2023.11.16
自動車税の還付方法とは?還付金の計算方法や受け取れる条件を解説
2023.11.16
自動車税の還付方法とは?還付金の計算方法や受け取れる条件を解説
愛車を手放して廃車にした場合、5月頃にいったん納めた自動車税(種別割)(以下、自動車税)が還付されることがあります。ただし、廃車時期によって還付される金額は変わるため、廃車を検討する前に知っておきたいところです。
この記事では、自動車税の還付制度の概要や還付を受けられる条件、還付金額の計算方法のほか、還付における注意点などについて解説します。
目次
廃車にすると納めた税金を返してくれる自動車税の還付制度
自動車税には、車を廃車にした場合、税金を廃車時期に応じて、車の持ち主に返してくれる還付制度が設けられています。
自動車税とは、毎年4月1日時点での登録車(普通車)の持ち主に課せられる税金です(割賦販売などで売り主がその車の所有権を留保している場合には、使用者である買い主が車の所有者とみなされて課税されます)。税額は車の種類や用途、総排気量に応じて決まっており、総排気量が大きい車ほど、税額も大きくなります。
ちなみに、廃車にすると還付を受けられる可能性があるのは、自動車重量税も同様です。
■自動車税の税額
2019年9月30日以前に初回新規登録した自家用乗用車の場合
総排気量 | 税額 |
---|---|
電気自動車 | 29,500円 |
1L以下 | 29,500円 |
1L超 1.5L以下 | 34,500円 |
1.5L超 2L以下 | 39,500円 |
2L超 2.5L以下 | 45,000円 |
2.5L超 3L以下 | 51,000円 |
3L超 3.5L以下 | 58,000円 |
3.5L超 4L以下 | 66,500円 |
2019年10月1日以後に初回新規登録した自家用乗用車の場合
総排気量 | 税額 |
---|---|
電気自動車 | 25,000円 |
1L以下 | 25,000円 |
1L超 1.5L以下 | 30,500円 |
1.5L超 2L以下 | 36,000円 |
2L超 2.5L以下 | 43,500円 |
2.5L超 3L以下 | 50,000円 |
3L超 3.5L以下 | 57,000円 |
3.5L超 4L以下 | 65,500円 |
自動車税について詳しくは以下のページをご覧ください。
自動車税を月割りで納めることはある?納めるケースや納付方法を解説
自動車税の分割払いは可能?クレジットカードで納付する方法を解説
年度途中で購入した普通車は、その翌月から3月までの自動車税を先んじて納める必要があります。年度途中で廃車にした場合には、納めすぎた分が戻ってくるシステムです。
一方、軽自動車の持ち主に課せられる軽自動車税(種別割)には、還付制度はありません。ただし、年度途中で軽自動車を購入した場合には、その年度分の軽自動車税の課税はなく、翌年度から課税されます。
自動車税の還付を受けられる条件
自動車税の還付を受けるには、クリアすべき条件がいくつかあります。ここでは、自動車税の還付条件について解説します。
廃車手続き(車の抹消登録)を終えている
還付を受けるには、廃車手続き(車の抹消登録)をしていることが条件になります。
車の抹消登録は以下の2つがあります。
<廃車手続き(車の抹消登録)の種類>
- ・車の登録を永久に抹消する「永久抹消登録」
- ・一時的に車の使用を中止する「一時抹消登録」
いずれも、ナンバープレートを運輸支局へ返却するので、公道走行ができなくなります。
「友人に車を譲った」「中古車販売店に売却した」などは譲渡にあたり、抹消登録はされていない状態なので、還付を受けることはできません。4月2日以降に「友人に車を譲った」「中古車販売店に売却した」といった場合には、自動車税は「売り主である4月1日の所有者」に全額課税されます。なので、自動車税の負担割合を売り主と買い主とのあいだで取り決めておくことが重要です。
なお、抹消登録が行われるのは「車が実際に運輸支局に持ち込まれ、手続きをした日」です。業者に手続きを依頼している場合、車の引き渡しは終わっていても、すぐに手続きされないこともあるので注意してください。
地方税をすべて納めている
自動車税は、都道府県に納める地方税です。地方税には自動車税のほかに、住民税や固定資産税などがありますが、地方税を漏れなく納めていることが自動車税還付の条件になります。
仮に、住民税などの地方税に未納分がある場合は、その未納分に充当されるので、自動車税は還付されません。
自動車税の還付金の計算方法
自動車税の還付金額は、車の抹消登録を行った時期によって変わります。計算式は以下のとおりです。
<自動車税の還付金の計算式>
自動車税の還付金額=1年分の自動車税額÷12ヵ月×抹消登録の翌月から3月までの月数
例えば、2014年から排気量1.2Lの普通車を所有していて、自動車税34,500円を納付済だとします。
この車を8月20日に抹消登録した場合の自動車税の還付金額は、以下のように計算します。
34,500円÷12ヵ月×7ヵ月(9月~翌年3月)=20,125円
100円未満は切り捨てのため、還付金額は20,100円です。月単位での計算なので、8月1日に廃車にしても、8月31日に廃車にしても、還付金額は同じであることに注意しましょう。
還付金を受け取るための手続き
自動車税の還付金を受け取るために、特別な手続きは必要ありません。車の抹消登録が完了すれば、自動車税の還付金があるかどうかは自動的に確認されます。還付金がある場合は地方自治体から通知書が送られてくるのが一般的です。それ以降の手続きは、地方自治体によって違いがあるため、お住まいの地方自治体のWebサイトなどで確認しましょう。
自動車税の還付方法としては、主に以下のような方法があります。
<自動車税の還付方法の例>
- ・送金通知書と身分証を指定金融機関の窓口に持っていき、還付金を受け取る
- ・ゆうちょ銀行から送られてくる「振替払出証書」を使って窓口で手続きする
- ・車の抹消登録の際に「自動車税種別割申告書」の所定欄に記載した振込先に振り込まれる
送金通知書が届いた後にオンラインで手続きをする場合もあるなど、自治体単位で方法や手続きはかなり異なるため、注意してください。
なお、自動車税が還付されるまでの期間についても、地方自治体によりさまざまです。概ね、1ヵ月程かかる地方自治体が多いようです。
自動車税の還付における注意点
自動車税の還付については、いくつか気をつけたいポイントがあります。ここでは、自動車税還付における注意点について解説します。
3月に車を抹消登録すると自動車税は還付されない
3月に車の抹消登録をしても、自動車税は還付されないことに注意しましょう。
なぜなら、自動車税の還付金額の計算式は、前述のとおり「1年分の自動車税額÷12ヵ月×抹消登録の翌月から3月までの月数」だからです。3月に抹消登録をした場合、「抹消登録の翌月から3月までの月数」はゼロになります。
4月に車の抹消登録をしても、1年分の自動車税はいったん納付することになる
自動車税は、4月1日時点での車の持ち主に課せられる税金です。たとえ4月2日に廃車にしたとしても、4月1日時点で所有していたのであれば、その年度の自動車税はいったん納めなくてはなりません。
注意したいのは、3月末に業者に車を引き渡し、抹消登録を依頼するケースです。
3月31日までに業者が抹消登録を行った場合は、翌年度の自動車税を納める必要はありません。しかし、3月中は抹消登録申請の窓口が大変混み合うので、業者に依頼したのが3月末でも、実際の抹消登録作業が4月1日以降に行われる場合があるのです。その場合は、翌年度の自動車税をいったん納めた上で、11ヵ月分が還付されることになります。
抹消登録する予定があるなら、できる限り2月中に手続きしておくのがおすすめです。
軽自動車や貨物自動車は還付されない
自動車税の還付が受けられるのは、登録車の乗用自動車のみです。軽自動車やトラックなどの貨物自動車は還付の対象外なので注意してください。
自動車税の還付金を受け取るなら廃車手続きのタイミングに注意しよう
年度途中で廃車手続き(車の抹消登録)をした場合、自動車税の還付を受けられる場合があります。還付金額は、抹消登録翌月から3月までの残り月数で決まるため、車の乗り換えと、これまでの所有車の抹消登録を考えている場合は、タイミングに注意が必要です。
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- ※この記事の内容は、2023年11月時点の内容です。今後の商品改定等によって補償内容等が変更になる可能性があります。
- ※この記事の内容は、2023年11月時点の法令等にもとづいて作成しています。