現在地
ホーム>知る・楽しむ>ソナエル・ラボ
そなえトリビア

2020.11.05

【座り仕事でも注意したい】エコノミークラス症候群

そなえトリビア

2020.11.05

【座り仕事でも注意したい】エコノミークラス症候群

長時間座って脚を動かさない状態でいると起こるエコノミークラス症候群。場合によっては命に関わることもある状態です。航空機での長時間移動などで起こりやすいといわれますが、実は在宅勤務などの座り仕事や、災害時の避難所でも注意が必要です。今回は、エコノミークラス症候群についてご紹介します。


エコノミークラス症候群とは?

脚の静脈にできた血栓が肺の動脈を塞ぎ、働きを妨げる

201105_thumb01.png

「エコノミークラス症候群」というのは通称で、本来は「肺血栓塞栓症」という病気のことを指します。読んで字のごとく、肺の動脈が血液の塊である血栓によってふさがれてしまう状態です。
長時間座った状態で脚(足首から骨盤まで)を動かさずにいると、血行が悪化し、脚の静脈に血栓ができる「深部静脈血栓症」が起こりやすくなります。その血栓が血流にのって(※画像参照)肺の動脈まで届き、エコノミークラス症候群を起こしてしまうのです。
脚の静脈が血栓でふさがれはじめると、脚のむくみや腫れ、痛みが見られるようになります。そして肺の動脈がふさがれると、胸痛や息切れ、呼吸困難を起こし、ときには命にかかわることもあります。

水分不足も原因に
エコノミークラス症候群の原因として「長時間同じ姿勢でい続ける」ことは知られていますが、実は、水分不足もその原因とされています。体内の水分が不足して血液がドロドロになり、血栓ができやすくなるのです。

自動車、在宅勤務、避難所などでも注意が必要
長時間同じ姿勢でい続けたり、水分が不足したりする状況は、航空機内以外でもさまざまなものがあります。身近なところでは、自動車を長時間運転し続けることや、最近増えている在宅でのデスクワークなどが挙げられます。また、避難所の狭いスペースで座り続けて……といったことでもエコノミークラス症候群が起こりやすくなります。

生活習慣病、喫煙、高齢、妊娠などもリスク要因に
もともと血行が滞りやすい、脱水を起こしやすいなど、エコノミークラス症候群のリスクが高い方もいます。例えば、動脈硬化が進んでいることの多い生活習慣病をお持ちの方や、喫煙者、高齢者、妊娠中の方や経口避妊薬を飲んでいる方などが挙げられます。また、短期間に「長時間同じ姿勢でい続ける機会」が複数あった人、大きな手術を受けたばかりの人なども、要注意です。

エコノミークラス症候群を防ぐには?

水分補給をこまめに、脱水しやすいカフェインやアルコールを控えて
乗り物の中や避難所などでは、トイレの回数を減らそうと水分補給を控える人も見られますが、エコノミークラス症候群を防ぐには、こまめにしっかり水分補給をすることが欠かせません。水分といっても、お茶やコーヒーなどはカフェインが水分を体外へ排出させてしまいます。アルコールも同様で「お茶やお酒を飲んでいるから水分は足りている」わけではありませんので、気をつけましょう。

歩行やストレッチなどで体を動かすように心がける

201105_thumb02.png

「長時間同じ姿勢で居続ける」ことが原因になるため、こまめに体を動かすことも重要です。屋外に出られないときも、廊下や階段を歩いたり、その場で足踏みをしたりしてみましょう。同じ姿勢を続けることで凝り固まった筋肉を、軽いストレッチでほぐすのもおすすめです。座った状態でも、ときどき足の指を動かしたり、ふくらはぎのマッサージをしたりすると、血行が促されます。

体が締め付けられる服装を避け、ゆったりした服に
スキニーパンツなどの体が締め付けられるきつい服で座り続けると、より血行が滞りやすくなってしまいます。長時間座り続けるようなときは、ゆったりとした服装を選び、衣服で血行を妨げることがないようにしましょう。

胸痛や呼吸困難、脚のむくみなど兆候が出たら早めに受診を

201105_thumb03.png

先に紹介した通り、脚の静脈が血栓でふさがれはじめると、脚のむくみや腫れ、痛みが出てきます。肺の動脈がふさがれると、胸痛や息切れ、呼吸困難を起こしやすくなります。こういった状態が見られたら、できるだけ早く病院を受診するようにしましょう。また、突然強い胸痛が起こったり、安静にしているのに呼吸困難になったりするときは、重篤な状態が考えられますから、近くに人がいる場合は声をかけ、救急要請を頼むようにしましょう。

在宅勤務のように比較的自由な環境では、逆に予防意識が働きにくく、仕事に熱中してうっかり長時間同じ姿勢で過ごしてしまう……といったことも起こりがちです。スケジュール管理ツールやアラームなどを上手に利用して、一定時間ごとに体を動かし、水分補給を行うなど、忘れずに対策を取れるようにしましょう。


参考:
厚生労働省「エコノミークラス症候群の予防のために」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170807.html

契約内容の確認や
事故発生時の連絡が簡単に!!

ページの先頭へ