02
片づけで生存率が高まる!?もしものとき、あなたの家は大丈夫?

モノより、「命」を守るが防災の決め手

震災はいつ、どこで起こるかわからないものです。
私は2018年の北海道胆振東部地震で大切な同僚を失いました。沢山のモノに埋もれて失ってしまった命でした。片づけが苦手な同僚は、家の中が積み上げられた書籍やDVD等の資料で部屋が埋め尽くされていました。それらに埋もれた状態となって亡くなっていたのです。

何かできることは無かったのだろうか?そう思うと悔しい気持ちでいっぱいでした。その同僚が死をもって教えてくれた事は「自分の持ち物で命を落とすことがある」「明日に命を落とすかもしれない」ということです。

どんな災害がいつ来るかわからない。日頃から「防災」を意識した片づけをすることによって命をも守ることができます。「災害で命を落とす方を一人でも減らしたい」そう思いながら現在、片づけコンサルタントとして活動しています。

※写真はイメージです

モノよりも命を優先させる。災害時に備えた対策に片づけが有効

モノよりも命を守る行動を!

地震で命を落とす具体的な死因の中で「圧死・窒息死」が多いという調査結果が出ています。地震発生時、いかに自宅の家具などが事故を引き起こすか、ということを裏づける結果となっています。

阪神・淡路大震災では、死因の53.9%が「窒息死」でした。
(出典:内閣府 防災情報のページ 間違いだらけの防災対策 第1回

万が一に備えて考えたとき、大切なのは「モノ」ではなく「命」です!大切にしていたモノや、いつか使えるだろうと保管しているモノによって、命を落とすことは大変心苦しいことです。実際に自宅の家具や、収納しているモノが、地震によってどのような状態になるかをシミュレーションしてみると、危険を回避する行動に繋がり、災害時の生存率を上げることにもつながるのです。

地震の発生率は世界4位!地震は必ず起きると想定して備える

日本は、世界でも地震の多い国として知られています。各地で震度4以上の地震の頻度が高く、南海トラフ地震や首都直下地震はいずれ起こると予測されています。

東日本大震災では、津波での壊滅的な被害がまだ記憶に新しいと思います。住居の全壊・流失・半壊は合わせて40万戸以上。避難生活を強いられた避難者は約47万人とされています。
災害に備えた防災用品や食料・飲料・生活必需品などの備蓄を、常に意識し備えることや、避難の動線を考え、すぐに持ち出せるよう定位置を決めることも大切です。

※写真はイメージです

地震対策で大切なポイント!日常から「防災」を意識した片づけ

防災の観点から、モノが散らかっていると、避難経路がふさがれてしまうことや、散乱したモノにストーブの火が燃え移って、火災につながるなどの危険性があります。

そこで大切なのが「片づけ」です!いかにモノを減らし、すっきりとした部屋を日常からキープすることができるか。また、何がどこにあるのかを家族が把握できるようにする。片づけは、万が一の状況で慌てないことにつながり、災害時の生存率を高める防災対策にもなるのです。

片づけは命を守る「防災」

「片づけられない」で落とす命

「片づけが苦手」と悩まれている方はとても多いと感じます。
私が震災で失った同僚もそうでした。「掃除ができない」とはまた違い、モノに対する執着が強く捨てられないことで、積み上げられた書籍やDVD等の資料で部屋が埋め尽くされていました。自分一人では手の施しようがない状態となっていたのです。

何十年もその状態を維持し暮らしてきたなかで、巨大地震が来ることを想定していなかったと思います。自分自身の命を守るには、防災に繋げる行動(片づけ)をすることが大切です。ですが、なかなか普段当たり前に暮らしている自宅で何から始めて良いのかわからないという方が多いのではないかと思います。そんな方に是非「こんまり®︎メソッド」の片づけ祭りを実践していただきたいです。

理想の暮らしも防災の視点で描く安全な部屋づくり

片づけレッスンでお客さまのご自宅へ伺うと、寝室に収納家具が配置されていたり、天井高くまで物が収納されていたりと、普段当たり前に暮らしているご自身にとっては、災害時に危険だということに気付けずにいる状態となっていることが多く見受けられます。

まず、片づける際に描く理想の暮らしも、日本が地震大国であることを踏まえた視点で描くことが大切となってきます。不要なモノを手放し、安全な部屋づくりをご提案しています。

片づけは「モノ」だけではなく「ココロ」までも整える

住居が安全になり、日々も安心で心穏やかなものになる。そんな暮らしを叶えることができるのが「片づけ」です。身の安全を確保するためにモノを整えるだけではなく、思考やココロも整えられます。
コロナ禍で在宅を強いられるようになった方の中には、片づいていない家にいるだけでストレスが慢性化し、在宅ワークに集中できず、頭の中もゴチャゴチャと片づかないといった状態になった方も多いのではないでしょうか。

こんまり®︎メソッドの片づけは、ときめくものに囲まれることによって、幸福度が上がり、心豊かに過ごすことができる片づけ法です。

生存率を高めるための一生に一度のお片づけTIPS3選

家具の配置や必要性の見直しで安全な空間を

地震によって収納家具が倒れることや、モノが散乱してケガをする事例が多い中、皆さんはどんな地震対策をしていますか?

多くの方は転倒防止グッズを用いて家具を固定したり、モノや転倒した家具で出入口を塞がないような配置にしたりといった対策をされているかと思いますが、そもそも、モノが多いことや増えることによって、収納家具が必要となり、スペースに余裕ができると更にモノを増やしてしまうといった悪循環となります。片づけにより、モノをしっかりと見直し、必要なモノだけを残すことで、収納家具さえも置かないすっきりとした安全な空間を得ることができます。

また、家具や家電を壁に固定しているからといって、地震対策ができていると安心してはいけません。突っ張り棒や、L字型の金具で固定していたとしても、強い地震であれば倒れてしまいます。

家具が倒れた際に「寝ている場所に倒れてこないか?」「通路を塞がない向きか?」をしっかり想定し、理想の暮らしと擦り合わせながら配置を決めましょう!家具だけではなく家電も同じく、転倒を考えて安全を考慮した配置を重視しましょう。

重いモノを高い場所へ置かない

重たいモノを棚の上などに置いてませんか?
まずは、できるだけ高い位置にモノを置かないことが大切です。地震時のケガの原因で、多くあげられているのが落下物によるケガです。

背の高い家具に重たいモノを収納すると、家具が倒れやすくなり、危険性が増します。また、重いものが落下し、大きなケガの原因にも繋がります。水槽なども腰より高くに配置することが多いですが、倒れないようしっかり固定し、避難路には置かないようにするなど対策が必要です。

災害時のメガネ・スリッパ・上着対策+普段からの管理方法
(必要なモノの定位置を普段から決めておく)

例えば寝ている時に地震が起きた場合、目の悪い方はメガネをまず手にすると思いますが、慌てている時ほどいつもの場所にメガネが無いとパニックになります。地震の揺れで遠くへ飛んでしまったり、他のモノと見分けがつかなかったり、床に置いてあると踏んでしまいかねません。

そこで重要なのが、無意識に手に取ることができるように、メガネ・上着・スリッパ等、避難する際に必要なモノの定位置をしっかりと決め、普段から定位置をしっかりと決めておくことです。避難時にすぐに手に取ることができないと、二次災害に遭う可能性も高まってしまいます。

写真:枕元へ置くと安心な防災グッズ。私は左上:メガネ、右上:懐中電灯、左下:スリッパ、右下:軍手・防災笛を準備しています。

編集後記

防災と片づけをテーマに、私の経験が誰かの防災に繋がることをとても嬉しく幸せに思います。命を守る行動として今一度考えるきっかけとなって頂けたら幸いです。

宮本亜紀【あきみん】

宮本亜紀【あきみん】
こんまり®︎流片づけコンサルタント

北海道在住
こんまり®︎流片づけコンサルタント及びこんまり®︎メソッドビジネスコーチ・コーチング

片づけを通して自分自身を大切にできるよう伴走します。片づけを終えて自分らしく人生を楽しみましょう!

https://lit.link/akmin159
https://www.instagram.com/akimin_konmari.jaunty.a951/