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モノが多い子育て世代も安心。家族で簡単!命を守る こんまり®︎流 備蓄収納術

はじめに

初めまして。こんまり®︎流片づけコンサルタントの山中ひかるです。

5歳と3歳の子どもと夫の4人で愛知県に住んでいます。
2011年の東日本大震災が起きたとき、ここ愛知も震度4の揺れを観測し、私も勤め先の会社の2階で大きな横揺れの地震を経験しました。
あんなにも大きな震災が起きたと知ったときの衝撃は今でも忘れることができません。

私は、この震災をきっかけに、自分の残りの人生をどう生きたいかに向き合いました。色んなことを諦めかけていた当時、苦手だった片づけを終わらせたら何かが変わるかも、そんな気持ちで片づけにチャレンジしました。そしてそこから生きづらさを感じていた毎日が激変していったことをきっかけに、片づけのプロになることを決意しました。そして、こんまり®️流片づけコンサルタントとなり10年。この10年間で、たくさんの片づけの現場を経験する中で、片づけと防災は切り離せないものだと感じています。

今回は、現役片づけコンサルタントの私が考える「子育て世代の命を守る、安心な備蓄収納術」をご紹介します。

子どもたちと

  • 子どもが3~4歳ごろのおもちゃを片づけている様子

  • 年末の大掃除で毎年ぞうきんがけしてくれる子どもたち

1. 子育てママが気軽に続けられる防災備蓄、ローリングストックとは

1-1. 食品の防災備蓄 最低3日分の非常食を自宅に備えておく

大規模災害が起きると、道路の復旧や避難所への物資輸送は、3日~7日以上かかることが多いそうです。スーパーなどで食品が手に入るまでには1週間以上かかる可能性もあり、ライフライン(電気・ガス・水道)の復旧は数ヶ月単位のことも。
(出典:農林水産省

キッチンの備蓄収納1

このため最低限3日分の非常食の準備が推奨されています。
非常食とは、長期常温保存が可能で、調理をしないでそのままで食べられるものと考えるといいと思います。

水、市販の非常食のセットや、水を注げば食べられるアルファ米、缶詰など。飲み水(調理用水含む)は、1人当たり1日3リットルは必要です。

キッチンの備蓄収納2

1-2. 防災備蓄のオススメ法 ローリングストックとは

防災備蓄食品とは、大きく分けて「非常食」と「日常食品」の2種類があります。

日常食品を少し多めに買い置きしておき、賞味期限の古いものから消費し、消費した分を買い足すことで、常に一定量の食品が家庭で備蓄されている状態を保つための方法を「ローリングストック」といいます。

普段の買い物で多めに買い足し、備蓄としてのスペースを少し増やせばよいことから、気軽に始めやすい備蓄方法です。

1-3. 子育てママの日常も助かるローリングストック

非常食備蓄やローリングストックは、災害時だけでなく普段の生活に役に立つ場面もあります。
子育て中の場合、小さいお子さまの発熱や自身の体調不良などで、買い出しに行けない、調理に時間をかけられない場面にも役に立ちます。

私の例でいうと、自身が高熱を出した時、備蓄用にしていた常温保存可能でそのまま食べられるレトルトのお粥や、何も食べられない時にはりんごジュースがあって本当に助かりました。

体調不良などで、食事の用意がしんどいときも、「備蓄のこれとこれで乗り切る」という自分なりの備蓄定食セットを決めておくことで、いざという時にも大変助かります。(例:(冷凍)うどん、レトルトミートボール、ツナ缶など。野菜もゆでるだけの根菜など)

レトルト食品など一部 そのままで食べられるものを多めに揃えるよう意識しています。

2. 赤ちゃん、幼児ママの「片づけ×防災」との関係性

2-1. 子育てママが防災を意識した片づけで大切にしている3つのこと

ここで子育てをするこんまり®️流片づけコンサルタントの私が思う片づけレッスンで感じた、防災に必要なポイントについてお話ししたいと思います。

とにかく大切なのはこの3つ。

1. 住まいを整える

避難の妨げになるような場所には、普段からモノを置かないように片づけをすることが大切です。また、倒れる恐れのあるような場所にも、モノを置かないように、いざという時にも避難経路をしっかりと確保できるように片づけることも必要です。

写真は、過去の我が家のリビング風景です。
子どもが小さいうちは、家具倒壊のリスクを減らしたくて、背の高い家具を置かないことがこだわり。作りつけの収納以外を減らすことも立派な防災の一歩だと思っています。

2. ときめく量を備蓄する

期限切れの備蓄食料が多数にならないよう食べすすめていく、もしくは少なすぎる場合は増やしていく。
※ ピクニック気分で公園などでお子さんと備蓄食料や備蓄おやつを食べてみるのもオススメです。お子さんの好き嫌いも分かり、次回買い足すときの参考になります。

3. 心を整えて備える

不安になり過ぎない。自分と家族の場合、何が必要かを全て書き出し、リストにします。不安なのは、「わからない」ことが多いからです。

2-2. 乳幼児がいる家庭の防災 先輩ママからの知恵

【先輩ママから聞いたアドバイス3選】

1. 災害時でも、母乳であれば安心という話を聞いた時、「非常時で食事や水分を十分にとれていないストレスや不安がある中、母乳が本当に問題なく出るのだろうか?」と疑問をもったと聞きました。
平常時とは異なる可能性を考慮して、普段は母乳育児をしていたとしても、粉ミルクや、液体ミルクなど、母乳の代替えとなるモノを、自宅や自宅以外にも実家や、車にも用意しておくといいと教わりまた。

2. 災害時の物資が届き出したスーパーや救援物資車の長蛇の列に、幼児を連れては並べない。(5時間以上も並んだこともあるそうです。)長時間並ぶことが難しいことも見越して、備蓄量を考えることも大切だと感じています。
また、救援物資を貰えたとしても、小さい子どもは食べ慣れないものには全く口をつけないそう。だからこそ、普段食べ慣れているものでの備蓄が小さな子どものいるご家庭ではオススメです。

3. 避難所にある備蓄物資は、「成人男性」を基準に考えられていることが多いそうです。女性用品、赤ちゃん用品、小さい子どものモノはないと考えて、各家庭ごとに用意しようと教わりました。

  • お庭でピクニック気分で、切干大根、乾燥ニンジンなどの乾物ストックを食べてみる様子。(お味噌汁に入れてみたのですが、乾燥ニンジンは入れすぎるとクセが強かったです。)

  • パパと子どもの絵本タイム。子育ても防災も家族みんなでやりたいと思っています。

  • 片づけの絵本を見つつ洋服をたたむ子ども。(絵本の影響って本当に大きいんだと感じました。)

2-3. 「ママの心がけ」で備え、守れるいのち

以前、「ママが知っていれば・備えていれば、守れるいのち」をテーマに活動されている防災ママカフェ®や地域のママ防災グループのイベントに参加しました。
そこで聞いたことで今でも参考にしていることがあります。
それは「大人は、お腹が空いていれば、食べ慣れないものや初めてのものでも食べるけど、子どもは、どんなにお腹が空いていても受け付けない」ということです。

お子さまが食べ慣れているもので、日持ちするものをいつも買う量に、1つ多く購入することから始めてみるのも良いと思います。
(過剰に持つことを、オススメしているわけではありません。あくまで賞味期限内に食べ切れる量にしてみて下さい。)

また、非常食として用意しているものを普段から食べてみる、それだけでも子どもの気持ちは違うと思います。

子どもの防災リュックの中身一部(おかゆ、ふりかけ、りんごジュース、折り紙、あやとりなど遊ぶものも)

非常時に避難所へ行くことを想定したときに、子どもの心安らげるものを防災リュックに用意することも大切だと思います。甘いものは非常時に手に入りにくいので、防災リュックに入れておくと良いかもしれません。

例:子どもの防災リュックには紙パックのジュース、普段食べているお菓子、遊べるもの(あやとり、折り紙、小さいサイズの落書き帳など。少し大きい子は、トランプなんかもよさそうです。)大人には、はちみつや氷砂糖(日持ちする)など入れておくのもオススメです。

3. こんまり®流片づけコンサルタントが実践する、片づけ×防災・備蓄収納アイディア

3-1. 安心安全な理想の住まいを考える3つのステップ

1. 我が家の安心安全はなんだろう? 理想の住まいを考える
子どもの年齢に合わせて、何があると安心なのか書き出してみましょう。
子どもが大きければ、意見を聞いてみるのもオススメです。

2. 現状の棚卸
自宅の間取り図に、既にあるモノや家具などを配置しながら、避難するときに困ることをシミュレーションするのも良いと思います。「ここの家具、固定したほうがいいな」など現状をがんがん書き込んでみるのもオススメです。

3. 家族とシェア
乳幼児世帯は、夫婦会議で取り上げてみるのもオススメです。理想の住まいを考えるところから、一緒に作っていくのも良いと思います。また5歳くらいのお子さまでしたら、「おうちが揺れた後、どんなものがあったら、ドキドキが落ち着く?」と聞いてあげるのもいいかもしれません。

東北の震災後、東京に住んでいた友人宅では、炊飯器がリビングからお風呂場まで飛んでいたと言っていたのを思い出し、滑り止めも導入してみました。

3-2. 備蓄収納スペースをしっかり決める、区切るための3つのチェックポイント

1. ローリングストックはキッチンメインで作りつつ、別の部屋の押入れなどにスペースを区切って作るのもオススメです。我が家の目標は1ヶ月分くらいまで増やしたいなと思っています。調味料(醤油、塩)、乾物、子どものおやつは、ストックを多めにするなど心がけています。瓶のはちみつなどもオススメです。

2. 各部屋に(ローリングストックの予備として)備蓄の水とそのまま食べられる食料を配置するのがオススメです。

3. スペースを決めて区切って置くことが、必要以上にストックを増やさないポイントです。

押入れのストックの場所。このスペースから出ない量をストックする適量と決めています。(缶詰や、調味料のストック、オートミールなど日持ちするものを中心に置いています。オートミールはいざという時、お粥代わりにも使えると聞いてから、ストックするようになりました。)

写真は、我が家のキッチンの食品ストックの一部です。夫が在宅リモートワークの際、自分で作って食べるレトルト食品も一緒に。乾物や調味料、缶詰、乾麺(そうめん、パスタ)、子どものおやつなどが入っています。

3-3. 防災リュックは3種類!我が家流にカスタマイズしよう

1. 非常持ち出し用リュック(一次避難、避難所に一泊することを想定したもの)
大人用だけでなく、子ども用の防災リュックの用意もオススメです。1歳くらいから歩けるようになった子にも背負う練習を兼ねて、小さめのリュックを用意してみてください。保護者の連絡先、子のアレルギーの有無などの情報を記したカードなどもリュックにつけてあげると万が一の際に役立ちます。 玄関など持ち出しやすい場所に収納するのがベストです。

2. 長期避難用リュック(二次避難、もしくは自宅に戻ってから、ライフラインが復旧するまで)
数ヶ月単位の物資を自宅に用意することをオススメします。子どもを連れてスーパーや救援物資受け取りの列に長い時間並ぶのはやはり難しいそう。それも見越したローリングストックが必要です。リュックは取り出しやすい場所がベストです。

3. いつものマザーリュック・マザーバッグにプラスする防災ポーチのススメ
ポーチの中には、常備薬やコンタクトレンズ、保湿オイル、ミニサイズの消毒液、絆創膏、子ども用爪切りハサミ、マスク、モバイルバッテリー、生理用品、携帯トイレ(おむつ)、消臭おむつ袋(ゴミ袋の代わりにも)、塩(ミニサイズのボトル入りのものなど。熱中症対策にも!)など

保湿オイルは、非常時にメイク落とし、ハンドクリーム、リップクリーム替わりや、こどもの乾燥による肌荒れ対策など1つで代用できます。

いつものカバンに入れる他、車移動メインの方は、車に置くのもいいです。

1歳くらいの子どものリュックの例(入りきらないものは、大人のリュックに入れる)自分のリュックを持つ習慣をつけるのがオススメです。

1、2、3の荷物を準備したら、「どこに何があるか、家族も把握してる?説明ができる?」かを確認しましょう。これは災害だけでなく、非常時のためにもオススメです。我が家は産後の入院中、夫に荷物を追加で持ってきてもらう時も、とってもスムーズで本当に助かりました。

そのためには片づけ後の収納を夫婦で把握・共有していることが必要です。どこに何があるかパッと見て分かる、シンプルな収納の作り方を片づけレッスンでも自宅でも心がけています。

3-4. 子どもの不安軽減につながる 避難所までお散歩から始めてみよう。家族で相談しながら作る防災プラン2ステップ

1. 子どもにとって地震を未知のものにしない
地震の話を子どもにしたことがありますか?子どもにとって、地震を未知のものにしないことが大切です。

地震の絵本もあります。地震が起きたときどうするか、伝えておくことも大事だと感じています。子どもの保育園や幼稚園での避難訓練の日には、地震について話をしてみたり、先生たちが子どもに地震のことをどう伝えているのか聞いてみるのもいいと思います。

2. 楽しみながら防災体験をする
防災ピクニックは、避難所まで実際に歩いて、ピクニック先で非常食を食べてみることもオススメです。発熱剤(火を使わず安全に加熱できる)のモーリアンヒートパックなどで実際に調理を体験してみるのもオススメです。
我が家でも、子どもが大きくなったら、防災を兼ねたキャンプ体験をするのも、挑戦したいことの一つです。

こうした経験を重ねて、家族でどんなことが防災になるのか相談しながら、「我が家」の防災プランを作っていきたいと思っています。

子どもにとってリュックはお出かけの必需品になっています。

編集後記

今回、防災と片づけに関しての記事を書かせていただき、私の防災観は、子どもが赤ちゃんの時代からアップデートできていないことに気づきました。地震の絵本を久しぶりに読み返したり、ずっとやりたいなと考えていた、防災ピクニックにもチャレンジしていきたいです。安心安全でときめくおうちづくりを、成長していく子どもたちと一緒に続けていきたいと思います。

山中 ひかる

山中 ひかる
こんまり®流片づけインストラクター
こんまり®流片づけコンサルタント

愛知県在住 夫と5歳、3歳の子どもの4人暮らし こんまり®流片づけ歴10年以上の実践から来る、ときめく人生を自分で切り開いていくコツを片づけを通して伝えている。
我慢も遠慮もしがらみも捨てて
大好きなものと一緒に生きる
をコンセプトに心からスッキリして自分らしく日々ときめいて生きていきたい人向けに片づけレッスンをしている。

ブログ:https://ameblo.jp/c-2mitsu
インスタ:https://www.instagram.com/hikaru_konmari/