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季節のそなえ

2024.06.06

【今年も気を付けよう!】子どもの“夏風邪”

季節のそなえ

2024.06.06

【今年も気を付けよう!】子どもの“夏風邪”

2023年夏は、例年になく子どもたちの夏風邪や感染症が流行しました。それだけにこれからは毎夏、気を引き締めておきたいところです。今回は、夏に子どもがかかりやすい感染症と、予防のポイントについてご紹介します。

「風邪などの感染症は冬のもの」ではない

2023年夏、子どもたちに複数の感染症が流行
2023年の夏は、夏風邪の「ヘルパンギーナ」や「手足口病」をはじめ、本来秋から冬にかけて流行する「RSウイルス感染症」、「インフルエンザ」など、多くの感染症が例年にない勢いで子どもたちに流行し、話題となりました。

感染症対策が緩やかになったことで広まった可能性も
この爆発的流行の理由のひとつに挙げられたのが「感染症対策の緩和」です。
新型コロナウイルス感染症の予防対策は他の感染症の予防も兼ねるとされ、実際に「コロナ禍」においてはインフルエンザの流行が抑えられていたという厚生労働省の見解もあります。2023年はコロナ禍がようやく下火となり、それまで行われてきた感染症対策も緩和されました。それによって他の感染症のリスクが高まり、広がりやすい状況になってしまったとも見られています。

知っておきたい「夏風邪」と呼ばれる感染症

続いては、一般に「夏風邪」と呼ばれる感染症を具体的に見ていきましょう。

脱水症状に要注意「ヘルパンギーナ」
例年7月前後をピークに子どもたちに流行する感染症です。2~4日の潜伏期ののち、突然の高熱と喉の奥に水ぶくれが現れます。水ぶくれが破れるなどで痛むことから、高熱にもかかわらず子どもが水分を摂りたがらず、脱水症状につながるといったケースもよくあります。

発疹だけでなく風邪の症状が出ることもある「手足口病」
口の中や手のひら、足の裏などに小さな水ぶくれが現れる感染症です。水ぶくれが出る前や、出るのと並行して、風邪や下痢などの症状が出ることもあります。

「プール熱」の別名を持つ「咽頭結膜熱」

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例年6月ごろから増え、7~8月をピークに子どもたちに流行する感染症です。夏、子どもがプールを利用することで感染が広まるため「プール熱(咽頭結膜熱)」とも呼ばれます。アデノウイルスに感染することで発症し、高熱や喉の痛み、結膜炎などの症状が現れます。ほかにも、腹痛や下痢などの症状が伴うこともあります。

秋冬の感染症が夏に流行した例も

2023年夏は、従来秋冬に流行していた感染症も猛威を振るいました。主なものを見てみましょう。

乳児などは重症化しやすい「RSウイルス感染症」
秋をピークに流行する感染症でしたが、近年は流行が早まる傾向にあり、夏に流行したことで話題となりました。4~6日の潜伏期ののち、発熱、鼻水、咳などの症状が現れます。
2歳までにほぼ100%の乳児が一度はかかるといわれ、再感染も多い感染症ですが、初めて感染した生後6カ月以内の乳児や低出生体重児、心臓や肺に持病がある乳児などは重症化しやすいといわれています。

大人もかかってしまう「溶連菌感染症」
溶連菌という複数種の細菌が原因で起こる病気の総称で、一般的には「A群レンサ球菌」によって起こる感染症を指します。「A群溶血性レンサ球菌咽頭炎」とも呼ばれます。学童期の子どもに多い感染症ですが、大人もかかることがあります。2~5日の潜伏期ののち、突然の発熱と倦怠感、喉の強い痛みなどが現れます。舌に赤いツブツブができる「苺舌(いちごじた)」、嘔吐などを伴うこともあります。一方で、咳や鼻水などの症状は見られません。

風邪の症状が治っても咳が止まらない「百日咳」

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感染者の痰やつばから感染する、激しい咳を伴う感染症です。7~10日程度の潜伏期ののち、風邪症状が始まります。その後次第に短い咳が連続して起こるようになり、息を吸う時にヒューと特有の音が出るようになります。そこから2~3週間程度で咳が減っていき、回復します。乳児期早期の場合は特有の咳がなく、息を止めているような無呼吸発作などの状態が表れることもあります。

子どもの夏風邪、感染症を防ぐには?

さまざまな種類がある夏風邪、感染症。感染ルートは多種多様ですが、予防法はある程度共通しています。以下を参考に、対策していきましょう。

子どもも大人も手洗いうがいをしっかりと

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夏風邪をはじめとする感染症の多くは、経口・接触・飛沫によって感染します。子どもはもちろん、子どもの世話をする大人もまめな手洗いうがいを習慣づけ、細菌を広げないように心がけたいところです。

タオルなどの共用・貸し借りを避け、洗濯時は日にあてて干す

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夏風邪の経口・接触感染を媒介しやすいのが、手や顔などを拭くタオルだといわれます。家族間でも共用や貸し借りは避け、洗濯して干す際は日にあてて紫外線による日光消毒をするようにしましょう。

プール後はシャワーを浴び、目を洗い、うがいをする
プール熱に限らず、感染症のウイルスはプールの水を介して感染することがあります。塩素消毒が行われていても十分とは限りません。また、浮き具などの道具を共用することで間接的に接触し、感染することも考えられます。プールの後はしっかりシャワーを浴び、目を洗い、うがいをしておきましょう。

人混みへむやみに行かず、行く際はマスクを着ける

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感染者がマスクをせずに咳やくしゃみをすれば、1~2mほどの距離にいる人は飛沫感染する可能性があります。ショッピングモールなど十分な距離を取れない人混みへむやみに出かけるのは控え、出かける際もマスクを着用するなどして対策を取りましょう。

夏風邪、感染症にかかってしまったら?

日常生活をする中で、子どもの夏風邪、感染症のリスクをゼロにすることは難しいものです。もし、夏風邪や感染症にかかってしまったとしても、適切に受診・療養すれば症状はいずれ治まるケースが多いですから、落ち着いて対応していきましょう。

症状が治まるまでは安静に、回復後もむやみに出歩かない
ここで紹介した感染症の多くは「薬などで症状を抑えながら回復を待つ」治療方針が取られます。早めの受診は大切ですが、それ以外は安静に過ごすことを心がけましょう。症状が治まっても、しばらくは感染を広げる可能性がありますから、すぐに出歩くのは避けたいところです。

喉が痛くても「食べる」「水分をとる」ことを心がけて
喉の痛みを伴う感染症などでは、つらさから飲食を嫌がる子どもも少なくありません。しかし、適切な栄養を摂らなければ回復も遠のきます。無理に栄養価の高い食事を摂る必要はありませんが、少しずつ、食べられるものや飲めるものだけでも摂るようにしていきましょう。

迷った時は「こども医療電話相談(#8000)」へ
休日・夜間などに症状が悪化して、判断に困ることもあるかもしれません。そんな時は「こども医療電話相談(#8000)」に電話で相談してみましょう。お住まいの都道府県の小児科医師・看護師から、症状に応じた対処の仕方や、受診先などのアドバイスを受けることができます。

「しばらくすれば治る」ケースが多いとはいえ、数日症状に悩まされるだけでも夏風邪や感染症はつらいものです。また、油断していると思わぬ形で重症化する可能性もないとは言えません。まずは「なるべくかからない」、かかっても「なるべく軽症にとどめる」ことを目標に、対策を取っていきましょう。

参考:
厚生労働省│特集 夏が来る前に備える"子どもの感染症対策"
厚生労働省│子ども医療電話相談事業(♯8000)について
厚生労働省│令和5年度インフルエンザQ&A
厚生労働省│手足口病に関するQ&A
厚生労働省│咽頭結膜熱について
厚生労働省│RSウイルス感染症Q&A(令和6年1月15日改訂)
厚生労働省│百日せき
環境省│紫外線環境保健マニュアル2020
大阪市│夏かぜ(夏型感染症:手足口病、咽頭結膜熱、ヘルパンギーナ)
国立感染症研究所│ヘルパンギーナとは
国立感染症研究所│手足口病とは
国立感染症研究所│咽頭結膜熱とは
国立感染症研究所│A群溶血性レンサ球菌咽頭炎とは
国立感染症研究所│百日咳とは
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