2024.01.16
車の雪対策は何をしたらいい?準備しておきたいグッズを解説!
2024.01.16
車の雪対策は何をしたらいい?準備しておきたいグッズを解説!
車で雪の日にドライブする際は、運転前にきちんと対策をした上で、雪道に応じた走り方をすることが大切です。
あまり雪が降らない地域でも、急な降雪に見舞われることはあります。また、スノーレジャーなどで降雪地域へ出掛けることもあるでしょう。そのためにも、車の雪対策は万全にしておきたいところです。
この記事では、車の雪対策に準備しておきたいグッズやあると便利なもののほか、運転前や運転中、積雪時にやっておきたい雪対策を解説します。
車の雪対策に準備しておきたいグッズ
雪が積もった路面は、タイヤが地面をつかむグリップ力が弱くなるのでスリップしやすくなります。また、降雪による立ち往生のリスクや、巻き上げられた雪で視界が真っ白になる「ホワイトアウト」に陥るリスクもあるので注意が必要です。
まずは、車の雪対策に準備しておきたいグッズについて見ていきましょう。
タイヤチェーン
タイヤチェーンは、車のタイヤに装着する滑り止め用のチェーンです。金属製や樹脂製などのタイヤチェーンをタイヤ(駆動輪)に装着すると、タイヤチェーンの凹凸によってタイヤのグリップ力が増し、雪道などでもスリップしにくくなります。また、スタックなどによる立ち往生のリスクを回避できる可能性が高まるほか、チェーン規制時にも運転できるのはメリットといえるでしょう。
スタックとチェーン規制について詳しくは以下のページをご覧ください。
車がスタックした時はどうやって脱出する?雪道走行の方法も解説
チェーン規制の対象区間は?チェーンの種類や確認方法、注意点を紹介
スタッドレスタイヤ
スタッドレスタイヤは、ノーマルタイヤ(サマータイヤ)より深い溝が刻まれており、低温時でも柔軟性を保つゴムで製造されているタイヤです。
スタッドレスタイヤは雪道などの走行に適しており、装着するとスリップしにくくなる効果があります。
JAF(一般社団法人日本自動車連盟)が行った実験では、雪道における時速40km走行の制動距離はノーマルタイヤで29.9m、スタッドレスタイヤでは17.3mと大きな差が出ました。
なお、沖縄を除く都道府県では、スタッドレスタイヤやタイヤチェーンといった滑り止め対策を行わずに雪道を走行するのは、法令違反です。そのため、雪道を走る際には、必ずいずれかを準備しておかなくてはなりません。
スタッドレスタイヤについて詳しくは以下のページをご覧ください。
スタッドレスタイヤとは?タイプや替えどき、費用相場などを解説
雪用(冬用)ワイパー
雪用(冬用)ワイパーは、外気温が低いときや降雪時でも凍結しにくく、ガラス面の雪をしっかりと拭き取ることが可能です。通常のワイパーよりも高い耐久性が特徴です。
雪に備えて、スタッドレスタイヤと同じタイミングで雪用ワイパーに交換しておくと安心です。
解氷スプレー
解氷スプレーとは、フロントガラスの凍結部分を短時間で溶かしてくれるスプレーのことです。車内でデフロスターを使って凍ったフロントガラスの視界を確保するには時間がかかるので、急いで出発したいときなどに役立つグッズといえるでしょう。
脱出用ラダー
脱出用ラダーとは、雪にタイヤをとられて身動きできなくなった「スタック」状態からの脱出をサポートするためのグッズです。脱出用ラダーを雪とタイヤのあいだに設置し、ゆっくりと車を発進させることで脱出が可能になります。
スノーブラシ
スノーブラシは、車に降り積もった雪を落とすためのものです。車の屋根の上に雪を乗せたまま運転していると、急ブレーキのタイミングで屋根の上の雪がフロントガラスに落ちてきて視界がふさがれ、思わぬ事故につながる可能性があります。
スノーブラシがあれば、簡単に屋根やボンネットの上に積もった雪を落とすことができるでしょう。
ブースターケーブル
ブースターケーブルは、車のバッテリー上がりが起きたとき、救援車から電気を分けてもらう際に必要となるケーブルです。
外気温が下がると、バッテリーの充電効率が下がったり、エアコンなどの使用で電気使用量が増加することで、バッテリー上がりが起こりやすくなります。ブースターケーブルを備えておけば、バッテリー上がりで動けなくなったときに、近くの車に救援してもらうことができます。
バッテリー上がりについて詳しくは以下のページをご覧ください。
バッテリー上がりが起きたら?原因や自分で復旧する方法を解説
スコップや軍手、懐中電灯、防寒具
スコップは、雪が多く降る地域でスタックしてしまい、車の周りの雪を除去して脱出しなければならないときに活躍します。折りたたみ式のスコップを車に載せておくと便利です。
軍手は、タイヤチェーン装着作業時などのケガ対策に、懐中電灯は夜間のトラブル対応時に役立ちます。また、雪で立ち往生した場合に備えて、毛布などの防寒具も積んでおくことをおすすめします。
運転前に行う雪対策
スタッドレスタイヤやタイヤチェーンを装着して、さまざまなグッズを搭載する以外にも、雪対策としてできることがあります。ここでは、運転する前に行う雪対策について解説します。
車の各部分をチェックする
雪が降ると外気温が低くなり、車のハードウェア部分にとっては通常より厳しい環境です。雪が降っても走れるよう、次のような部分に対策を講じておく必要があるでしょう。
・バッテリー
車のバッテリーは、外気温が低いと性能が低下し、バッテリー上がりが起こりやすくなります。運転前に液量や比重、十分な電圧があるかをチェックしておいてください。
・クーラント液(冷却水)
クーラント液(冷却水)は、エンジンのオーバーヒートを防ぐためのものです。雪が降るような外気温でクーラント液の濃度が薄いと凍結するおそれがあるので、運転前にクーラント液の濃度を確認する必要があります。
・ウォッシャー液
ウォッシャー液は、フロントガラスの汚れなどを落とすためのものですが、冬場には凍結する可能性があります。降雪時の視界を確保する必要があるため、寒冷地用のウォッシャー液を入れておくと安心です。
燃料を満タンにしておく
車の燃料は事前に満タンにしておきましょう。雪による渋滞や立ち往生に巻き込まれたりした場合、車内で暖をとるためにも燃料が必要だからです。
靴底についた雪を落とす
靴底に雪がついたまま運転すると、足が滑ってペダルを踏み外す危険性があります。運転前に、必ず靴の雪は落として車に乗り込みましょう。
道路情報や気象情報を確認する
降雪時は渋滞が発生しやすいので、出発前に道路情報を確認しておくのがおすすめです。また、無理な運転を避けるため、気象情報もしっかりチェックしておきましょう。大雪になりそうだと判断したら、運転を止めるのも賢明な選択といえます。
時間に余裕を持って出発する
雪道では車のスピードを落として運転する必要があるため、どうしてもいつもより時間がかかります。焦らないで済むように、時間には余裕を持って出発しましょう。
車の運転時の雪道対策
雪が降っていたり積もったりしている道で車を運転する際には、どのようなことに気をつけるべきでしょうか。ここでは、車で雪道を運転するときの対策をご紹介します。
急な操作は避ける
雪道は非常に滑りやすいため、急ブレーキや急アクセルのほか、急ハンドル、急な車線変更など「急」のつく操作は避け、慎重な運転を心掛けましょう。雪道は乾いた路面に比べて制動距離も長くなるので、全般に「ゆっくり早め」の操作をする必要があります。
なお、ABS(アンチロック・ブレーキシステム)が装備されている車は、急ブレーキを踏んだときもタイヤがロックされず、ハンドルを操作できます。ただし、ブレーキペダルを強く踏み続けないとABSは作動しないので、「グググ」という反動を感じても強く踏み続けてください。
2速(スノーモード)で発進する
雪道では急発進すると、駆動輪がスリップしてしまい、うまく発進できない場合があります。そんな状況では、AT車の場合は車が自然に前進しようとするクリープ現象を活用するか、2速にあたる「スノーモード」を使うなどでアクセルをふんわりと踏むと、うまく発進できるでしょう。MT車ならば、2速に入れて発進します。
ホワイトアウトに遭遇したらすみやかに退避
万が一、強い風によって舞い上がった雪(地吹雪)で視界が真っ白になる「ホワイトアウト」に見舞われたら、そのまま運転を続けるのは危険です。無理をせずすみやかに、道路脇や近くの駐車場などの安全な場所に停車します。
後続車に追突されないように、昼間でもハザードランプやヘッドライトなどを点灯させ、周囲に自分の存在をアピールしてください。
身動きがとれなくなったときは、道路緊急ダイヤルやロードサービスへの救援依頼のほか、状況によっては警察へ通報も検討しましょう。
先行車との車間距離は通常の約2倍は確保する
雪道では、路面が滑るため、いつもと同じ速度でも、いつもと同じように停まることができません。なので、通常より速度を落とし、車間距離は通常の約2倍は保って走行するようにしてください。
車の積雪対策
車に雪が積もりそうなときや積もったときには、いくつか対応すべきことがあります。ここでは、車の積雪時の対策について解説します。
ワイパーを立ててフロントガラスから離しておく
積雪に備えて、車のワイパーは持ち上げて立てておきます。駐車中に積雪が予想される場合は、基本的にワイパーは立てておきましょう。ワイパーを立てる理由は以下のとおりです。
・ワイパーの凍結を防ぐため
ワイパーを寝かせたままにしていると、フロントガラスに密接するワイパーブレードについたゴム部分が凍ってフロントガラスに張り付き、動かせなくなる場合があるのです。凍結防止のためにもワイパーを立てる必要があります。
・ワイパーの故障・破損を防ぐため
寝かせたままで凍結したワイパーゴムを無理に動かそうとすると、ゴム部分の破損や変形のほか、ワイパーの本体であるワイパーアームの破損につながるおそれがあります。また、積もった雪の重みによってワイパーブレードが変形し曲がってしまうと、ワイパーアームや駆動するモーターに負荷がかかる場合も考えられるので、降雪時にはワイパーを立たせておくとよいでしょう。
・フロントガラスの雪落としをしやすくするため
ワイパーゴムがフロントガラスに凍り付いていると、フロントガラスの雪落とし作業がしづらくなります。積雪後のスムーズな発進・走行のためには、ワイパーを立たせたほうが楽になるでしょう。
パーキングブレーキ(サイドブレーキ)を使わない
気温が氷点下になる環境では、パーキングブレーキ(サイドブレーキ)のワイヤーが凍結し、パーキングブレーキが解除できなくなるリスクがあるため、使わないようにします。
併せて、車を固定するために車体の対角線上の前後2箇所に輪留めを設置するのもよいでしょう。AT車はギアをPレンジに入れ、MT車なら1速・下り坂の場合はリバースにギアを入れて駐車しましょう。
雪が落ちてきそうな場所に車を停めない
積雪したときは、家やカーポートの屋根の上の雪が落ちてきて車が破損したり、雪の重みでカーポートの屋根が崩れて、車が破損したりする可能性があります。駐車時は雪が落ちてきそうな場所はできるだけ避けましょう。
雪対策は十分に行っておこう
雪道はスリップしやすく、制動距離も長くなりやすいので、きちんと雪対策をした上での慎重な運転が求められます。雪道を走る際には、スタッドレスタイヤを装着するのはもちろん、積雪状況や天候によっては解氷スプレーや脱出用ラダーなども準備し、十分な雪対策を行っていくことをおすすめします。
- ※この記事の内容は、2023年12月時点の内容です。今後の商品改定等によって補償内容等が変更になる可能性があります。
- ※この記事の内容は、2023年12月時点の法令等にもとづいて作成しています。