この契約は、遭難した船舶を安全な港まで曳航するときなどに使われますが、支払額の協定方法により次の2つに分類されます。

1. ランプサム(Lumpsum)契約

ランプサム契約とは費用の総額をあらかじめ決めておく定額契約のことです。

2. デイリー・ハイヤー(DailyHire)契約

デイリー・ハイヤー契約とは一日当りの金額をあらかじめ協定する日割契約のことです。

遠洋曳航のように相当の危険が予想されるときには、救助契約のように「不成功無報酬契約」(No Cure No Pay)をとることもあります。

曳航契約の一般的な書式としては日本海運集会所制定のものがあります。この書式では荷主と船主間の契約となっていますが、荷主→船主、船主→曳航業者の関係となります。

救助契約と曳航契約について、どの形の契約とするかはそれぞれの遭難の状況に応じて慎重に取り決める必要がありますので、緊急やむを得ない場合を除いて、船長が独断で契約を結ぶことは避け、会社か場合によって保険会社と事前に打合せることが大切です。

三井住友海上では国内・国外を問わず可能な限り適切な曳船を手配する体制を整えておりますのでご相談ください。