2023.02.14
猫バンバンとは?猫の命と愛車を守るためのポイントや事前対策を紹介
2023.02.14
猫バンバンとは?猫の命と愛車を守るためのポイントや事前対策を紹介
車のボンネットの下にあるエンジンルームには、猫が入り込んでしまうことがあります。もし猫に気づかずに、そのままエンジンをかけてしまったら、最悪の場合、猫の命に関わってしまうほか、大切な車の損傷にもつながりかねません。そんな事故を防ぐには、車に乗る前にボンネットをバンバンと叩くことでエンジンルーム内から猫を逃がす「猫バンバン」が効果的です。
ここでは、猫バンバンが必要な理由とやり方、猫バンバンに加えて行いたい対策のほか、もしも被害が起きてしまったらどう対処すべきかなどについて解説します。
目次
猫の命を守るために、車に乗る前にボンネットを叩く猫バンバン
猫バンバンとは、車に乗る前に猫が入り込んでいる可能性がある主にボンネット部分を、手でバンバンと叩くアクションを指します。音を出すことで、中にいるかもしれない猫に「人間が来たよ!これから車を動かすよ!」と知らせ、外に出て行ってもらうために行うものです。野良猫だけでなく、飼い猫を守ることにもつながります。
特に猫がエンジンルームに入り込みやすいのは、猫たちが暖かいねぐらを求める冬ですが、気に入った場所には季節を問わず繰り返しやって来るので、夏場でも日差しや雨を防ぐために入り込んだり、タイヤと車体の隙間に入ってしまったりすることもあります。
入り込んだ猫に気づかずそのままエンジンをかけてしまうと、猫や車に被害が及ぶリスクもあるため、季節を問わず乗車前に猫バンバンを行うことは欠かせません。
猫がエンジンルームに入り込んでしまうケースはどれくらいあるの?
JAFの発表によると、2022年1月1日~1月31日の1ヵ月間に、「エンジンルームに猫が入り込んでしまった」という理由でのロードサービス出動要請は全国で21件あり、そのうち11件はエンジン始動後に判明したものでした。
また、同年6月1日~6月30日の1ヵ月間では、同様のケースは全国で284件発生。この件数の違いは、梅雨入りの時期と重なることや、猫は春や秋に出産することが多く、6月には春に生まれた子猫が活発に動くようになり、体も小さいためエンジンルームに入り込みやすいということが関係しているようです。
猫がいることに気づかなかった場合、どんなことが起こりうる?
エンジンルームに入り込んだ猫は眠っている場合もあり、人間が車に乗り込んでも気がつかない可能性も十分あります。もし、猫がいることに気づかずにエンジンをかけてしまったら、エンジンルームの猫は高温になったエンジンでやけどをしたり、高速で回るエンジンベルトに巻き込まれてケガをしたりする危険があります。最悪の場合は死に至ることもあるので、くれぐれも注意しなければなりません。
また、車のエンジンが故障する可能性もあり、人にとっても猫にとっても、避けたい事態といえます。
どうして猫は、ボンネットの中に入ってしまうの?
猫がエンジンルームに入ってしまうのは、暖かくて狭い所を好み、警戒心も強い猫にとって、居心地のいい場所だからでしょう。雨風をしのげて外より暖かく、人目にもつかないため、エンジンルーム内はお昼寝の場所としてもぴったり。野外で生活する猫たちは、しばしば駐車中の車のボンネットの隙間や車の下からエンジンルームに入り込み、そのまま眠ってしまうこともあるようです。
ドライバーからすると頭の痛いことですが、猫は一度お気に入りの場所としてエンジンルームを認定すると、たとえ追い払っても、またやって来てしまいがちに。
なお、隙間の大きさや猫の体のサイズから、ボンネット内に入り込む大人の猫は少なく、子猫が入り込んでしまうケースが多く見られるほか、猫以外にも、ネズミや鳥、蛇といった動物が入り込んでしまうこともあります。
猫バンバンのやり方は?乗車前にドライバーができること
猫バンバンの目的は、猫に「人間が来たことを知らせる」ことで、猫を驚かせることではありません。
大きな音を出してしまうと、むしろ猫がびっくりして身をすくめ、余計にボンネットの中から出てこなくなってしまう可能性もあるので、叩きすぎや強く叩くのは禁物です。
あくまで猫に「知らせる」イメージで、ボンネットやフェンダー(主に車の前後のタイヤを覆っている部分のこと)を優しく叩くことがポイントといえます。
なお、一度だけ車体を叩いて猫が出てこないからといって、「いない」と判断してしまうのは早計です。猫は隙間から入ったものの出口がわからなくなったり、驚いて身がすくんでしまい、動けなかったりすることもあるからです。必ず何度か車体を叩きつつ、猫の鳴き声がしないかなど、耳を澄ませてみてください。
万が一猫の鳴き声が聞こえたり、中でごそごそ何かが動く気配を感じたりしたら、ボンネットを開けて中を確認しましょう。鳴き声はするのにどこにいるかわからない場合は、「これくらいのことで…」などと思わずに、ロードサービスに救援を依頼すると安心です。
タイヤの隙間なども確認し、猫の退出を促そう
ボンネットの中に加え、車の下やタイヤと車体の隙間も、猫が好みやすい場所です。猫バンバンをした後は、念のためタイヤの隙間なども確認しておくといいでしょう。
また、ドアを開け閉めする、車体を軽く揺らす、エンジンをかける前にワイパーを動かす、クラクションを軽く鳴らすといったことも、エンジンルームや車の下に入り込んだ猫に人間が来たことを伝え、外へ出てきてもらうのに効果的です。
猫が車に入り込んでしまうのを防ぐ事前の対策
猫や車に被害が及ぶ悲惨な事態を防ぐには、乗車前に必ず猫バンバンを行うのはもちろんですが、事前の対策として、以下のような措置を講じておくことも効果的です。例えば、次のような方法を取り入れてみましょう。
対策1 車にカバーをかけておく
駐車中は車にカバーをかけておけば、車体から発生する熱をカバーがさえぎるので、猫が暖を求めてやって来るのを防げます。同時に、猫のツメによる傷や糞尿の被害から愛車を守ることもできます。
対策2 超音波発生器の設置
超音波発生器は、人間の耳には聞こえないけれど猫には聞こえる高い周波数の音を大音量で流します。それにより、猫に「ここは嫌な場所」と認識してもらうことで、車の周りから遠ざけます。
対策3 猫が嫌いなにおいを車の周りにまいておく
柑橘類やアロマ、ハーブ、コーヒーなど、猫の嫌いなにおいを車の周りにまいておくのも効果的です。市販の猫避けグッズや忌避剤も利用できます。
万が一、猫や車に被害が起きてしまったら
万が一、エンジンルームに入り込んだ猫に気づかずに事故が起きてしまった場合、自動車保険のロードサービスやJAFに救援を依頼できます。また、ディーラーや修理工場等にも連絡し、必要に応じて修理点検や清掃作業も受けるといいでしょう。
なお、通常は車が壊れて修理する場合、車両保険が利用できますが、車両保険は基本的に車同士の衝突や自損事故を想定したものなので、猫がエンジンルームにいたことによって引き起こされた車の故障は、一般的に車両保険の対象外となるケースが多い点には注意してください。
三井住友海上の場合は、動物がエンジンルーム内に入り込んだことで可動部分に絡まり、車に損害が生じた際は、車両保険で補償が受けられます(ただし、車両保険「10補償限定」特約を付帯した契約では「他物との衝突または接触」は対象外です)。
さまざまなリスクに備えるためにも、自動車保険に加入しておこう
JAFの発表によると、2022年1月1日~1月31日の1ヵ月間に、「エンジンルームに猫が入り込んでしまった」という理由でのロードサービス出動要請は全国で21件あり、そのうち11件はエンジン始動後に判明したものでした。猫の命を守るためにも、大切な愛車を守るためにも、乗車前の「猫バンバン」はとても大切です。猫がエンジンルームに入り込むのは寒い冬場だけとは限らないので、どの季節でも、車に乗る前は必ず猫バンバンを行いましょう。
なお、ロードサービスに救援を要請するなら、加入する自動車保険にロードサービスをセットしていると、依頼がスムーズです(三井住友海上のおクルマQQ隊の場合、猫がエンジンルーム内に入り込み、物理的・機能的に走行不能な状態だとサービス対象です)。また、猫に関するトラブルのほかにも、車に乗る以上はどんなドライバーでも事故の可能性はゼロとはいえません。さまざまなリスクに備えるためにも、自動車保険に加入しておくと安心です。
三井住友海上の自動車保険は、基本的な補償のセットに加え、個別にカスタマイズできる特約が豊富で、ご自身に必要な補償を過不足なく備えたプランでご加入いただくことができます。ドライブレコーダーをセットするプランとして、見守るクルマの保険「プレミアム ドラレコ型」などもご用意していますので、ぜひ三井住友海上の自動車保険をご利用ください。