2020.12.03
アイスバーン(路面凍結)とは?その種類や発生しやすい気温、運転のコツを解説
2020.12.03
アイスバーン(路面凍結)とは?その種類や発生しやすい気温、運転のコツを解説
冬場はアイスバーン(路面凍結)でのスリップ事故が増加します。今回は事故に遭わないために、アイスバーンの発生や気をつけたいことについて解説していきます。
アイスバーン(路面凍結)とは?
アイスバーンとは、路面上の水分が凍結した路面の状態を指します。アイスバーンになるとタイヤが滑りやすいため、運転時にスリップが起こりやすくとても危険です。滑り止めチェーンやスタッドレスタイヤを装着していたとしてもスリップが起こる可能性があるため、事故が起こらないよう慎重に運転しなければいけません。
アイスバーン(路面凍結)が発生しやすい時間帯や気温、場所は?
アイスバーンには、発生しやすい時間帯や気温、場所があります。
アイスバーン(路面凍結)が発生しやすい時間帯
アイスバーンが発生しやすい時間帯は、主に朝と夜です。日中で温まった路面が夜にかけて次第に冷え、凍結する温度まで下がるためです。また、夜から朝にかけても気温が下がるため、アイスバーンが発生しやすいです。
アイスバーン(路面凍結)が発生しやすい気温
アイスバーンが発生しやすい気温は、必ずしも水が凍り始める0度以下ではありません。なぜなら計測されている気温は、その時の路面温度とは異なるためです。
気象庁が計測している気温は、地上約150cmの位置で計測されています。冷たい空気は下の位置に流れる傾向があるため、気温よりも路面の温度が低くなり、気温が0度以下でない場合でもアイスバーンが発生する可能性があります。
アイスバーン(路面凍結)が発生しやすい場所
以下の場所ではアイスバーンが発生する恐れがあるため、慎重に運転するようにしてください。
吹きさらしの場所
橋の上のように障害物のない吹きさらしの場所は、常に冷たい風に晒されているため、熱が奪われ路面温度が低下しやすくなります。
トンネルの出入り口
トンネルの出入り口は、日陰になりやすく強風が吹き付けやすいため、路面の温度が下がりやすい場所です。
その一方で、トンネル内は雪が比較的入りにくいため、凍結しづらく走りやすい場所です。トンネル内と同じ感覚で出口に向かうと、突然アイスバーンに遭遇してスリップを起こす危険性があります。
交差点、車の多い市街地
たくさんの車が停車と発進を繰り返す交差点では、雪がタイヤとの摩擦によって磨かれるため、スリップが起こりやすくなります。このような現象は「ミラーバーン」とも呼ばれ、車の通行量が多い場所に発生する可能性が高くなります。交差点の他にも、車の通行量が多い市街地も危険です。
曲がり角
アイスバーンが発生していると、タイヤと路面の摩擦力が低下してしまい、スピードが出やすい状況になります。スピードが出ている状況でカーブしようとすると、曲がり切れずに対向車線や道路外に飛び出してしまう恐れがあるため注意が必要です。曲がり角では、十分にスピードを落として走行するようにしましょう。
アイスバーン(路面凍結)の種類は?ブラックアイスバーンの違いとは?
アイスバーンは、気象と道路の環境によって3種類に分類されます。それぞれの特徴と注意点をご紹介します。
ブラックアイスバーン
ブラックアイスバーンとは、路面に薄い氷の膜が張り付いている状態を指します。路面のアスファルトが黒く透けて、一見濡れているだけのように見えるため、アイスバーンが発生していることに気付きにくいという危険性があります。
とくに降雪地域でない場所ほど、アイスバーンを視認する習慣がないため、ブラックアイスバーンには十分に注意が必要です。
圧雪アイスバーン
圧雪アイスバーンとは、降り積もった雪が車の通行によって踏み固められ、雪が圧縮された状態の路面を指します。昼間に気温が上昇することで雪が解け、夜間に気温が低下することで表面が凍結して、滑りやすくなります。
ミラーバーン
ミラーバーンとは、車が行き交うことで圧雪アイスバーンが鏡のように磨き上げられた路面を指します。乾燥している圧雪アイスバーンよりも滑りやすく、車の通行量が多い場所や、交差点といったブレーキを多用する場所にてスリップが発生しやすくなります。
アイスバーン(路面凍結)の走り方や運転のコツは?スタッドレスやチェーンは必要?ノーマルタイヤでも大丈夫?
アイスバーンが発生しやすい状況の日に運転する場合の注意点をご紹介します。
車間距離を開ける
車間距離をあけることで、万一スリップした場合でも衝突のリスクが少なくなります。また、前の車がノーマルタイヤの場合、突然スリップすることもあるため、危険回避の意味でも車間距離を広くとりましょう。
スピードを出し過ぎず、急な操作をしない
急なハンドル操作や急発進、急ブレーキは、スリップを引き起こしてしまう可能性があります。気温が氷点下に近い日や、雪が積もっている・降っている場合には、通常よりゆっくりとした速度で運転するようにしましょう。また、ハンドル操作はゆっくりと切って戻すようにすることも大切です。カーブや交差点、坂道、橋の上、トンネルの出入口では、慎重に走行することを意識してください。
複数回に分けて、ブレーキを浅く踏む
ブレーキはいつもよりも早く、浅く複数に分けて踏むようにしましょう。ブレーキを浅く踏むことも重要ですが、他にもエンジンブレーキを使って減速するのも効果的です。AT車の場合、普段エンジンブレーキを利用することは少ないかもしれませんが、DレンジからSレンジにシフトダウンすることでエンジンブレーキがかかります。早い段階で緩やかに減速することで、ブレーキ時にスリップして止まれなくなる危険性を減らせます。また、後方の車に減速の合図を出すことで、衝突事故の防止にもつながります。
雪道や凍結路面では、強くブレーキを踏みこむとタイヤがロックされ、車がスリップしてしまうことがあります。そのため、タイヤがロックされないようにブレーキは複数回に分け、浅く踏み込むことが重要です。「ABS(タイヤロック・ブレーキ・システム)」が搭載されている車では、このタイヤのロックを防止する機能がついています。しかし、ABSが搭載されているからといって過信することなく、早い段階で複数回に分けてブレーキを使い、慎重な運転を心がけましょう。
スタッドレスタイヤを装着しよう
アイスバーンの発生時は、スタッドレスタイヤの装着が有効です。スタッドレスとは、鋲(びょう)すなわちスパイクのないタイヤで、アスファルトを傷つけずに冬場の道を走行できる目的で開発されました。
スタッドレスタイヤは、タイヤの回転により生じた熱や、圧力で溶けた雪と氷を排出する役割があります。また、氷点下の道でも柔らかさを維持できるゴムを使用しているため、路面をしっかり掴み、スリップが起きにくくなります。
さらに、スタッドレスタイヤはノーマルタイヤよりも溝が幅広く、切り込み(※)も深い形状で路面の水分を吸着させます。結果、スタッドレスタイヤと路面との接触面が増え摩擦力が高くなり、アイスバーンでも滑りにくくなります。
(※)切り込み:タイヤの溝で除去しきれない水分を拭い取るための、さらに細かい溝。
チェーンがないと罰則が科せられることもある
2018年12月、国土交通省によってタイヤのチェーン規制が新たに施行されました。大雪特別警報や大雪の緊急発表が行わるなどの降雪があった場合に、国土交通省によってチェーン規制が発令されます。
国土交通省「チェーン規制について」
チェーン規制が発令されている場合において、チェーン未装着で対象エリアを走行してはいけません。
規制エリアと時期については国土交通省により緊急で発令されるため、気温が下がっている時期は、チェーン規制が発令されているかを常に確認するようにしましょう。
ここまでアイスバーンについて解説しました。アイスバーンによる事故を回避するには、日頃から気温や降雪状況を確認しておくとともに、慎重な運転を心がけることが大切です。しかし、いくら運転に気をつけていたとしても事故が起きてしまうことも考えられます。
もしスリップ事故を起こしてしまい、標識や信号機を誤って壊してしまったときについては、「スリップ事故を防止しよう!原因や気をつけたい天気、場所を徹底解説!」をご確認ください。
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