補償が受けられるものです。
例えば、台風が原因の事故でトランクに積んでいたゴルフセットが破損したような場合、保険金額を限度に補償が受けられます。

■台風による車の被害で利用できる自動車保険や特約の種類

台風による車の被害で利用できる自動車保険や特約の種類

台風時の車に関する心得

台風によって車が受けた損害は車両保険で補償されるとはいえ、保険を使えば次年度以降の保険料は上がってしまうため、できるだけ損害を受けないように注意するのがベストなのは間違いありません。台風から車を守るために、気をつけたい点をチェックしておきましょう。

基本は人命第一に、台風時はできるだけ運転しないのが前提

台風の中での運転は、強い風にあおられて横転したり、道の状態が確認しづらく冠水場所に侵入してしまったりする可能性もあり、どうしても危険が伴います。早い段階から台風の接近情報に注意し、避難が必要なら早めに移動するなどして、台風で雨風が強いときは、できる限り運転しないことが第一です。

台風時はできるだけ運転しない

水害のおそれがあるときは、できれば安全なうちに高台などに車を移動

河川の氾濫など水害のおそれがある場合は、冠水を避けるため、早めに車を高台に移動させておくのがおすすめです。自宅の車庫やガレージが周辺より低い位置にある場合も、近隣の立体駐車場をはじめ、高い場所に車を移動ができるとベストです。ハザードマップを確認して、水害の危険性がどれほどあるのかチェックしておきましょう。

水害

気象庁が「非常に強い風」「猛烈な風」を予報しているときは注意

気象庁が「強い風」というのは、平均風速15m以上20m未満で、高速道路走行中は横風に流される感覚のあるレベル。「非常に強い風」というのは、平均風速20m以上30m未満で、通常の速度で運転するのが困難になるレベル。「猛烈な風」は、平均風速30m以上で、走行中のトラックが横転するレベルの風を指します。
横転の危険があるので、「非常に強い風」や「猛烈な風」のときは、運転は控えましょう。

強い風・非常に強い風・猛烈な風」

車体が水に浸かるような場合はすぐにエンジンを停止して安全な場所に

冠水場所に侵入してしまったなどで、車体が水に浸かった場合は、エンジンに水が入って動かなくなり、水没するおそれがあるので、一刻も早く車から脱出しなくてはいけません。エンジンが止まると電動の窓は開かず、水圧差でドアが開かなくなるおそれもあるので、緊急時用に車内に脱出用ハンマーを備えておくと安心です。
一度冠水した車は、水が引いた後にエンジンをかけると故障するおそれがあるので、専門業者に依頼して処理してもらいましょう。

冠水した車

車両保険やオプションの特約で、万が一の台風被害に備えよう

気候変動により台風の強さが増す可能性も指摘されている中で、台風への備えは必須といえます。大事な車を守るには、普段から災害対策意識を持った上で、必要な備えとして自動車保険への加入も検討しておきましょう。車両保険は使用すると次年度以降の等級がダウンしてしまうものではありますが、万が一の被害のときに必要な補償を受けられるのは、心強く感じるはずです。

三井住友海上の自動車保険では、車両保険を基本的な補償のひとつとしてご提供しているプランのほか、レンタカー費用特約や車内手荷物等特約、全損時諸費用特約などもご用意しております。大切な車を守る備えとして、ぜひご活用ください。

  • この記事の内容は、2022年7月時点の内容です。今後の商品改定等によって補償内容等が変更になる可能性があります。
  • この記事の内容は、2022年7月時点の法令等にもとづいて作成しています。

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