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あおり運転

2022.02.04

あおり運転を通報する流れとは?あおり運転の概要も解説

あおり運転

2022.02.04

あおり運転を通報する流れとは?あおり運転の概要も解説

近年、あおり運転の件数が増加傾向にあり、世の中の注目度も高まっています。あおり運転を受けてしまった場合は早めに警察に通報することが大切ですが、実際にあおり運転を受けてしまったときのために、通報する流れについて把握しておきましょう。
この記事では、あおり運転の概要のほか、警察に通報するまでの流れについて解説します。

あおり運転とは?

あおり運転とは、前方の車との車間距離を詰めたり、周囲の車を威嚇、挑発したりする危険な運転のことです。急な進路変更や蛇行運転、幅寄せ、不必要で継続的なハイビームやパッシングなども、危険な運転行為として挙げられます。

あおり運転が社会問題としてクローズアップされるようになったのは、2017年6月に起きた神奈川県の東名高速道路における事件がきっかけでした。あおり運転をする車によって追い越し車線に停車させられたワゴン車が、後続のトラックに追突されて夫婦が死亡、同乗していた長女と次女も負傷しました。その後も、あおり運転による被害が発生しています。

なお、あおり運転やそれに類した行為は、以前からも存在していました。しかし、その危険性に注目が集まるようになり、ここ数年は警察による取り締まりが強化されています。車間距離保持義務違反の取り締まり件数については、以下のグラフのとおり減少傾向にありましたが、2018年から増加しています。

■全国の車間距離保持義務違反の取り締まり件数

全国の車間距離保持義務違反の取り締まり件数

※警視庁の「令和2年中の交通死亡事故の発生状況及び道路交通法違反取締り状況等について」(2021年2月)のデータを使用しています。

あおり運転(妨害運転)の罰則は?

あおり運転が注目されてきたこともあり、2020年6月30日に施行された改正道路交通法では、あおり運転に対する罰則を妨害運転罪として定めました。その罰則の内容について、主なものを2点ご紹介しましょう。

妨害目的で危険のおそれのある違反をした場合の罰則

ほかの車両などの通行を妨害する目的で、不要な急ブレーキ(急ブレーキ禁止違反)、車間距離を詰めて接近(車間距離不保持)などの10類型の行為を、交通の危険を生じさせるおそれのある方法で行った場合、「交通の危険のおそれがある妨害運転」として、3年以下の懲役または50万円以下の罰金に処されることがあります(道路交通法第117条)。
また、違反点数25点が加算され、免許取消し処分後に免許を再取得することができない期間である欠格期間2年の運転免許取消し(前歴や累積点数がある場合には欠格期間最大5年)が科されることもあります(道路交通法第103条、道路交通法施行令38条)。

著しい危険を生じさせた場合の罰則

「交通の危険のおそれがある妨害運転」によって、重大な交通事故につながる危険を生じさせた場合、著しい交通の危険がある妨害運転として、5年以下の懲役または100万円以下の罰金に処されることがあります(道路交通法第117条)。
また、違反点数35点が加算され、欠格期間3年の運転免許取消し(前歴や累積点数がある場合には欠格期間最大10年)が科されることもあります(道路交通法第103条、道路交通法施行令38条)。

あおり運転の罰則について詳しくは下記の記事をご覧ください。
あおり運転の定義とは?妨害運転の種類と罰則を紹介

あおり運転を受けたときの通報の流れ

自分があおり運転を受けてしまったら、すぐ警察に通報してください。あおり運転を受けてから警察に通報するまでの流れを見ていきましょう。

1. 冷静さを保つ

あおり運転を受けても冷静さを保ち、あせったり、仕返しをしようと考えたりしないことが大切です。あおり運転は違反行為なので、すみやかに警察に通報するようにします。あおり運転を受けても、できるだけ気持ちを落ち着かせてください。

2. 安全を確保する

次にやるべきことは安全の確保です。速度を落として相手をやり過ごそうとしても、あおり運転が続くようであれば、一般道なら営業中のお店の前の駐車場などに駐車しましょう。高速道路ならサービスエリアやパーキングエリアなど、できるだけ人目が多い場所に移動して車を停めます。
それでも近くに車を停められて妨害行為をされたら、窓を閉めてドアもロックします。話しかけられたとしても、窓やドアは絶対に開けてはいけません。

3. 相手の車のナンバーなどを控える

安全を確保したら、相手の車のナンバーなどを控えます。ドライブレコーダーがあれば記録できているかもしれませんが、ドライブレコーダーがなければ、相手の車のナンバーや車種、色などの特徴をメモしておきます。
スマートフォンやカメラで写真や動画を撮る方法もありますが、運転しながら撮影してはいけません。撮影する場合は同乗者が対応するか、必ず停車してからにしてください。

4. 警察に通報する

相手の車のナンバーなどを控えたら、警察に通報します。警察が到着するまで落ち着いて車内で待ちましょう。
警察への通報は、車やカーナビに設置されていることがある「HELPNET」を利用する方法もあります。HELPNETは、専用ボタンなどを押すだけでHELPNETオペレーションセンターに音声がつながり、位置情報とともに警察に通報してもらえるサービスです。
どのような方法であっても、安全を確保したらすみやかに警察に通報してください。

あおり運転を受けないようにするためのポイント

あおり運転を受けたときの対処を理解しておくことも大切ですが、普段の運転時に注意しておけば、あおり運転を受ける可能性を低くすることもできます。
続いては、あおり運転を受けないように普段から注意しておきたい8つのポイントをご紹介します。

1 周りの車の動きに注意する

運転時は、常に周囲の車の動きに気を配りましょう。思いやりや譲り合いの気持ちを持って運転することが大切です。常にほかの車の状況を把握しておくことで、危険な車を察知してやり過ごすこともできます。

2 安全な速度で走行する

安全な速度で走行することも重要です。先を急ぐあまり、無理な追い越しや割り込みをしてしまうと、そこからトラブルを招いてしまうおそれがあります。
また、安全な速度での走行が重要だといっても、高速道路の追い越し車線をゆっくりと走り続けるような走行をしてはいけません。追い越し車線を走り続けることは通行帯違反です。一般道路でも、法定速度以下でゆっくり走っているとあおり運転を誘発することがあります。その場に応じた、適切な速度で安全に運転してください。

3 車間距離を十分に保つ

前の車との車間距離を十分に保つことも大切です。安全運転という意味でも車間距離を保つべきですが、車間距離を極端に詰めていると、前の車からあおり運転を受けていると誤解されてしまいます。その結果、あおり運転を受けてしまうことがあるかもしれません。

4 急な車線変更や追い越しをしない

あおり運転を受けないようにするためには、急な車線変更や無理な追い越しをしないようにしましょう。車線変更する場合は、周囲の車を確認して十分な車間距離をとってから車線変更します。高速道路の追い越し車線は、原則として前の車を追い越す場合にのみ利用してください。

5 妨害運転をしている車から距離をとる

妨害運転をしていると思われる車を見つけたら、できるだけ距離をとるようにします。合図もせずに割り込んできたり、急発進や頻繁に車線変更をしたりする車には近づかないのが賢明です。必ずしもあおり運転をする車とは限りませんが、安全のために距離をとって運転したほうがいいでしょう。

6 急いでいる後続車には道を譲る

後続車がスピードを出して近づいてきたら、すみやかに道を譲るようにしてください。片側一車線の一般道なら、左ウインカーを出して路肩にいったん停めてしまうという方法もあります。先を急いでいる車の前をふさいでしまうと、トラブルの原因となってしまうことも考えられます。

7 不必要にクラクションを鳴らさない

あおり運転を受けないようにするためには、不必要にクラクション(警音器)を鳴らさないことも大切です。クラクションは法令の規定による場合か、危険防止のためにやむをえないときのみ鳴らすことが認められています。
例えば、ほかの車の運転が気に入らないからといって、クラクションを鳴らすといった行為は正当な使い方ではありません。むやみにクラクションを鳴らすと、トラブルを招く原因にもなってしまいます。

8 ドライブレコーダーを設置していることがわかるステッカーを貼る

ドライブレコーダーの存在は、あおり運転などの迷惑行為に対する抑止力になります。そのため、「ドライブレコーダー録画中」や「ドライブレコーダー作動中」といったステッカーが車に貼ってあるだけでも、その効果が期待できるでしょう。

ドライブレコーダーを設置しておけば安心

ドライブレコーダー

あおり運転を受けてしまったらすぐに警察に通報できるよう、流れを理解しておくことが大切です。加えて、普段からあおり運転を受けないように、注意するようにしてください。また、あおり運転を受けてしまったときのために、ドライブレコーダーを設置しておくと安心です。

三井住友海上のドライブレコーダー付き自動車保険は、当社オリジナルの専用ドライブレコーダーを利用し、お客さまはもちろん、ご家族の皆さまにも安心をお届けする自動車保険です。当社オリジナルの専用ドライブレコーダーは360°全方位を録画でき、緊急通報ボタンを押下することで、HELPNETに連携して警察出動を要請することも可能です。
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■監修者
西山晴基
弁護士(元東京地方検察庁検事)
2016年に司法試験合格。2017年に検察官任官。さいたま・福岡・東京地方検察庁を経た後、2021年よりレイ法律事務所に入所。検察官としては、過失運転致死傷事件、危険運転致死傷事件をはじめ、あおり運転行為やひき逃げ行為の否認事件、交通事故に絡む保険金詐欺の否認事件等数多くの交通事件を経験し、交通事件における、捜査の流れ、刑事裁判での争われ方や立証方法について熟知している。

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