はじめに
大阪生まれ大阪育ちで、現在片づけコンサルタントをしている松岡初実と申します。私が小学生の頃に阪神・淡路大震災が発生しました。
幸い家族にケガ等は無かったものの、自宅は壁に亀裂が走り、家が歪んで窓や襖が開かず、家の中では食器やガラスがいたるところで割れている状態でした。お気に入りのシャンデリアは曲がり、ピアノが移動している自分の部屋の有様を見て、恐怖心が落ち着いた後もショックな気持ちは消えなかったことを今でも鮮明に覚えています。
そんな子ども時代の恐怖の地震体験から、私は地震対策を徹底してきました。結婚し家を建てる時も、地震対策に力を入れている地元ハウスメーカーに注文しました。
実は、戸建てを建てて3年目の第二子妊娠中に、今度は大阪府北部地震が発生したのですが、しっかりと耐震設計にして地震対策も施していたおかげか、大きな被害はありませんでした。
震度6弱の揺れと断水を妊娠・子育て中に経験したことで、更に意識は高まり、今では日常の中で無理なく取り入れられる防災を意識した暮らしをしています。
片づけでは、自分の持ち物全てと向き合う経験をしているので、何がどこにあるか把握できていて、必要な物がすぐに取り出せる状態です。被災経験があるからこそ、日々の生活の中でも、そしてお客さまとの片づけレッスンの中でも“片づけ終えている“ということが、いかに防災と安心感に繋がるかを実感しています。
こんまり®メソッドの特徴である「ときめきで選ぶ」という観点で防災食を選ぶと、災害時の不安の中でも、多少なりとも「ワクワク、安心、食べるの楽しみ」といったプラスの感情が地震への不安を和らげる事ができるのではないでしょうか。
「いつ地震がくるかわからないから、お母さんのそばを離れるのも怖いの⋯」と、被災後に不安定になった我が子の気持ちとも、こんまり®メソッドで身につけた“ときめきで選ぶ力”を軸にして親子で1つ1つの不安と向き合い、マインドを整える事ができました!
1. 非常食とは?
1-1. どんな時に必要になるのか?
非常食とは、その名の通り非常時における食料のことです。
災害・避難・遭難・紛争などの緊急事態により食料や燃料、飲料水の入手が困難になった場合に必要になります。
紛争がない日本では、非常食といえば災害や避難時に食べる物を指します。
災害時や避難時は日常に比べ不便や制限が多いので、簡単に食べられる物が望ましく、調理が不要でそのまま食べられる物や、水を加えて数分待つなどの一手間かけるだけで食べられるような物が適しています。
1-2. どんな食品を備蓄すれば良いの?
缶詰、レトルト食品、インスタント味噌汁等のフリーズドライ食品、カップ麺、乾物、乾パン、ドライフルーツ、パックご飯、お菓子等の長期間の保存・備蓄が可能な賞味期限が長い食品が適しています。賞味期限が長い程、入れ替える必要が少なく済みます。
ポイントは災害時に使用する非常食と、災害時でも日常でも食べられる食品の両方をバランス良く備えることです。
普段から料理をするなら乾物や缶詰が便利です。普段料理をしないのであれば、カップ麺やお菓子が便利になります。
1-3. 備蓄すべき非常食の量は?
災害支援物資が3日以上到着しないことや、災害により物流機能が停止し1週間はスーパーマーケットやコンビニなどで食品が手に入らないことが想定されるため備蓄量の目安は、最低でも家族の人数×3日分が必要です。最も好ましい備蓄量は、食品が手に入らない期間を凌げるよう、家族の人数×1週間分とされています。
災害支援物資が届くまでに要する期間は住んでいる地域の状況にも左右されるので自治体が作成するハザードマップなどで確認することも大切です。
(出典:農林水産省 災害時に備えた食品ストックガイド(1))
2. 非常時こそ慣れ親しんだものを
2-1. 子供は非常時であっても普段食べていないものは食べないという事実!
震度6弱を記録した大阪府北部地震発生当時、私は妊娠中で未就園児の娘と家にいました。
地震に備えた家具家財選びをしていたことと、片づけを終えていたことが幸いしたのか、大きな被害を受けずに済みました。しかし、初めて大きな揺れを経験した娘は怯えきってしまい私からひと時も離れようとしませんでした。
そんな状態で迎えたお昼ご飯。
ガスと水の供給が止まっていたので、備蓄していた非常食を食べる事に。
パッケージに記載されている説明を何度も確認しながらなんとか用意できたものの娘は「嫌な匂いがする⋯。」と食べようとしませんでした。
2-2. 日常を感じさせる物”が安心に繋がる
食べない娘を心配していると、通勤中に電車が止まってしまった夫が徒歩で帰宅しました。
私の母も孫が食べられそうな物を探すため、スーパーに寄ってから来てくれました。
家族が揃ったことと普段食べ慣れたパンを見て安心したのか「ばぁばが買ってきてくれたパンなら食べられそう」と食べだして一安心。
しかし、やはり地震のショックが大きかったのか、食べだしてからしばらくすると吐いてしまいました。
断水しているのでトイレは流せないし、洗濯機も使えないので後処理一つにも右往左往。
普段の生活がいかに恵まれているのかを実感した瞬間でした。
2-3. 普段食べ慣れたお菓子など、ほっとするものが心を救う
これらの経験から、慣れ親しんだ食品の安心感は、非常時において精神的な救いになると実感し“日常でも災害時でもときめいて食べられるもの”を意識するようになりました。
この視点で改めて身の回りにある食品を見ると、娘が大好きなお菓子や普段何気なく買っていた食品が、非常時も食べられるものが意外と多いことに気づきました。
それからというもの、非常食になりそうな食品・お菓子だと思ったら「これ、好き?地震が来た時にも良いと思うんだけど」と娘に聞くようになりました。
娘が「好き!」と選んだ食品を家にストックしておくことで、普段は美味しく食べられ、いざという時には非常食にもなります。
普段何気なく買っていた食品が、このようなちょっとした会話があるだけで地震への漠然とした恐怖心を払拭してくれる心強いときめき防災食に早変わりします!
“ときめきで選ぶ”というマインドを母娘で共有できるのは、こんまり®メソッドで私も娘も片づけ終えているからこそだと感じます。
片づけレッスンでのお客さまとの会話も、非常時に安心感を与えてくれる非常食になるかな?と娘と話している時も、どちらも同じ、“相手のときめきを知り、尊重したい”との思いを軸に話をしているからです。
日常で相手の気持ちに寄り添った会話ができていないのに、非常時にいきなりできるようになる⋯なんて都合の良いことはやっぱり無いです。それを実感させてくれた大阪府北部地震での経験。
苦い経験でしたが、こんまり®メソッドの汎用性の高さと、普段から話していることがいかに大事か、改めて気づきました。
3. 災害時でも子どもが慌てない準備の仕方
3-1. 実は慣れていないと難しい?! アルファ米など非常食を使った調理
非常食の用意はしていたものの、作る手順に想像以上に手間取ったので、慣れておくこと の大切さを痛感しました。
日常でも手順を確認しながらになるのに、普段より格段に不便な状況で不安や焦りが大きい非常事態に困るのは当たり前だな、と反省しました。
そこで早速、手順に慣れる事に家族で挑戦!様々な発見がありました!
娘に「嫌な匂い」と言われたアルファ米のおにぎりは、蒸らし時間を記載時間より長くすると匂いも芯も感じない仕上がりになって、娘もおいしく食べられる事を発見しました。
3-2. 自分で作って自分で食べる調理実習がいざという時の自信と安心感に繋がる
小学1年生の娘1人で作れるかということも、確認しました。
すると、娘の力で袋を開けるのは難しい事が発覚。
すごく頑張って最終的には開けられましたが、勢い余って部屋中にアルファ米をぶちまけてしまいました。
地震発生時に親と一緒の部屋にいるとは限らないので、娘一人でも食べられるよう、アルファ米と一緒に小さなハサミを用意しておくことにしました。
また、作る手順の説明文は漢字が多く娘はほぼ読めません。
そこで、味に慣れる為にも月に1度は子どもと一緒に作って食べるようにしました。
すると数回目には娘が作り方を覚えて、味の慣れも漢字が読めない事も一気にクリア!
娘にとってはもちろん、私にとっても大きな安心に繋がりました。
3-3. こんまり®流片づけコンサルタントの私が常備しているときめく非常食
非常食としてアルファ米のおにぎりを、日常で使用し災害時にも使えるものとして甘栗や干し芋、普段子どもが好んで食べているチョコやスナック菓子、缶詰をローリングストックしています。
アルファ米のおにぎりは味の種類が豊富で飽きにくいのでオススメです。我が家では、うっかりお米を切らしてしまった時の朝食としても活躍してくれています。
イオンで販売されている、個包装になっていて賞味期間が長くオーガニックな甘栗もオススメです!普段から家族でおやつに食べているので、非常時もホッとさせてくれるのではないかと思います。
3-4. かさばる非常食はどこにしまう?片づけコンサルタントが教える災害に備えた収納方法
どの部屋に誰といる時に地震が起こるかわからないので、リビング、寝室、娘の部屋のそれぞれのクローゼットの中にアルファ米と小さなハサミ、水、甘栗、干し芋を備蓄しています。
リビング・寝室には家族4人分×3日分。クローゼットが小さい娘の部屋は、1人分を目安に備蓄しています。
1人で部屋に閉じ込められてしまう可能性もあるので家族全員で備蓄場所を把握しています。
編集後記
地震発生当時は大きかった不安も、一つ一つ対策を立てれば安心できることが実感できました。しかし、安心しきってしまうと対策がおろそかになってしまう性格なので阪神・淡路大震災の1月17日と東日本大震災の3月11日と防災の日の9月1日は防災について家族で話すことをこれからも続けたいと思います。
松岡 初実(はっちゃん)
こんまり®︎流片づけコンサルタント
「離婚すべきか?」で悩む毎日を抜けたくて本気で片づけると、夫の事で悩まなくなっただけでなく、人生全般が好転したことに感激しコンサルタントになりました。
・心理学を学んで15年
・一姫二太郎の母
・汚部屋出身のHSP(繊細さん)
HP:https://hsphacchan.com/
Instagram:https://www.instagram.com/hacchan.konmari/