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飛び石被害

2022.07.28

飛び石被害を受けたら?責任の所在や修理、保険利用について解説

飛び石被害

2022.07.28

飛び石被害を受けたら?責任の所在や修理、保険利用について解説

車での走行中に「ピシッ」という音がしたと思ったら、フロントガラスにひびが入っていたことはないでしょうか。そのまま前方の車は走り去ってしまい、飛び石被害にくやしい思いをしたことがある方もいるかもしれません。
ここでは、飛び石の被害を受けた場合の対処法や責任の所在、修理の方法のほか、自動車保険を利用した場合にどうなるかなどについて解説します。

飛び石事故とは?

飛び石事故とはその名前のとおり、飛んできた石がフロントガラスや車体にぶつかり、フロントガラスや車体が破損してしまう事故のことです。

前を走る車のタイヤが踏んだ石が跳ね上がったり、タイヤの溝に挟まっていた石が何かの拍子に外れたりするのが原因で、一般道・高速道路を問わず起こりえます。ただ、特に注意が必要なのは高速道路です。これは、走行速度が速いと石が高く跳ね上がりやすく、また、石があたったときのダメージも大きいためです。

なお、トラックなどの大型車は重量が重い分、石を高く跳ね上げやすく、すぐ後ろを走っているとより飛び石被害を受けやすくなります。

飛び石事故の責任は誰にある?

飛び石事故にあってしまった場合、被害者側の気持ちとしては、石を飛ばした相手に修理費を払ってほしいところ。しかし、相手の責任を問うには、相手を特定した上で、相手に故意または過失があることを証明しなければなりません。飛び石事故では相手方に加害の認識がないことがほとんどで、被害を証明することが難しく、修理費を出してもらうことは非常に困難です。結局は、被害者が自分の自動車保険や、自費で直す結果となってしまいます。

飛び石を受けたらどうする?

自動車のフロントガラスは、安全性を考慮し、2枚のガラスのあいだに透明樹脂フィルムを挟んで貼り合わせた3層構造になっています。衝撃に強いつくりなので、飛び石があたっても、いきなり割れてしまう心配はありません。

飛び石を受けて突然フロントガラスに傷が入ると焦ってしまいがちですが、まずは落ち着いて安全に停車できる場所まで走行しましょう。その上で、傷の状態を確認し、警察と保険会社に連絡を。警察に連絡が必要なのは、飛び石も事故の一種であり、警察へ届け出る必要があるためです。
停車して被害状況を確認し、傷が大きかったり、運転席からの視界が妨げられていたりするようなら、ロードサービスの利用を検討してください。

一方、飛び石による傷が小さく、運転席から視界の妨げにもなっていないなら、警察に届け出た上で、いったんは目的地までそのまま走行しても構いません。ただし、小さな傷でも走行時の振動や風圧、寒暖差などによって亀裂が徐々に広がってしまうことがありますので、傷を放置するのは厳禁です。必ず早めに修理を行うことが大切です。

■飛び石被害を受けた場合の対応の流れ

飛び石被害を受けた場合の対応の流れ

飛び石による傷の修理・補修について

飛び石によるフロントガラスの傷は、傷の大きさや場所によって、修理できるケースと修理できずにガラスの交換になるケースがあります。具体的な対応について見ていきましょう。

飛び石による被害が小さい場合

飛び石による傷が小さい場合や、傷の位置がフロントガラスの端寄りでない場合は、フロントガラス自体を交換することは免れ、損傷した部分を補修するだけで済ませられる可能性が高いです。
リペアキットを使って自分で直す方法と、ディーラーや修理店に依頼する方法があります。

リペアキットを使って自分で修理
リペアキットはカー用品店やホームセンターで売られており、数千円台で購入できます。修理にかかる時間は、簡易なもので1時間程が目安。時間と費用をあまりかけずに修理できるのがメリットですが、素人判断での修理になるので、傷の深さを見誤って、十分な補修ができない可能性があります。
なお、みずから修理を行い、当時の損傷状況に関する画像などの証拠もない場合、後から車両保険を使用しようと思っても、必要な補償が受けられないケースもあります。自分で修理する場合は、そうしたデメリットも踏まえた上で意思決定をすることが大切です。

ディーラーや修理店に依頼
費用は依頼先や傷の状態によって変わりますが、20,000~40,000円程が相場といわれています。自分での修理に比べればお金はかかりますが、プロの技術でしっかり直してくれるのがメリットです。

飛び石による被害が大きい場合

飛び石による傷が大きい場合や、傷の位置がフロントガラスの端に近い場合、とりわけ強度が必要なデフロスター(窓を温めて、ガラスの曇りを取り除く装置)の風があたる位置にある場合などでは、修理が難しく、ガラス交換になる可能性が高いです。費用は車種や業者の種類にもよりますが、数万~10万円強が目安になります。

飛び石の傷の修理で保険を使うとどうなる?

飛び石の傷

飛び石で傷ついたフロントガラスの修理や交換に自動車保険が使えるかは、加入している保険の契約内容によります。契約内容に車両保険が含まれている場合は、補償を受けることができるでしょう。ただし、保険を使うにあたっては、注意点が2つあります。

次年度以降の等級が1ランク下がる

フロントガラスの修理・交換に保険を使うと、次年度以降の保険等級が1等級下がります。その分、次年度以降の保険料負担が増えてしまいますので、その点も考えた上で、保険を使うべきか自分で修理費用を支払うべきか検討する必要があります。

自己負担が発生する場合がある

契約内容によりますが、車両保険に免責金額の設定があれば、免責金額分は自己負担となります。なお、免責金額とは、お支払いする保険金の計算にあたって、修理費などから差し引く金額で、自己負担となる金額をいいます。
また、免責金額がある場合もない場合も、次年度以降の等級が1つ下がって保険料負担が増すのは変わりません。修理や交換にかかる費用と保険料増のバランスを見て、保険を使うか決めましょう。なお、判断に迷う場合は、保険を使った場合と使わない場合でどちらが得か、保険会社に相談して試算してもらうことも可能です。三井住友海上ではこのようなご相談にも親身に対応させていただきます。ぜひお気軽にご相談ください。

飛び石の傷を修理しないと、車検に通らないことも

車検に合格するためにも、飛び石で受けた車体の損傷をすみやかに修理することは重要です。
車検の審査基準は、道路運送車両法にもとづいて定められた「道路運送車両の保安基準」に記載されています。この29条の窓ガラスの基準として、フロントガラスは「容易に貫通されない」ものであり、損傷した場合も「運転者の視野を確保できる」ものでなくてはならないとされています。
フロントガラスの傷を放置したままだとこの基準をクリアできず、車検に通らなくなってしまうかもしれないのです。

飛び石被害を防ぐためのポイント

飛び石による被害は、残念ながらほとんどの場合で被害者みずから修理費を負担することになります。修理には手間も時間もかかるので、できる限り被害を受けないに越したことはありません。飛び石の発生自体を防ぐことはできませんが、以下の点に気をつけることで、ある程度は対策ができます。

飛び石

大型車の後ろにつかない
トラックなどの大型車の後ろは飛び石被害が起こりやすいので、できる限り避けましょう。大型車の後ろを走る場合は、十分な車間距離をとるようにします。

車間距離を空ける
車間距離を空けておけば、飛び石被害を防ぎやすいです。大型車の後ろを走るときに限らず、意識してください。

■飛び石被害を防ぐためのポイント

飛び石被害を防ぐためのポイント

飛び石対策では、十分な車間距離の確保が大切

飛び石被害は、ほとんどのケースで相手に責任を問うことが難しく、結局は被害者みずからが、車両保険や自費で破損を直す結果になりがちです。くやしい思いをしないためにも、普段から十分な車間距離を空けることが大切。車間距離をしっかり確保しておけば、ほかの危険を避けることにもつながるため、徹底したいところです。
それでも、飛び石被害を受けてしまったり、その傷が大きかったりすることも考えられます。保険を使うと次年度以降の等級は1つ下がってしまいますが、万が一のときは、車両保険の利用を想定しておきましょう。

三井住友海上の自動車保険なら、車両保険を付保している場合、飛び石被害でフロントガラスの修理や交換にかかる費用について補償が受けられます。また、飛び石被害によりお車の自力走行が不能な場合は、自動車保険に付帯のロードサービスをご利用いただくことができます。
車間距離の確保とともに、自動車保険で万が一のリスクに備えてみてはいかがでしょうか。

  • この記事の内容は、2022年7月時点の内容です。今後の商品改定等によって補償内容等が変更になる可能性があります。
  • この記事の内容は、2022年7月時点の法令等にもとづいて作成しています。

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■監修:森川弘太郎(第二東京弁護士会)

森川弘太郎

東京弁護士法人代表弁護士。IT法務、エンターテインメント法務、フランチャイズに特化した企業法務専門の法律事務所にて勤務した後、東京都内3拠点の法律事務所(新宿東口法律事務所、立川法律事務所、八王子法律事務所)を構える東京弁護士法人を設立。東京弁護士法人は「弱点のない総合型法律事務所」を目指し、各弁護士が個人向け業務・法人向け業務、民事事件・刑事事件問わず横断的に案件を扱う。

■監修:関口勇太(第二東京弁護士会)

関口勇太

東京弁護士法人立川法律事務所所属。大学卒業後に大手テニススクールにてテニスコーチを務めながらテニス選手として活動し、その後、弁護士を志す。現在は、地元である東京都立川市に拠点を構える立川法律事務所(東京弁護士法人本部)にて、刑事事件・離婚・相続・交通事故等の個人向け業務から企業法務等の法人向け業務まで幅広い業務を取り扱いつつも、刑事弁護を得意分野としている。

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