2017.12.07
【警視庁に聞いてみた】〇時は事故多発の“魔の時間”!
2017.12.07
【警視庁に聞いてみた】〇時は事故多発の“魔の時間”!
交通事故が多発する夕方は「魔の時間帯」と呼ばれ、特に秋から冬に向けては事故が増加する傾向にあるといいます。今回は警視庁にインタビューした内容をもとに、実際に道路で何が起こっているかを検証し、対策を考えます。事故多発の原因を知っておくことで、加害者にも被害者にもならないよう努めましょう。
魔の時間帯って何時頃のことを指すの?
「魔の時間帯」とは、秋から冬にかけて日没が早くなる時間帯のことで、特に10月以降の17~18時の間をさします。この時間は、自動車事故が多く発生するとされていて、財団法人 交通事故総合分析センターが公表している「事故発生月、時間別の死亡事故発生件数」のグラフを見ても、17時台と18時台で10~12月の事故発生率が飛び抜けて多いことがわかります。
参照:財団法人 交通事故総合分析センター「イタルダ・インフォメーション」
https://www.itarda.or.jp/contents/476/info62.pdf
「魔の時間帯」の変化を検証してみた
実際、この「魔の時間帯」の変化は目で見てわかるものでしょうか。17時11分を日没とする2017年10月11日(水)、比較的太陽が長く差し込む東京・上野の国道4号線の変化をチェックしてみました。
▼16:20
▼16:45
▼17:00
▼17:15
16時20分だとまだまだ明るかったのですが、30分も経たないうちに日没かと見紛うほど暗くなっていき、17時15分には電灯が照らす夜の道へと姿を変えていました。ヘッドライトが点いていない状況で走るのはかなり危険なシチュエーションだと言えます。そんなタイミングで、自転車や歩行者が急に飛び出してきたら、対応は難しいかもしれません。
魔の時間帯への対策方法は?警視庁に聞いてみた
魔の時間帯の運転では実際にどんな点に注意すればいいのか、警視庁に聞いてみました。
−−− 夕方になると事故が多発するのは何故なのでしょうか。
「夕方に限らず、朝にも危険な時間帯は存在します。共通して言えるのは“道路が一番混んでいる時間帯”。朝は通勤・通学で慌ただしいですよね。夕方は、買い物に行く主婦の方や、塾帰りのお子さん、通勤帰りのお父さんなど、1日の時間帯で道路が一番混み合います。」
−−− 視界が悪いから事故が起こるというわけではないのですね。
「もちろん視界も関係してきます。11月から12月にかけて暗くなる時間が早くなるので、事故防止のため、警視庁では16時以降の運転時にはライトオンしてもらうよう声がけをする“トワイライト運動”という活動をしています。それでもついつい点灯し忘れてそのまま走っているドライバーも少なくありません。夕方は視界の悪さや、身体の疲れなどが重なる時間でもあります。大切なのは、事故を起こさないように意識することです。」
−−− 他にも事故を起こさないように自分で心がけられることはあるのでしょうか?
「道路は生き物です。目視して確認したはずなのに、次の瞬間には誰かが飛び出してくるというのはよくあります。大事なのは、それぞれの動きを把握するということです。お子さんや年配者、自転車、タクシーの動きを予測する。少しでも危ないと思ったら近づかないようにする。ハンドルを握ったら慎重になってほしいと思います。」
油断大敵。緊張感ある運転を心がけましょう
気がつくと外が真っ暗になっている、なんてことが多い今日この頃。日中から夜にかけて車を運転していると、そういった急な変化にもなかなか気づきにくいもの。最近は自動的にヘッドライトが点灯する車も増えてきていますが、残念ながら事故件数の多さがこの「魔の時間帯」の危険性を物語っているのも事実。冬のお出かけの際はいつも以上に注意深く運転するよう心がけましょう。