はじめに
災害時に備えた食品は保管されていますか?
「保管したいけど、どこに置いたらいいのか?」また「普段食べない防災用の食事をずっと保管するのも⋯」と悩まれている方も多いのではないでしょうか?
我が家も2011年の東日本大震災の時に、防災グッズや備蓄の大切さを知りました。
翌日にはスーパーやコンビニエンスストアからお水や食品がなくなり、入荷もいつになるかわからないと聞き、不安に感じたことを今でも忘れられません。
そんな経験を踏まえて、災害時に備えた食品の準備をするようになりました。
今では、普段食べている物を少し多めに保管して、災害時に使う『ローリングストック法』で備蓄をしています。
1. ローリングストック法とは?
1-1. 普段から使い慣れているものを防災に使うローリングストックとは?
農林水産省のホームページでも確認できる『ローリングストック法』とは、普段から食べ慣れている食品を多めに保有し、消費したら買い足して常に一定量の食料を家に備蓄する方法です。
被災した際に準備がないと、家中の食べ物を探したり、いざ食べようとしたら賞味期限が切れていたりだと困ってしまいますよね。
1-2. どんなメリットがあるのか?
普段から食べ慣れているものなので、万が一の場合でも安心して食べられます。
今までの防災用の食料はザ・防災用で、日持ちがして栄養が取れさえすれば良いというものでした。
いざ災害の際に食べようとしても食べ慣れておらず、食べる気が起きないことも。
こんな時、普段から食べ慣れている食品が手元にあるだけでも安心できますよね。
また、賞味期限が近いものから使うため、いつも賞味期限に余裕があるものを家に備蓄できます。
1-3. どれぐらいの量が必要か?
被災の状況にもよりますが、災害が起こった際に、食品が手元に届くまで3日くらいかかるとも言われています。
その間、食べるものがあるかないかでは大きく状況が変わってきます。
そのため、食品が手元に届くまでの間、一定期間過ごせる分(最低でも3日間)の食料や水を保管することがお勧めです。
水は1人1日1リットル(最低限必要な量)。調理用を含め3リットルあると安心です。
3リットル×3日分の9リットル
食品は3食×3日分の9食分
上記は1人分なので、家族分の量があれば安心です。
2. こんまり®メソッドによる片づけと防災
2-1. 片づけで防災力UP~災害時の安全性を高めるだけでなく、いざという時でも落ち着いて対応できるようになる~
まず大切なのが、適切なモノの量にして安全性を高めることです。
家の中のモノの量が多いと、災害時にモノが凶器になることもあります。
普段からモノの量を把握し、適切な量にすることを意識しましょう。
さらにモノの住所を決めて、いざという時に備えておく事が大切です。
災害が起こった際に、混乱している中でモノを探すのは大変です。
普段から、置き場所を決めておくことで、いざという時にもスムーズに取り出すことができます。
そして、適切に収納し、安全性と対応力を高めましょう。
こんまり®メソッドでは、モノ別に片づけた後、カテゴリーを意識して収納していきます。
そうすることでこれが欲しいと思った時に迷いなく取り出すことができます。
そして、重いものは下に収納することで、災害時のモノの落下を防ぎます。
2-2. 「本当に自分にぴったりの備蓄」を判断する決断力を身につける
不安からたくさんの量を備蓄しそうになるかもしれませんが、不必要なものまで備蓄していると場所が取られてしまうデメリットもあります。
また、いくら備蓄しても不安な気持ちが無くならないことも予想されます。
片づけを終えているとモノの適切な量がわかるようになります。
普段の生活に必要なモノ、適切な量がわかっていれば、不安な気持ちから必要以上に保有したりストック品などを買いすぎることはなくなります。
まずは、片づけを終えることも防災を考える上で大切なことです。
2-3. 理想の暮らしを描いていると日々の暮らしも、ローリングストックもうまくいく!
こんまり®メソッドの片づけでは最初に理想の生活を思い描き、片づけをするなかで目指す方向をはっきりさせていきます。
同様に、防災についても目指す方向をはっきりさせたほうがいいのですが、具体的に考えることは簡単ではありません。
しかしローリングストック法は、被災時の食事を普段から擬似体験することができますし、自分に合う食事ややり方を見つけていくことができます。
これは片づけにおいて、自分軸の判断基準で日常生活を過ごしていくことと相通ずるものがあると思います。
3. 防災グッズ収納方法
3-1. オススメの置き場所とは?
災害時に備えた食品は、取り出しやすいところに一箇所に集めて保管するのがオススメです。
分散していると、いざ使うときに保管したことを忘れ、探す原因になることも。
保管場所としては、食品は台所やパントリーがオススメです。湿気の多いシンク下は避けた方が良いでしょう。
いつも目につく場所に置いておくことで、残りの量がわかるため補充も普段から意識的にする事ができます。
3-2. 補充の方法や食品の選び方は?
使ったら購入することを意識し、一定量を保有することを習慣化しましょう。
前述の通り、置き場所が一つの場所になっていたら、不足したものが一目でわかるので補充もしやすくなります。
保存食に関しては、普段から食べ慣れていて、かつ保存期間が長いモノを意識して購入しましょう。
缶詰や、レトルト食品、シリアル、野菜ジュースがオススメです。
お子さまがいる家庭では、お菓子も普段食べ慣れたものがあると安心です。
我が家では、保存期間の長いビスコ(缶入り)を保管しています。
乾パンなども保存が効きますが、普段から美味しいと思って食べることは少ないため、いざそういう状況ではなかなか喉を通らなかったりすることもあるからです。
防災用の食べ物は栄養補給が目的なので、普段食べ慣れた食品との違和感が大きいこともあります。
実際に被災された方に聞くと、カレーなどは、元気がある時は食べられるが、災害時は気持ちもなかなか元気とは言いづらく、食べる事ができなかったそうです。野菜ジュースや普段の食べ慣れているものがあればよかったとのことでした。
3-3. 賞味期限を見やすくしておく
保管する際は、賞味期限を書いてわかりやすくしておくことも大切です。
いざ食べようとした時に賞味期限切れで食べられなかったということを避けるためにも、我が家では、賞味期限をわかりやすく付箋で書いて保存しています。
また携帯のカレンダーに賞味期限を予め入れておく方法もあります。期限前にアラームを鳴らして食べるようにするなどの方法で、賞味期限切れを防ぐことができます。
3-4. オススメの収納方法
賞味期限が近いものから手前に配置して、手前から使っていくようにします。
そうすることで、賞味期限切れを防ぐことができます。
収納グッズは空き箱や長方形のプラスチック容器などが収納しやすくてオススメです。空き箱はお土産などでいただくしっかりした箱が収納に向いています。
また、収納の際は立てる収納を意識することで、下にものが隠れて気づいた時には賞味期限が切れていることを防げますし、探しやすくなります。
編集後記
ローリングストック法を知り、普段から食べて美味しいと思うものを一定量保管するようになりました。
災害はいつ起きてもおかしくないですが、それに怯えて生活するよりも、備えているから安心という思いで暮らしていきたいですよね。
石川 ひとみ
こんまり®︎流片づけコンサルタント
毎日探し物をする片づけ苦手主婦から片づけ好きになった片づけコンサルタント。
「片づけ後には自分時間が増え、自分の好きが見つかる」
そんな変化をたくさんの方にお伝えしたい、体験して頂きたいと活動中。
リトルママオンラインフェスタ、最優秀コンテンツ賞2度受賞
雑誌「サンキュ」のWEBライター
横浜在住、6、12才男の子のママ
ホームページ:https://okatadukelapin.com/