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震災後の自宅でケガをしないために日頃から心掛けておきたい防災意識

はじめに

防災を意識してお住まいを整える際、安全のことを考えると絵や子どもの写真を飾ることを躊躇される方もいらっしゃるのではないでしょうか?

また、防災グッズを集めたい、でもなかなか気に入ったモノが選べなかったという経験はありませんか?

こんまり®メソッドには、「ときめきでモノを選ぶ」という考え方があります。

「ときめきでモノを選ぶ」とはその対象のモノを手に持った際の感じ方で『残すか、手放すか』の判断をすることを言います。

そのモノがあることで、『キュン』と感じたり、うれしい気持ちになるかどうかで残すモノを選んでいきます。
お気に入りの洋服があると、この洋服を着ておでかけしたい!とわくわくすることがありませんか?その感覚で選んでいきます。
片づけた後には、自分で選んだモノのみが残り、それらに囲まれて生活することが叶います。

今回は防災を意識しながら、お住まいのモノを『ときめくモノ』に変えていく方法をご紹介します。

1. ときめく防災グッズを選ぶ際の基準とは?

『ときめき』の判断基準には、いくつかの項目があります。

例えば、心地よいモノや、役に立つモノ。他にも幸せな気持ちになる、安心できる、持っていることでうれしくなる(ニッコリ笑顔になる)モノなど。
また、洋服でいうと、温かく体を守ってくれることも立派な『ときめき』になります。

ときめきを意識しながら防災グッズを選ぶ時、「防災×片づけの小物選び」の判断基準に加えたいのが「安全か、そうでないか」です。
安全なモノ選びをするための判断基準を考えてみたいと思います。

1-1. 転倒するかどうか

インテリアを配置するとき、特に観葉植物や水槽などの比較的大きなモノはどのように飾られていますか?

比較的大きなモノは、地震や災害で転倒や落下のリスクも考えられるため、配置には注意が必要です。

万が一、割れてしまったときは、その破片でケガをしたり、避難の際の妨げにもなります。

割れる恐れのあるモノは下の方に配置するか、高いところには落ちても壊れないモノや、軽いモノや柔らかいモノを配置することで、危険から回避できます。

もし高い場所に観葉植物などを飾りたい際には、たとえ落ちても壊れる心配がない植木鉢などを選びましょう。

また、普段から高いところに収納する場合は、滑り止めシートなどを敷くことで落下のリスクを抑えることができます。

1-2. 避難の妨げになるかどうか

たくさんの小物や、コレクションを保有されているご家庭では、災害時に部屋や廊下に小物が散らばり通れなくなる恐れもあります。

そして、大切なコレクションが震災で倒れ、壊れてしまう恐れもあります。
普段から、倒れても散らばってしまわないような対策ができていると安心ですよね。
例えば、滑り止めシートを敷いてから小物を飾るなど、ひと工夫あるだけで、大切なモノも守れますし、落下によるケガなども防ぐことができます。
普段から確認しておくことが大切です。

また、こんまり®メソッドでは、収納の際は同じカテゴリーのモノ(例えば工具なら工具)を一箇所に集めて収納することをオススメしています。

モノの収納場所がしっかり決まっていることで、災害時にもすぐに必要なモノが探せます。
例えば、ドライバーなどの工具が必要になった際に、すぐに取り出せますか?また、自分自身だけではなくご家族も必要な際に、取り出すことはできますか?

普段から、収納場所を決め、家族に共有できていることで、災害時でも必要な小物が必要な時にすぐに取り出すことができます。

コレクションも一箇所に集めて保管し、倒れないような対策を行い、万が一、倒れてしまっても避難の妨げにならないように準備しておきたいですよね。

2. 普段の生活をときめくモノにすることと、防災との関係性

2-1. 「ときめく理想の暮らし」と「防災」の関係性

片づけを始める前には「理想の暮らし」を考えましょうと伝えています。
理想の暮らしを思い描くことと、防災や災害という言葉は結びつかないように感じられる方もいらっしゃるかもしれません。

理想の暮らしを思い描くとは、片づいたお住まいや部屋でどんな生活がしたいかを考えていくことです。
そうすることで、なぜ片づけたいのか、片づけた後どんな人生を送りたいのかを考えるようになります。

片づけが終わった後の部屋には、ときめくモノのみが残り、それ以外のモノは手放します。片づけの際はたくさんのモノを手放すことが多いです。
そして、次に購入するモノは、より厳選したモノを選ぶようになります。

防災グッズを選ぶ際も同様に、購入の際にはより厳選し『ときめくモノ』の基準で選ぶようになります。
そして理想の暮らしのその先の、毎日の暮らしを安全に保てるモノ、災害時にどんなふうに過ごしたいのかを思い描けるようになるため、防災の観点でも『ときめくモノ』が選べるようになります。

2-2. 片づけを終えた後、ときめくモノに囲まれ暮らすことで起こる変化

片づけ後、ときめくモノに囲まれた生活を送ることで、日々の暮らしをより良いものにしていこうと気持ちも変化していきます。

そして日々の暮らしを大切に思う中で、より安心安全の空間で過ごすことを意識するようになります。防災はまさに安心安全を叶えるモノです。

日々の暮らしをよりよくしたいと考える中で、いざという時の備えについても考える力が育ってくるのではないかと感じています。

片づけを終えて、ときめくモノとの暮らしを始めたら、さらにときめく暮らしをイメージをして、少しずつ安心安全な暮らしのことを考えてみてはいかがでしょうか。

2-3. 被災時、『ときめくモノ』で準備が整っていることの大切さ

日々の生活のときめきは、実際に被災した時に希望を見出す力になることもあります。

もし被災したとしても、準備していたモノがときめきで選んだものだとしたら、そして普段から安全を考えたモノであれば、自分のお気に入りのモノが使えることでときめきを感じることができます。

災害が起こったときにときめきを追求するよりもまずはやるべきことがあるかも知れませんが、被災した場合、何日間か不安な状況が続くことも考えられます。

そんな状況の中、普段から使い慣れたモノ、普段から大好きなモノがあるだけでも、モチベーションが上がり、沈んだ気持ちも前向きな気持ちに変わりそうですよね。

3. ときめきを妥協しない、インテリア小物の防災対策

3-1. 絵を飾るときはガラス製ではなくアクリル板を使う

子どもの写真や作品を、額に入れて飾られているご家庭も多いのではないでしょうか?

額を選ぶ際には、ガラス製のモノではなくアクリル板のモノがオススメです。
万が一、落下した際にも割れる心配が減ります。

そのほか、割れる心配のある窓ガラスにおいては飛散防止シートがオススメです。
震度5弱以上の地震でガラスが割れる可能性があると言われていますし(出典:EPARK くらしのレスキュー)、家具が倒れてきて窓に当たり割れてしまうことも考えられます。飛散防止シートを貼っておくとガラスが飛散するのを防いでくれるので、ケガの心配も軽減されます。

3-2. インテリア小物の転倒防止対策をする

「家具転倒防止グッズ」とインターネット検索するとたくさんの商品が出てきます。

ご自宅の家具の色や壁の色と合わせることで、見た目もすっきりするのでオススメです。
また、電化製品や花瓶などの転倒を防止するために、耐震マットや耐震ジェル(百均などでも購入できます。)を下に敷いておくと、地震の際に転倒が防げます。
我が家もオーブントースターが転落してからは、耐震マットを敷いて対応しています。

百均で買える耐震マット

3-3. いきなり買わない!ときめくグッズ選びは、画像検索がオススメ

またモノが増えたら元も子もありません。

欲しいと思っている防災グッズを画像検索すると、写真で比較検討できるのでとても便利だなと思っています。

我が家も、手回しの懐中電灯が欲しいと思った際に、画像一覧から検索し好きな色や形を比較検討して選びました。

選んだ懐中電灯は、子どもたちにも使いやすく、普段の生活でも暗くなってからのお迎えの際に使用しています。普段から子どもたちと一緒に使い、いざという時に慌てないようにしています。

編集後記

沢山ある防災グッズから本当に必要なモノ、ときめくモノを探すのは難しく感じられます。
しかし、理想の暮らしと同様に理想の状態を描くことで、必要なモノが見つかるようになります。
まずはどういう状態が心地よいのかをはっきりさせることをオススメします。

石川 ひとみ

石川 ひとみ
こんまり®︎流片づけコンサルタント

毎日探し物をする片づけ苦手主婦から片づけ好きになった片づけコンサルタント。
「片づけ後には自分時間が増え、自分の好きが見つかる」
そんな変化をたくさんの方にお伝えしたい、体験して頂きたいと活動中。
リトルママオンラインフェスタ、最優秀コンテンツ賞2度受賞
雑誌「サンキュ」のWEBライター
横浜在住、6、12才男の子のママ

ホームページ:https://okatadukelapin.com/