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そなえトリビア

2022.12.01

【相手は信用できる人?】マッチングアプリやSNSの金銭トラブル

そなえトリビア

2022.12.01

【相手は信用できる人?】マッチングアプリやSNSの金銭トラブル

マッチングアプリやSNSで出会った人から勧誘を受けたり、一方的に手数料を払わされたり……相手と親しくなりたい気持ちにつけ込んだ、金銭にまつわるトラブルが増加しています。特殊詐欺のように高齢の方が被害に遭いやすいわけではなく、実は30代、40代よりも20代の方が多くトラブルに遭遇していると見られる調査結果もあります。今回は、マッチングアプリやSNSでのトラブルを防ぐために気をつけたいこと、実際の手口などをご紹介します。


マッチングアプリやSNSでのトラブルにはどんなものがある?

好意につけ込んで金品や個人情報を騙し取る詐欺は巧妙化、新しい手口も
マッチングアプリやSNSで出会った相手から「親が病気で治療費がない、あなただけが頼りだ」などという作り話を信じこまされ、多額の金品を騙し取られてしまう……以前から耳にするケースですが、実は今でも似たような詐欺が横行しています。

やり取りを続けたい気持ちにつけ込み、高額の有料サービスに誘導される
例えば、無料のマッチングアプリやSNSで出会った相手に「他にいいアプリがあるからそちらでやり取りを続けよう」と誘われたケース。紹介されたアプリは出会い系の有料サービスで、やり取りを続けたい一心で高額な利用料を払ったところ、結局相手と音信不通に。つまり、相手は有料サービスのサクラだったのです。

海外セレブに頼られる夢のストーリーについ金品を提供してしまう「国際ロマンス詐欺」

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海外の富裕層と名乗る相手とマッチングし、情熱的な国際恋愛に発展したかと思いきや……というケース。相手はいつしか仕事のトラブルや家族の病気、新規事業の立ち上げや投資などでお金が必要になり、「いつか2人で暮らすために」などと、翻訳ツール風のたどたどしくも甘い言葉でお金を求めます。しかし、渡したお金が戻ることはありません。そもそも、海外セレブだというプロフィール自体が虚偽だったのです。

暗号資産など「もうけ話」のトラブルも登場している

「好意につけ込んで……」はトラブルの一部に過ぎない
マッチングアプリでは交際相手を探すことも多いため、国際ロマンス詐欺のように好意につけ込んで金品を騙し取るトラブルが連想されがちですが、実際には他の手口による詐欺も決して珍しくありません。例えば、知り合ったことをきっかけに「実はとてももうかる副業をやっていて、あなたにも勧めたい」、「知り合いが教えてくれるのでFX取引を始めないか」などといった、いわゆる「もうけ話」もそのひとつです。

「モノなしマルチ商法」の勧誘にも気をつけたい
こうしたもうけ話のトラブルと言えば、商品を契約させ「紹介料でもうかる」と勧誘されるマルチ商法を思い浮かべる人もいるかもしれません。旧来のマルチ商法は化粧品や健康食品などの物品を契約するのが定番ですが、近年は投資商品や、広告の掲載や運用で売上を得る広告代理サービス(アフィリエイトなど)といった実物のない契約をさせる、通称「モノなしマルチ商法」のトラブルも増え始めています。
国民生活センター「消費生活年報2022」によると、2021年度に全国消費生活情報ネットワークシステム(PIO-NET)への相談の増加が目立った商品・役務として、5位に「外国為替証拠品取引」(いわゆるFX)、9位に「広告代理サービス」、11位に「ビジネス教室」が挙がっています。

近年目立つ「暗号資産(仮想通貨)取引」によるトラブル
近年、モノなしマルチの商材となったり、投資詐欺の商材となったりするケースが目立つのが「暗号資産(仮想通貨)取引」です。本来は価格変動があり必ず値上がりするとは言えないものですが、これを「必ず値上がりする」と言葉巧みに言いくるめ、「楽してもうけるチャンス」とそそのかしたりするのです。そして、実際には取引を許可された登録業者ですらない相手に、登録料や購入代金などとして金銭を騙し取られてしまいます。

「お金配ります」に当選したはずが、振り込め詐欺の受け子に
SNSでの「フォロー・投稿の拡散で賞金が当たる」といったキャンペーンも詐欺に悪用されたケースがあります。犯人は「当選しましたので、お金の振り込みのために銀行口座を教えてください」というやり取りで口座情報を取得し、別途動いていた「振り込め詐欺」の入金先として悪用するのです。
口座には振り込め詐欺の被害者から突然多額の現金が振り込まれ、犯人からは「送金ミスなので返金してほしい、お礼にいくらか差し上げます」と連絡が入ります。これを信じて現金を犯人に渡してしまうともう取り返しがつきません。銀行口座を教えた本人が、気づかぬうちに騙し取られた現金を回収する「受け子」となってしまうのです。
被害者を受け子として動かす前に、少額の当選金を実際に振り込み、犯人を信用させるなど、かなり巧妙な手口になっています。

マッチングアプリやSNSでのトラブルを防ぐには?

マッチングアプリでは、本人確認などの安全対策がしっかりしているサービスを選ぶ
マッチングアプリでのトラブルを防ぐためには、まず「怪しい相手とマッチングされないようにする」ことが第一歩です。本人確認が厳しくないマッチングアプリは気軽に登録できて利用しやすいかもしれませんが、それはあなたを騙そうとしている相手も同じこと。簡単に都合の悪い個人情報を隠したり、偽の証明書で架空のユーザーになりすましたりできるのです。
公的な身分証明書による本人確認を実施しているかはもちろん、顔写真付きの証明書を必須としているか、住所など一部の項目を隠してもよいことになっていないかはチェックが必要です。ただし、健康保険証については、法律上一部情報のマスキング(隠す)が必要な場合もあります。加えて、規約なども確認して安全対策がしっかりしているアプリを選びましょう。
また、結婚相手紹介サービス業界の信頼性向上のために認証制度を運営する特定非営利活動法人IMSでは、マッチングアプリなどを想定した「インターネット型結婚相手紹介サービス業認証制度」を設けています。こうした第三者機関による認証の有無を確認するのもおすすめです。

相手が信頼できるかは慎重に確認・判断し、自分の個人情報を安易に渡さない

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特に本人確認をしないことの方が多いSNSにおいては自衛するしかないことを意識し、本名を使用しない、本名が必要なSNSではアカウントの公開設定を知り合いのみに限定する、プロフィールに顔の分かる写真を使用しない、投稿に位置情報や個人の特定につながる内容を盛り込まない、といった策を講じておきましょう。
相手が信頼できるかも慎重に判断し、相互フォロー(友達申請)の依頼、ダイレクトメッセージでのやり取り要望、写真のやり取り要望などにはむやみに応じないようにしましょう。
マッチングアプリであっても油断は禁物。プロフィール写真を画像検索して「他人の顔写真を使っていないか」を確認してみたり、ビデオ通話をして写真と同じ人物か確認してみたりするのもいいでしょう。

会う場合は自分が「時間・場所・切り上げ時」を決め、相手の提案に安易に乗らない

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マッチングアプリやSNSで知り合って、すぐに直接会おうとする相手にはその時点で怪しむ気持ちを持ちましょう。直接会う際も、相手に時間や場所を決めさせると「周りに人がいなくて、いざというとき助けを求めにくい」、「長時間いても怪しまれず、相手が騙されるまで粘りやすい」といった風に、詐欺や悪徳商法に巻き込むために都合のいいシチュエーションを作られてしまうかもしれません。まず自分から日中で人目の多い時間・場所を指定し、また「1時間後に次の予定がある」ことにするなど、短時間で切り上げられる状況を作っておきましょう。相手の車で移動する、相手の知り合いを呼ぶなどの提案にも安易に乗らないようにします。

借金や資金援助、売買などの金銭が絡む依頼・誘いはまず怪しみ、周囲に相談する
マッチングアプリやSNSでやり取りをする中で借金や資金援助の依頼、売買の誘いなど金銭が絡む話が出た場合は、まず怪しむ気持ちを持ち、応じるつもりがなければはっきり断りましょう。断り切れない場合も1人で考え込まず、周囲に相談して怪しくないか客観的な意見をもらうといいでしょう。また「銀行の口座番号は入金にしか使えないので教えても構わない」などと考えがちですが、先に紹介したケースのように、振り込め詐欺などで悪用されることも考えられます。金銭に関わることについては例外なく慎重に取り扱うことが重要です。

ビジネスの誘いもまず怪しみ、信頼できる情報か客観的に確認する
マッチングアプリやSNSで知り合った人からビジネスの誘いがあった場合もまず怪しみ、応じるつもりがなければはっきり断りましょう。応じるかどうか迷ったら、具体的な取引内容やリスクについて資料をもらった上でわかるまでしっかりと説明を受け、また業者名や連絡先、住所なども教えてもらい、実在するか、取引の資格があるかなどを検索などで確認するといいでしょう。

万が一マッチングアプリやSNSでこうしたトラブルに巻き込まれてしまった場合は運営会社へ通報したり、悪質な場合は警察へ相談したりするなどの手だてを講じましょう。しかしまずはこうしたトラブルに巻き込まれないことが重要です。新しい出会いにはなにかと期待してしまうものですが、親しくなったつもりの相手にもこうしたリスクがあることを決して忘れず、慎重な行動を心がけましょう。


参考:
東京都 東京くらしWEBマッチングアプリで素敵な出会いを探すつもりが…まさかのトラブル
国民生活センター「友だちから誘われても断れますか?若者に広がる「モノなしマルチ商法」に注意!
政府広報オンライン「暗号資産の「必ずもうかる」に要注意!マッチングアプリやSNSをきっかけとしたトラブルが増加中
国民生活センター「SNSやマッチングアプリ、友人・知人からの誘いをきっかけとした暗号資産のトラブル-その話、うのみにしないで-

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