2023.11.16
車検時にかかる税金は安くできる?費用の内訳と節税方法を紹介
2023.11.16
車検時にかかる税金は安くできる?費用の内訳と節税方法を紹介
車が公道を走るには、決まった期間ごとに車検を受けて合格しなければなりません。車検時には、交換部品の代金や自賠責保険の保険料、車検取扱業者へ支払う手数料などに加えて、税金も納める必要があります。
この記事では、車検時にかかる税金とその税額のほか、車検費用を低く抑えるための節税方法についてご紹介します。
目次
車検時にかかる税金とは?
車にかかる税金は、自動車重量税、自動車税・軽自動車税(種別割)と自動車税・軽自動車税(環境性能割)の3種類です。これらのうち自動車重量税は、車検のタイミングで納める税金です。ここでは3種類の税金について解説します。
自動車重量税
自動車重量税は、車の区分や重量、新規登録からの経過年数などに応じて課せられる国税です。税額は0.5t刻みで設定されており、車の重量が増すと金額が大きくなります。車検のタイミングで、車検証の有効期間分をまとめて納めます。
自動車重量税には、適用期間中に環境性能に優れた車を減免する「エコカー減税」制度が設けられているのが特徴です。一方で、新規登録から13年を超えると税額が上がり、18年を超えると税額がもう一段階上がる重課制度もあります。
※エコカー減税制度の適用税率は2026年4月30日まで公表されています。
自動車重量税について詳しくは以下のページをご覧ください。
自動車重量税とは?税額やエコカー減税との関係、納付時期を解説
自動車税・軽自動車税(種別割)
自動車税・軽自動車税(種別割)は、毎年4月1日時点での車の持ち主に課される税金です。4月~5月半ば頃に、地方自治体から送られてくる納付通知書によって納めます。
納付期限は、5月末となっているのが一般的ですが、一部地方自治体では6月末の場合もあります。
自動車税・軽自動車税(種別割)の税額は車の種別や用途、総排気量、環境性能などによって異なります。なお、環境負荷の小さい車は税率が軽減され、新規登録から11年あるいは13年を超えた環境負荷の大きい車は重課となる「グリーン化特例制度」が設けられています。
※グリーン化特例制度の適用税率は2026年3月31日まで公表されています。
自動車税・軽自動車税(環境性能割)
自動車税・軽自動車税(環境性能割)は、車を取得する際に1回だけ課せられる地方税です。車の燃費性能などに応じて税率が設定されています。自家用として使用される普通乗用車の対象車は0(非課税)~3%です。なお、新車・中古車による税率の違いはありません。
※自動車税・軽自動車税(環境性能割)の適用税率は2025年3月31日まで公表されています。
環境性能割について詳しくは以下のページをご覧ください。
環境性能割とは?自動車取得税との違いと税率、計算方法について解説
車検時に納める自動車重量税の税額はどうやって決まる?
車検時に納める自動車重量税の税額は、車の区分や重量、新規登録からの経過年数のほか、環境性能によって決まります。区分とは、乗用車、特殊用途車、トラックといった分類のことです。
電気自動車(EV)などのように、一定の環境性能基準を満たしたいわゆるエコカーは「エコカー減税」の対象となり、自動車重量税が減免されます。
普通車の継続検査で納める自動車重量税の税額は、以下のとおりです。
※エコカー減税制度の適用税率は2026年4月30日まで公表されています。
■自動車重量税の継続検査時の税額(自家用普通車の場合)
エコカー減税対象車(通常税率)
車の重量 | 税額 |
---|---|
0.5t以下 | 5,000円 |
1.0t以下 | 10,000円 |
1.5t以下 | 15,000円 |
2.0t以下 | 20,000円 |
2.5t以下 | 25,000円 |
3.0t以下 | 30,000円 |
エコカー減税対象外の車(新規登録から13年未満)
車の重量 | 税額 |
---|---|
0.5t以下 | 8,200円 |
1.0t以下 | 16,400円 |
1.5t以下 | 24,600円 |
2.0t以下 | 32,800円 |
2.5t以下 | 41,000円 |
3.0t以下 | 49,200円 |
エコカー減税対象外の車(新規登録から13年以上18年未満)
車の重量 | 税額 |
---|---|
0.5t以下 | 11,400円 |
1.0t以下 | 22,800円 |
1.5t以下 | 34,200円 |
2.0t以下 | 45,600円 |
2.5t以下 | 57,000円 |
3.0t以下 | 68,400円 |
エコカー減税対象外の車(新規登録から18年以上)
車の重量 | 税額 |
---|---|
0.5t以下 | 12,600円 |
1.0t以下 | 25,200円 |
1.5t以下 | 37,800円 |
2.0t以下 | 50,400円 |
2.5t以下 | 63,000円 |
3.0t以下 | 75,600円 |
軽自動車の継続検査で納める自動車重量税額は、エコカー減税対象車(通常税率)の場合は5,000円です。エコカー減税対象外の車については次のようになっています。
■自動車重量税の継続検査時の税額(軽自動車の場合)
エコカー減税対象外の車
新規登録からの経過年数 | 税額 |
---|---|
13年未満 | 6,600円 |
13年以上18年未満 | 8,200円 |
18年以上 | 8,800円 |
- ※エコカー減税対象車(通常税率)は5,000円
車検費用を抑える方法
車検にかかる費用の総額は、自動車重量税以外にもあります。交換した部品代や自賠責保険の保険料のほか、業者に支払う整備技術料などを加えたものです。続いては、この車検費用をできる限り抑える方法についてご紹介します。
車検基本料金や整備費用の見積りを取って比較する
車検費用のうち、自動車重量税と自賠責保険の保険料、印紙代の「法定費用」は、法律で支払う義務があるもので、この費用はどの車検取扱業者で車検を受けても変わりません。しかし、法定費用以外の部分については、依頼する車検取扱業者によって異なります。
何社か見積もりを取って比較検討した上で、車検基本料金や整備費用が安い車検取扱業者に依頼すれば、その分だけ車検費用を抑えられます。
車検の整備内容を選ぶ
車の整備には、車検を通すために不可欠なものと、車を良い状態に保つため予備的に行うものがあります。定期的に予備整備まで行えば、故障などのトラブルが起きるリスクを下げ、車の寿命を延ばすことにつながりますが、その分の費用はかかってしまいます。
車検に通るための必要最小限の整備内容にすれば、車検費用をある程度抑えることが可能です。
日常的にメンテナンスを行う
車検のタイミングでワイパーやタイヤなど、消耗部品を一気に交換すると、それだけ車検費用が高額になります。日常的にメンテナンスを行い、適切な部品交換などをしていれば、車検時の部品交換や整備が少なくて済み、その分、車検費用も低く抑えられます。
タイヤのパンクやバッテリー上がりなど、故障のリスクを下げることにもつながるでしょう。
エコカー減税が適用される車を購入して節税する
一定の環境性能を備えたエコカーは、自動車重量税が減免される税制優遇制度「エコカー減税」の対象となります。エコカー減税対象車を購入すれば、車検時に納める自動車重量税がゼロになるか、あるいは、かなり抑えることができます。
なお、エコカー減税の適用税率などは、新車を購入して新規登録した時期と車の環境性能によって決まります。例えば、電気自動車(EV)なら、2026年4月30日までに新規登録をした場合、購入時(初回車検)とはじめての継続検査(2回目車検)の自動車重量税は免税です。
自動車重量税は新車購入から13年が経過すると高くなるため、13年以上経った車に乗っている方は、エコカーに買い替えるとメリットが大きいといえるでしょう。
※エコカー減税制度の適用税率は2026年4月30日まで公表されています。
自動車税・軽自動車税(種別割)納付に関する注意点
自動車税・軽自動車税(種別割)は、車検時に納める税金ではありませんが、車検と無関係ではありません。ここでは、自動車税・軽自動車税(種別割)納付に関する注意点について解説します。
自動車税を納めていないと車検を受けられない
車検を受けるには、自動車税・軽自動車税(種別割)の納付を終えており、かつ車検の際にその事実が確認できる必要があります。自動車税・軽自動車税(種別割)が未納状態だと、車検を受けることができないので注意が必要です。
自動車税の納税証明書は保管しておく
自動車税・軽自動車税(種別割)納付の事実を証明するため、以前は車検時に「納税証明書」を提示する必要がありました。しかし現在は、オンラインで納税情報を確認できるシステムが確立されたため、原則、納税証明書の提示は不要です。
ただし、納税後すぐに車検を受けるような場合は例外です。納税情報がオンラインシステムに反映されるには最大で4週間程のタイムラグがあるため、納付後にすぐに車検を受ける時には納税証明書を提示しないと納税が確認できないからです。納付時に納税証明書を受け取ったら、きちんと保管しておきましょう。
なお、納税証明書を紛失・廃棄した場合は、手続きをすることで再発行を受けられます。
自動車税・軽自動車税(種別割)の納税証明書について詳しくは以下のページをご覧ください。
自動車税の納税証明書は車検に不要?受け取り方や用途、再発行方法
車検時の税金を抑える方法を検討してみよう
車検の際に納める税金である自動車重量税は、自家用普通車の継続検査の場合では2年ごとに発生します。
車の維持費には、税金のほかに燃料代などもかかります。これらの維持費をできるだけ抑えたいと考えるなら、高い環境性能を持つエコカーへ乗り換えて日々の燃料代を安くするとともに、車検時の税金の優遇措置を受ける方法を検討してみましょう。
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- ※この記事の内容は、2024年7月時点の内容です。今後の商品改定等によって補償内容等が変更になる可能性があります。
- ※この記事の内容は、2024年7月時点の法令等にもとづいて作成しています。
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