2023.03.13
バンパー塗装は自分でできる?傷の深さによる違いや方法を解説
2023.03.13
バンパー塗装は自分でできる?傷の深さによる違いや方法を解説
車の前後についているバンパーは、車が何かに衝突したときの衝撃をやわらげる役割を持ったパーツです。近年のほとんどの車のバンパーは、衝撃を緩和するためにへこみやすく作られているため、ちょっとした衝撃でへこんだり、傷がついたりしてしまいがち。へこみを自分で修復するのは難しくても、軽くこすった場合などは、それほど傷が深くなければ自分で直すこともできます。
ここでは、傷の深さによる違いや、どれぐらいの傷であれば自分で修理できるのかをはじめ、自分でバンパー塗装を修復する方法などについて解説します。
目次
バンパーとはどこの部分?
バンパーは、車の前と後ろにそれぞれ装着されています。場所は車種によって多少違いますが、一般的には前のバンパーは、ヘッドライトとフロントグリル(車の前面にある網や格子状の部分)の下にあり、少し前に突き出した形状をしています。車の正面を人の顔に例え、ヘッドライトを目だとすると、両頬と鼻の下あたりです。前面に装着されているバンパーを「フロントバンパー」といいます。
また、後ろのバンパーは「リアバンパー」といい、こちらはテールランプ(車の後部のランプ)とトランクの下に装着されています。
■フロントバンパーとリアバンパー
バンパーの傷の深さによる違いと、DIYでのバンパー塗装に必要な道具
接触や衝突でバンパーが傷ついてしまったとき、DIYで修理できるかどうかは、傷の深さによって変わってきます。
バンパーを含めた車のボディは、車種によって何層あるかはやや異なるものの、下地層やカラー層、クリア層といった複数層で覆われています。
■複数層からなる車のボディの塗装
塗装の表面が傷ついただけなら修復は簡単ですが、下の層まで達した深い傷であれば、修復は難しくなります。傷の深さは、大きく次の4段階に分けられます。
浅い傷
塗装の最も外側の層であるクリア層のみが傷ついた場合は、浅い傷にあたります。クリア層とは、車の表面を覆う透明な塗装で、その下の塗装を保護する効果やつや出し効果のあるものです。ごく普通に車を使っていても、洗車時や道路にはみ出た草や低木にふれた際などに、傷ついてしまうことが少なくありません。
クリア層の小さな傷であれば、コンパウンド(磨き剤)を使って簡単にきれいにすることができます。
中程度の傷
傷がクリア層のひとつ下にあるカラー層まで達している場合は、中程度の傷と判断されます。カラー層とは、車のボディカラーを決める塗装のこと。
カラー層の傷も、大きな傷でなければ、浅い傷と同じように傷消しコンパウンドなどを使って目立たなくすることが可能です。ただし、傷の状態によっては、タッチアップペンやパテを使わなければ、きれいな状態に復元できないこともあります。
深い傷
カラー層を越え、ボディのすぐ上の下地層まで達しているものは深い傷に分類されます。傷からボディの金属が見えている場合は、深い傷がついたと判断できます。
深い傷の場合、表面だけを修復しても傷ついた箇所から水が浸入し、錆が発生してしまうこともあるので、下地から修復しなくてはいけません。傷の深さを見極めて丁寧にパテで修復し、下地処理をして、塗装まで行う必要があります。
なお、修復が不完全だと、浸水や錆の原因となるので、深い傷の場合は専門業者に依頼するのが安心です。
最下層の傷
傷が塗装の層を突き抜け、その下のボディにまで届いているなら、ほとんどの場合、自分では修理できません。無理に修理しても、後で錆などの問題が発生する可能性が高いので、専門業者に依頼するのが賢明です。
自分でバンパー塗装できるか判断する4つのポイント
バンパーに傷がついたとき、自分で塗装して修理できるか判断するには、どのような点を確認するといいのでしょうか。基本的には、以下の4項目をチェックしましょう。
判断のポイント1 傷の大きさ、深さ
傷は浅くても範囲が広い場合は、DIYではきれいに仕上げるのが難しいので、専門業者に依頼するのが安心です。
傷が小さく、深さがクリア層またはカラー層にとどまっているなら、自分で塗装修理ができる可能性も高いです。下地層やボディに達しているようなら、基本的には専門業者に依頼しましょう。
判断のポイント2 へこみがあるか
へこみがあると、傷だけの場合に比べて修理の難度が上がります。小さなへこみなら手間や時間をかければ自分で修理できるかもしれませんが、大きなへこみやフレームのゆがみがある場合は、専門業者に任せるのが望ましいです。
判断のポイント3 割れがあるか
小さなひび割れであれば、パテや専用の接着剤を使って自分で直すこともできます。10cm以上にわたる大きなひび割れがある、またはひび割れの場所が悪くてバンパーを取り外しての修理が必要になる場合は、DIYは難しいので、専門業者に依頼しましょう。
判断のポイント4 ボディカラー
通常透明であるクリア層に色がついているタイプの塗装車の場合、自分で修理するとそこだけ色が変わってしまうので、基本的にDIYは難しいと考えてください。
DIYでバンパー塗装するときの方法とは?
DIYでバンパーの塗装修理をする方法は、大きく分けて3つあります。それぞれ対応できる傷や必要となる道具が違いますので、傷の状態や予算感に合ったものを選んでください。
ここでは、それぞれの方法に必要な道具や手順をご紹介します。
コンパウンドを使って塗装する方法
コンパウンドとは細かい研磨粒子が含まれた磨き剤で、スポンジやクロスにつけて磨くことで、車をきれいにするものです。傷の周りの塗装を研磨し、塗装面に生じた凹凸をなくすことで、傷を見えなくします。クリア層からカラー層の浅い部分までの傷の修理に適したアイテムです。
コンパウンドには、大きくペーストタイプと液体(リキッド)タイプの2種類あるほか、製品によって研磨粒子の大きさも異なります。傷の状態に合わせて、粒子の粗いものから細かいものへと順番に使っていき、傷が消えてつやが出るまで磨くのが基本的な使い方です。
なお、スポンジやクロスは、コンパウンドを粒子の細かいものへと変えるごとに交換するため、数個または数枚用意しておくのがおすすめです。
<コンパウンドでの塗装修理に必要なもの>
- ・コンパウンド(1回のDIYで使用するコンパウンドの種類の目安は、3種類程度~):1,000円弱~数千円程度(1商品につき)
- ・スポンジまたはクロス:数百円~2,000円程度
<コンパウンドの使い方>
1. 傷ついた部分を水で洗う
ほこりや汚れがついたままだと、小さな砂利などの上から研磨することになり、むしろ車を傷つけてしまうことになりかねません。補修作業を始める前に、車についたほこりや汚れは落としましょう。
2. 傷の部分をコンパウンドで磨く
粒子の粗いコンパウンドをスポンジかクロスに取り、傷ついた部分を優しく磨いていきます。
なお、粒子の粗いコンパウンドから順に使うことが多いですが、軽い傷では粒子が細かいコンパウンドから使っていく場合もあります。
3. 粒子の細かいコンパウンドで仕上げる
傷が目立たなくなってきたら、粒子の細かいコンパウンドに切り替えて磨き、最後は液体コンパウンドで仕上げます(粒子が細かいコンパウンドから使った場合は、この限りではありません)。
なお、上記のとおりコンパウンドを切り替える際は、スポンジやクロスも交換してください。
タッチアップペンを使って塗装する方法
タッチアップペンとは、ペンの形をした筆で塗るタイプの塗料のことで、タッチペンとも呼ばれるもの。筆先から直接塗料を塗ることで、傷をきれいに見えなくします。カラー層の傷の塗装修理に適したアイテムです。
タッチアップペンには、自動車メーカーが出している純正品と、カー用品店などが販売する社外品があり、社外品のほうがやや価格が低め。車のカラーナンバー(車種によって異なりますが、エンジンルーム内や運転席付近などに取り付けられた型式プレートから確認できます)を確認の上、色を選んでください。筆先の太さは、傷の大きさに合わせて選びます。
<タッチアップペンでの塗装修理に必要なもの>
- ・タッチアップペン:1,000円弱~3,000円程度
- ・シリコンオフスプレー:1,000円弱~3,000円程度
- ・コンパウンド:1,000円弱~数千円程度
- ・ワックス:1,000円弱~数千円程度
- ・スポンジまたはクロス:数百円~2,000円程度
- ・サンドペーパー:500円程度
- ・耐水ペーパー:500円程度
- ・マスキングテープ:数百円程度
<タッチアップペンの使い方>
1. 傷をきれいにする
傷を水で洗い、コンパウンドとサンドペーパーで傷口を磨きます。続いて、車表面の油分や油汚れを取り除くのに、シリコンオフスプレーを使いましょう。こうすることで、仕上がりが滑らかになります。
2. 修復したい箇所に沿ってマスキングテープを貼る
修復が不要な場所に塗料がつかないように、マスキングテープを貼って保護します。
3. タッチアップペンで傷の部分を塗る
タッチアップペンで点を打つようにして、傷の部分を塗っていきます。傷の箇所が少し盛り上がる状態になるまで、乾燥と塗装を繰り返します。
4. 乾燥させる
完全に塗料が乾くには、約1週間かかります。乾燥中も運転して構いません。
5. マスキングして仕上げる
再度マスキングを行い、仕上げとして耐水ペーパーで塗装面が平らになるまで磨きます。その後、コンパウンドをスポンジかクロスに取り、優しく対象の部分を磨きます。表面が滑らかになり、つやが出るまで磨いてください。最後にワックスを塗って仕上げます。
パテを使って塗装する方法
パテとは、傷やへこみを埋めるポリエステル製樹脂などでできた補修材のことです。カラー層や下地層に達した傷を修理するには、パテを使った塗装修理が必要になります。
<パテでの塗装修理に必要なもの>
- ・パテ:数百円~1,000円前後
- ・シリコンオフスプレー:1,000円弱~3,000円程度
- ・カラースプレー:1,000円~数千円程度
- ・ワックス:1,000円弱~数千円程度
- ・耐水ペーパー:500円程度
- ・マスキングテープ:数百円程度
<パテの使い方>
1. 傷をきれいにする
傷を水で洗い、マスキングテープで周囲を保護したら、補修箇所の塗装を取り除くために耐水ペーパーで磨きます。目の粗いものから目の細かいものへと変えつつ、表面を滑らかにしましょう。続いて、シリコンオフスプレーを使って油汚れを落とします。
2. パテを塗る
へこみにパテを塗り、約15~20分かけて乾燥させます。盛り上がったパテは、表面がツルツルになるまで耐水ペーパーを使って磨いてください。
3. 塗装して仕上げる
再度、シリコンオフスプレーで汚れを落とし、マスキングテープで周辺を保護した上で、カラースプレーなどで塗装を行って仕上げます。
万が一に備えて、車両保険を含む自動車保険に加入しよう
車のバンパーが傷ついた場合、修復する範囲が小さく傷も浅ければ、DIY塗装を行って補修することもできます。みずから補修すれば費用を抑えられる一方、手間や時間がかかり、思ったような仕上がりにならないことも。そのため、傷が大きかったり深かったりする場合や、作業場所を確保できない場合などは、専門業者に依頼したほうがいいケースもあります。
なお、修理を依頼できる業者は、カーディーラーやカー用品の販売店、板金塗装の専門業者など。5cm四方以内の小さな傷では10,000円程度までが相場ですが、バンパー全面の修理が必要になると、最大50,000円程度かかることもあります。
車の修理が必要になったときなどに備えるには、車両保険を含む自動車保険に加入しておくと安心です。三井住友海上の自動車保険は、相手への賠償や自身のケガ・車の補償をはじめ、ロードサービスなども含めた基本的な補償のセットに、ご希望に応じて必要な特約を追加していただくことが可能です。
ご自身にぴったりの内容でご加入いただけますので、車をこれから購入される方や乗り換えを検討中の方など、この機会にぜひ、三井住友海上の自動車保険をご検討ください。
車両保険について詳しくは以下のページをご覧ください。
自動車保険の車両保険は必要?加入のメリットや注意点などを解説