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気候変動の適応
気候・気象に対するレジリエンス(強靱性・回復力)の強化 気候・気象に対するレジリエンス
(強靱性・回復力)の強化
adaptationadaptation
世界の平均気温の上昇に伴い異常気象は増加しており、今後もその影響から免れることは難しいと考えられています。こうした自然環境を踏まえて、経済や社会のあり方を調整することで気候変動の悪影響を軽減しようとする「気候変動の適応」が社会や経済の安定と発展には不可欠です。当社では、自然災害の備えとして、災害による被害への補償を提供するという保険本来の機能に加え、事故・災害を「未然に防ぐ」機能、その後の「回復」を支援する機能を合わせるなど、付加価値の高いサービスを提供していきます。また、企業などの組織に対し、中長期的な気候変動の影響を踏まえたレジリエントな戦略づくりを支援することで、持続可能なビジネスや社会づくりの支援に努めていきます。
事例1:異常気象や天候不順によって生じる損失を補償
国連の政府間パネルであるIPCCの第6次報告書では、平均気温の上昇によって、熱波、豪雨、洪水、干ばつなどの発生頻度、被害の深刻さが、さらに増大すると試算しています。増加する自然災害による被害に対して、迅速に補償を提供することは保険会社の使命です。そのソリューションの一つが「天候デリバティブ」です。当社は、日本で初めて、天候デリバティブを販売した保険会社です。天候デリバティブは、気温・降水量・風速・積雪・日照時間など、天候データの指標を条件に定め、その条件を超えた場合に、補償額をお支払いするものです。現在は、世界の天候リスクを扱う子会社「MSI GuaranteedWeather LLC」と共同で、NASA等の衛星観測データも活用して、天候リスク商品を海外でも提供しています。また、最近の取組として、オーストラリアでは、現地のInsurTechと連携して、天候インデックス保険の見積りをお客さまがオンラインでリアルタイムに実施できる専用プラットフォームを開発し、農家向けに提供しています。従来の保険では、山火事や雹だけに限定されることが多かったのですが、このプラットフォームでは干ばつや高温・低温・収穫直前の降雨などの気象条件をカバーしています。
事例2:気候変動による全世界の
自然災害リスクを可視化
Jupiter Intelligence社動画「自然現象に卓越のソリューションを」
自然災害による社会的損失を最小化するためには、企業が将来の自然災害リスクを正しく把握し、防災・減災に向けて適切な戦略と投資を行うことが必要です。そのため、今、企業は気候変動がもたらす将来の財務的影響や災害リスクを把握し、開示することを求められています。当社グループのリスク関連サービス事業を担うMS&ADインターリスク総研では、気候変動リスク分析のスタートアップとして有名な米国のJupiter Intelligence社と連携して、気候変動による自然災害の定量評価を提供しています。工場や取引先のロケーションをベースに、洪水や高潮などの自然災害による将来のハザードの大きさや被害額を、AIを用いて予測し、浸水の深さや最大降雨量などを、90メートル四方という精度の高さで算出します。2100年まで5年刻みで予測でき、一部の自然災害については、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の開示提言に基づく財務影響についても概算が可能です。
洪水リスクは、降水という気象予測だけではなく、地形などを踏まえた解析が重要となります。MS&ADインターリスク総研では、2018年、洪水頻度の変化を長期的に予測し、地理情報システム上に反映させた、「洪水頻度変化予測マップLaRC-Flood®(ラルク・フラッド)」の公開を皮切りに、東京大学、芝浦工業大学と共同で気候変動による洪水予測の研究を進めています。LaRC-Floodでは、温室効果ガスの排出量シナリオに応じて、世界各地の洪水発生頻度が、今後どのように変化していくかをシミュレーションし、グローバルに広がるサプライチェーン全体の洪水リスクを把握できます。こうした気候変動によるビジネスリスクを事前に把握することは、現在のサプライチェーンの対応策を検討するだけでなく、中長期的な事業戦略の策定にも有効です。
なお、2021年から国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の支援を受け、より高度な洪水リスク研究に取り組み、気候変動の影響を踏まえたグローバルベースの高精度なハザードマップの作成とその活用に向け研究を加速しています。
事例3:自然災害からの迅速な回復に向けて
自治体と協業
近年の自然災害の激甚化・頻発化により、自治体による被災者生活再建支援への対応が逼迫しています。特に罹災証明書の発行は、自治体で被災状況を調査する必要があり、発行までに時間を要します。こうした課題を解決するため、お客さま同意のもと、当社の損害調査情報を自治体に提供し、水災時に迅速かつ効率的に罹災証明書が発行できるように支援する「被災者生活再建支援サポート」を2021年8月に開始しました。また、迅速な水災調査のため、ドローンで撮影した映像から浸水エリアの3Dモデルを作成し、AIが浸水状況を解析し、浸水高を調査する損害調査も開始しています。2022年1月末時点で、9つの自治体と連携協定を締結し、導入拡大に向けて全国の自治体へ提案を行っています。
事例4:世界の巨大災害に対する
保険制度への参画
世界の自然災害による経済損失額のうち、民間保険により補償されているのは約3分の1に過ぎず、この経済損失額と保険による補償額の差はプロテクションギャップと呼ばれています。特に発展途上国においては、被災者の自己負担や公的補償でプロテクションギャップをカバーするのは困難であり、大きな課題の一つです。当社は、各国の政府機関や世界銀行・財務省などと連携し、官民連携でこの課題解決に取り組んでいます。その一つが、世界銀行が主導して設立した保険制度「太平洋自然災害リスク評価及び資金援助イニシアチブ(PCRAFI)」です。これは、まだ保険制度が確立していない太平洋島嶼国で、一定規模の自然災害が発生した場合に、被災した国・地域へ、迅速に復興資金を提供することを目的としています。当社は、2013年の制度設立以来、継続して参画している唯一の保険会社です。今後も、当社のグローバルなネットワークを通じて、官民連携プロジェクトを推進し、各国・各地域が抱える社会課題の解決に尽力していきます。

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