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知ってる? 集中豪雨から身を守る対策

集中豪雨とは

集中豪雨は、梅雨前線の停滞や台風の接近等を原因として、狭い範囲に数時間に渡って降る大量の雨のことを指します。このような局地的な大雨は、険しい山や急流が多い日本では、河川の氾濫や土砂災害を引き起こし、また建物の浸水や道路の冠水といった洪水被害が発生する危険があります。
また、次々と発生する発達した雨雲(積乱雲)が列をなした、組織化した積乱雲群によって、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞することで作り出される、線状に伸びる長さ50~300km程度、幅20~50km程度の強い降水をともなう雨域を線状降水帯といいます。
毎年のように線状降水帯による顕著な大雨が発生し、数多くの甚大な災害が生じています。この線状降水帯による大雨が、災害発生の危険度の高まりにつながるものとして社会に浸透しつつあります。

出典:気象庁「線状降水帯に関する各種情報」気象庁の解析雨量から作成した、平成26年8月20日4時の前3時間、積算降水量の分布(平成26年8月の広島県の大雨)

集中豪雨の覚えておくべき5つの特徴

  • 1

    梅雨期の終わり頃等、日本付近に前線が停滞しているときに集中豪雨になりやすい。

  • 2

    台風が日本へ接近しているときや上陸したとき、集中豪雨を伴うおそれがある。

  • 3

    日本では、1976年~2020年にかけて、1年間の内、1時間に50mm以上の雨が降る回数が増加している。
    ※気象庁では、1時間に50mm以上80mm未満の雨を「非常に激しい雨」、80mm以上の雨を「猛烈な雨」と表現している。

  • 4

    空が真っ暗になる、雷鳴や稲妻が起きるといった現象は、集中豪雨の前兆にあたる。

  • 5

    天気予報で「大気の状態が不安定」「天気の急変」「線状降水帯に関する情報」等の表現がある時は注意が必要。

気象庁「全国の1時間降水量50mm以上の年間発生回数の経年変化」をもとに2022年9月作成

豆知識! 意外と知らない集中豪雨のこと

土砂災害のおそれのある区域は全国に約68万区域も! 土砂災害のおそれのある区域は全国に約68万区域も!

険しい山が多い日本は、崖崩れや土石流、地すべり等が発生しやすく、土砂災害が発生するおそれのある危険区域は全国に約68万区域にものぼると推計されています。国土交通省のサイトに掲載されている「土砂災害危険箇所」等を確認し、土砂災害の危険性がある地域を事前に確認しておきましょう。
また、自治体より土砂災害警戒情報(警戒レベル4相当情報)が発表になり避難する場合、浸水等で避難場所への避難が困難なときは、近くの頑丈な建物の2階以上や、家の中でより安全な場所(崖から離れた部屋や2階等)に移動しましょう。

冠水した道路では、マンホールの穴に注意! 冠水した道路では、マンホールの穴に注意!

集中豪雨は、市街地や地下鉄・地下街等の地下空間の浸水や交通機能の混乱等の被害を引き起こします。道路では、大量の雨水が下水管に流れ込むとマンホールのふたが浮き上がり、外れてしまうこともあるため、転落を防ぐためにも、冠水した道路を歩くのは絶対にやめましょう。

地下や半地下は、逃げ遅れる危険あり 地下や半地下は、逃げ遅れる危険あり

地下や半地下等は、浸水の水圧でドアが開かなくなり、逃げ遅れる危険があるため、指定の避難場所、または2階以上の建物等の安全な場所へ避難しましょう。また、雷が発生した際は、鉄筋コンクリート建築の建物や自動車(※)・バス・列車の内部等が比較的安全な空間です。
※オープンカーは不可

洪水の避難時は、長靴は使わないほうがいい? 洪水の避難時は、長靴は使わないほうがいい?

水中を歩いて避難するときは、長靴は中に水が入り、脱げやすく危険なので、運動靴を履くようにしましょう。ひもで締められる運動靴かトレッキングシューズが歩きやすいです。

車が水没したときの脱出方法 車が水没したときの脱出方法

ドアや窓ガラスが開かない状況に備えて、「緊急脱出用ハンマー」を車内の手の届くところに常備しておきましょう。JAFの検証テストでは、ヘッドレスト・小銭を入れたビニール袋・スマートフォン・ビニール傘・車のキーでは、窓ガラスを割ることができなかったという結果が出ています。

important

大雨や冠水から身を守る。集中豪雨に備えよう

事前準備天候の変化に注意する

「急に真っ黒な雲が近づいてくる」「雷鳴が聞こえる」「稲光が見える」といった天候の急変は、集中豪雨につながる「発達した積乱雲」が近づいている兆しになります。天気予報での、大雨や洪水の警報・注意報や雷注意報はもちろん、「大気の状態が不安定」「天気の急変」等の表現にも注意しましょう。

発災直後「水のう」を作って浸水を防ぐ

ゴミ袋に半分程度の水を入れれば、土のうの代わりの「水のう」を作ることができます。トイレや風呂場、洗濯機の排水口等から水が噴き出る場合があるので、水のうを置いて逆流を防ぎましょう。また、土を入れたプランターや水を入れたポリタンクをレジャーシートで巻き込み連結することでも止水を行うことができます。

発災直後避難時は、服装と持ち物に注意する

洪水の避難時は、上下が分かれているレインコート等、動きやすい服装を心掛け、軍手やヘルメットを身に着け、長靴ではなく、ひもで締められる運動靴かトレッキングシューズを履くようにしましょう。

発災直後冠水時の道路に注意する

大雨によって氾濫の危険性がある河川や用水路には近づかないようにしましょう。地面より低い道は冠水する危険があるので通らないようにし、浸水被害を受けやすい地下・半地下から避難することが大切です。ふたが外れたマンホールに転落する危険性があるので、冠水した道路には近づかないようにしましょう。また、アンダーパス(※)等が冠水している場所は車で通らないようにしましょう。
※交差する鉄道や道路等の下を通過するための、周辺の地面よりも低くなっている道路のこと

備えは大丈夫? チャレンジテストで確かめよう!

Question 集中豪雨編

車が水没してドアや窓が開かない!窓を割ることができるのはどの道具?(JAFの検証テストによる)

正解は

3

「緊急脱出用ハンマー」のみで割ることができる

あなたの回答

解説:基本的には、「脱出用ハンマー」以外のものでは割れません。
JAFの検証テストでは、ヘッドレスト・小銭を入れたビニール袋・スマートフォン・ビニール傘・車のキーでは、窓ガラスを割ることができなかったという結果が出ています。

集中豪雨発生!間違った避難の仕方はどれ?

正解は

1

水中を歩くので、長靴を履いて避難する

あなたの回答

解説:水中を歩いて避難するときは、長靴は中に水が入り、脱げやすく危険なので、運動靴を履くようにしましょう。また、冠水した道路はふたが外れたマンホールに転落する可能性があるため危険です。

近づいている!?集中豪雨の前兆として、間違っているのはどれ?

正解は

2

急に空が晴れる

あなたの回答

解説:「急に真っ黒な雲が近づいてくる」「雷鳴が聞こえる」「稲光が見える」といった天候の急変は、集中豪雨につながる「発達した積乱雲」が近づいている兆しになります。

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