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バッテリー上がり

2023.07.24

バッテリー上がりが起きたら?原因や自分で復旧する方法を解説

バッテリー上がり

2023.07.24

バッテリー上がりが起きたら?原因や自分で復旧する方法を解説

車が見舞われる可能性のあるトラブルのひとつがバッテリー上がり。これは、電力の使用量がバッテリーの蓄電量を上回り、車のエンジンがかからない状態のことを指します。
ここでは、バッテリー上がりが起きる原因と、バッテリーの状態の確認方法をご紹介します。また、バッテリー上がりの具体的な対処法や、ロードサービスを頼んだ場合の目安金額のほか、バッテリー上がりを起こさないためのポイント等についても見ていきましょう。

車のバッテリーの役割は?

車に積まれているバッテリーは、何度も充電・放電ができる電池のこと。その役割は、エンジンを回すモーターをはじめとする、各装置に電力を供給することです。
具体的には、次のような場面でバッテリーの電力が使われています。

<バッテリーの電力を使う主なシーン>

  • ・エンジンをかける
  • ・ヘッドライトをつける
  • ・ワイパーを動かす
  • ・パワーウインドーを作動する
  • ・ナビゲーションシステムを使う
  • ・オーディオを使う
  • ・エアコンを使う

車のバッテリーが上がる原因

バッテリー上がりとは、使われる電力の量がバッテリーに蓄えられえた電力の量を上回り、電力の供給ができなくなってしまった状態のことです。バッテリーに蓄えられた電力は、電力を必要とする装置(電装品)を使うことで減っていきます。蓄えられた電力を使い果たしてしまうと、バッテリー上がりになってしまうわけです。

本来なら、車は走行中にエンジンの回転を利用して自動的に発電し、バッテリーの充電を行うため、基本的には走行中にバッテリーが上がることはありません。一方、発電・充電がされないエンジン停止中に電装品を使うと、バッテリーに蓄えられた電力が減っていくので、バッテリー上がりにつながる可能性があります。

バッテリーが上がる原因には次のようなものがあり、複数の原因が重なっていることも多いので、注意しましょう。

<バッテリー上がりの主な原因>

  • ・エアコンの使いすぎ
  • ・半ドアによるルームランプのつけっぱなし
  • ・夜間走行後のヘッドライトの消し忘れ
  • ・エンジンの切り忘れによる待機電力の消費
  • ・自然放電による蓄積電力の減少(長期間車に乗っていなかった場合等)
  • ・バッテリーの寿命

バッテリーの平均的な寿命は2~5年といわれており、古くなると機能が衰えてきます。車が停止すると自動でエンジンもストップするアイドリングストップ機能付きの車は、バッテリーからの電力供給に切り替える頻度が高く、それだけバッテリーに負荷がかかるので、バッテリーの寿命はもっと短くなる傾向があります。

バッテリー上がりが疑われる症状とは?

バッテリーが上がると、車の各部への電力供給が滞るので、さまざまな症状が現れます。ここでは、バッテリー上がりが疑われる代表的な症状をご紹介します。

エンジンのかかりが悪い、始動しない

エンジンスタートボタンを押すイメージ

エンジンを始動するには、スターターモーター(セルモーター)を動かす必要があります。そのスターターモーターを動かすためには、バッテリーからの電力供給が必要です。
エンジンを始動させる際には、スターターモーターの「キュルキュル」という音がするのが通常ですが、「カチカチ…」といった音がするだけでエンジン始動しない場合は、スターターモーターを動かす電気が不足していることを意味します。つまり、バッテリー上がりの可能性が高いといえます。

ヘッドライト等の灯火類がつかない、暗い

ヘッドライトが暗いイメージ

バッテリー上がりは、灯火類からも判断可能です。「ルームランプやヘッドライト等の灯火類がなかなかつかない」「停車中にヘッドライトが暗くなる」「メーターの照明が暗い」といった場合は、バッテリー上がりを疑うべきでしょう。

パワーウインドー等の電装系が動かない、動作が鈍い

パワーウインドーやカーオーディオ等は、すべてバッテリーからの電力で動いています。これらの電装系が動かなかったり、動作が鈍かったりする場合、バッテリーに原因があると考えられます。

バッテリー上がりを確かめる方法

バッテリー上がりが疑われる時は、バッテリーの状態を確かめた上で、早めに対処することが必要です。続いては、バッテリー上がりを確かめる方法をご紹介します。

エンジンがかかるか確かめる

スターターモーターの駆動音が弱々しく、なかなかエンジンがかからない場合は、バッテリー上がりの可能性が高いでしょう。ちなみに、無理に何度もエンジンをかけようとすると、スターターモーターやバッテリーに負荷がかかり、別のトラブルを引き起こす可能性があるので注意してください。
ただし、エンジンがかからないのは、ガス欠、スターターモーターや、燃料ポンプの故障が原因の場合もあります。併せて、ほかの方法もチェックしてみるのがおすすめです。

灯火類や電装系が作動するか確かめる

エンジンがかかりづらい上に、ヘッドライトなどの灯火類がすべて点灯しないなら、バッテリー上がりの可能性が極めて高いといえます。
ただ、エンジンは問題ないのにもかかわらずヘッドライトがつかないという時は、過電流を防ぐために備わっているヒューズが切れている可能性もあります。

バッテリー上がり確認後の注意点

バッテリーが上がって放置された車

「どうやらバッテリー上がりが起きているらしい」とわかった時に、そのまま車を放置してバッテリーの回復を待つのはおすすめできません。一度上がってしまったバッテリーは、放置しても自然回復することがないからです。
むしろ、バッテリーが上がったまま放置していると劣化が進み、元のバッテリー性能に戻らなくなってしまいます。できる限り早く充電するなどの対処をしてください。

バッテリーが上がってしまった時の対処方法

バッテリーが上がってしまった時は、どのように対処すればいいのでしょうか。ここでは、専用のモバイルバッテリーやケーブルを使って自分で直す方法と、業者に頼む方法についてご紹介します。

ジャンプスターターを使って直す

バッテリー上がりを自分で直す方法のひとつは、「ジャンプスターター」というモバイルバッテリーを利用したやり方。ジャンプスターター本体に付属するクリップのついたケーブルを使い、赤いクリップをバッテリーのプラス端子に、黒いクリップをマイナス端子につないだ状態でエンジンをかけます。
一人でできるので簡単ですが、事前にジャンプスターターを購入し、充電しておく必要があります。
なお、これまでジャンプスターターは大きくて携帯しづらく、価格もそれなりにするものが大半でしたが、近年は小型で安価な、手に取りやすいものも発売されています。
スペックに関しては、普通車なら12Vで400~700A(アンペア)程度のジャンプスターターを選ぶといいでしょう。いずれにしても、非常時に使いますので、それなりの容量があるものを選ぶことが大切です。

他車から電力を分けてもらう

自分でバッテリー上がりを直すもうひとつの方法は、赤と黒の2本がセットになった「ブースターケーブル」という専用ケーブルを用意して、他車から電力を分けてもらうやり方です。ブースターケーブルで救援車と故障車のバッテリーをつなぎ、電気を分けてもらいます。
まず、ケーブルが届く位置にお互いの車を止め、ボンネットを開けてバッテリーの位置を確認。赤のクリップを故障車のバッテリーのプラス端子、赤のもう一方の端を救援車のプラス端子、黒のクリップを救援車のマイナス端子、黒のもう一方の端を故障車のエンジンの金属部分(エンジンブロック)の順でつなぎます。この作業は、順番が非常に大切です。もし順番を間違えると、大電流が流れて火花が飛び散ったり金属が溶けたりする可能性もあるので、絶対に間違えないようにしてください。

接続が終わったら、救援車、故障車の順でエンジンをかけます。故障車のエンジンは、バッテリーがある程度充電されるまで、数十分かけっぱなしにしておきましょう。ケーブルは、つないだ時とは逆の順序で外していきます。

■ブースターケーブルの接続手順

ブースターケーブルの接続手順

なお、救援車はどんな車でもいいわけではなく、以下のような条件があります。

ハイブリッド車は救援車になれない
ハイブリッド車は、救援時に流れる電流によって電気回路が故障してしまうおそれがあるため、救援車にはなれません。なお、ガソリン車がハイブリッド車を救援することは可能です。
ただ、電気自動車・ハイブリッド車はバッテリーが2つあり、どちらのバッテリー切れなのかわかりにくいなど、ガソリン車より複雑な作りをしています。自身で直せるかどうかの判断は難しいので、バッテリーが上がったのが電気自動車やハイブリッド車の場合は、無理をせずプロに頼んだほうが良い場合もあります。

バッテリーの電圧がそろっている必要がある
車のバッテリーには12Vと24Vの2種類があり、電圧が同じでないと救援はできません。一般的な乗用車は12Vですが、大型車などは24Vのものが多いです。

ロードサービスにバッテリー上がりの対応を頼む

バッテリー上がりを起こしたら、自動車保険(任意保険)や JAF(日本自動車連盟)に付帯するロードサービスに連絡すると、救援に来てもらえます。故障車の位置と車名、ナンバー、車の色、トラブルの内容を伝えましょう。なおJAFは、会員でなくても依頼可能です。

ロードサービスに頼むメリットは、プロにお願いできるので安心なこと。旅先でバッテリーが上がってしまっても、JAFやロードサービスは、全国どこでも駆けつけてくれます。デメリットとしては、費用や待ち時間がかかることが挙げられます。到着までの時間は1時間程が目安ですが、場所や道路の状況によってはもっとかかる場合もあるので注意が必要です。
※一部地域(離島など)ではロードサービスをご利用いただけない場合があります。

ロードサービスの費用
ロードサービスにバッテリー上がりの対応を頼んだ際にかかる費用は、利用するサービスによって異なります。
まずJAFの場合は、入会金が2,000円、年会費が4,000円(セットで5,500円になる割引あり)で個人会員になることが可能。会員なら、バッテリー上がりの際、作業料無料で救援が受けられます。
非会員の場合は、一般道だと13,000~15,000円程、高速道だと21,000~25,000円程の作業料に加えて、救援車両の高速料金がかかります。
自動車保険に付帯しているロードサービスの場合は、バッテリー上がりの救援は無料であることが多いです。ただし、利用条件や回数制限が設定されている場合もあるため、事前に契約内容を確認しておきましょう。

ロードサービスについて詳しくは以下のページをご覧ください。
ロードサービスの内容や等級への影響は?注意点もチェック!

バッテリー上がりから復旧した時にするべきこと

ジャンプスターターや救援車、ロードサービスのおかげでバッテリー上がりの状態から脱しても、いくつか行うべきことがあります。バッテリー上がり復旧後の対処法について解説します。

車を走らせてバッテリーを充電する

バッテリー上がりからの復旧直後は、応急処置によりエンジンがかかっただけなので、バッテリー内には電気の蓄えがありません。ですから、エンジンを止めると再び始動できない状態になってしまいます。
エンジンを切らずに、距離にして10km程度、時間にして30分程度走り、バッテリーに充電するようにしてください。

バッテリーが寿命の場合はバッテリーを交換する

前述のとおり、バッテリーは少しずつ劣化し、2~5年で寿命を迎える消耗品です。バッテリー上がりはバッテリーに負荷をかけ、性能を低下させます。バッテリー上がりを繰り返したものは、さらに早く寿命を迎える可能性もあるのです。
バッテリーの寿命が来ている場合は、充電ではなく交換するようにしてください。

寿命でバッテリーを交換しなくてはいけない場合、どうしたらいい?

バッテリー上がりの原因がバッテリーの寿命なら、バッテリー交換が必要になることもあります。場合によってはレッカー移動が必要となり、その分の費用が発生するかもしれません。

もし、レッカーが必要になっても、ロードサービスに関する特約に加入している場合は、いくつか満たすべき条件はあるものの、かかった費用が補償の対象となります。例えば、三井住友海上の自動車保険では、レッカー費用については、車両保険の保険金額の10%、または30万円のいずれか高い額を限度に補償。
また、ロードサービス費用特約の保険金のみを請求した場合、等級は下がらないので安心してご利用いただけます。

なお、バッテリーの電力は救援を受けてもすぐに満タンになるわけではありません。バッテリー復旧直後は、エアコンをつけるなどバッテリー充電を妨げる行為は避けましょう。

EV車(電気自動車)でバッテリー上がりを起こしたら?

EV車のバッテリーには、「補機用バッテリー」と「駆動用バッテリー」の2つがあります。

自分で対処できるのは、この補機用バッテリーが上がってしまった場合のみ。補機用バッテリーはヘッドライトやオーディオ、ルームライト、エアコンのほか、ハイブリッドシステムの起動や制御に欠かせないものです。補機用バッテリー上がりなら、救援車から電力を分けてもらうか、ジャンプスターターを使う方法のいずれかで対処ができます(もちろん、ロードサービス等に連絡して対処してもらうことも可能です)。

一方、走行に必要な電気モーターに電力を送る駆動用バッテリーが上がってしまったら、ロードサービス等に連絡をして、レッカーで近隣の充電施設まで牽引してもらわなければなりません。

なお、自動車保険に付帯するロードサービスでは、EV車の電欠時にもレッカーの手配ができる条件のものが多くなっています。

日頃からバッテリー上がりに備えておこう

バッテリー上がりは、ヘッドライトの消し忘れなど些細なミスから起こることがありますので、ドライバーなら誰もが普段から気をつけておきたいトラブルです。バッテリー上がりは自然回復することはなく、上がった状態での放置は劣化にもつながりますから、バッテリー上がりが発生したら早めに対処しましょう。
また、日頃から車の使い方に気をつけるだけでなく、ジャンプスターターを備えておく、自動車保険に加入し、ロードサービスを付帯するなど、事前に備えておくとさらに安心です。

三井住友海上の自動車保険は、ロードサービス費用特約でトラブルをしっかりサポート。バッテリー上がった時に救援を受けられるほか、レッカー費用や修理後の運搬・引取費用も補償しています。まずは、お気軽にお問い合わせください。

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