2017.06.22
【豪雨でクルマが水没!】もしものときの備え
2017.06.22
【豪雨でクルマが水没!】もしものときの備え
まもなく夏も本番。外出したところ、ゲリラ豪雨や台風などに見舞われてクルマが冠水・浸水してしまい、身動きが取れなくなった…というニュースを見た方もいらっしゃるかもしれません。実際に自分がそんな状況に遭遇したとき、どう対処するべきなのでしょうか? 万が一のための「クルマ水没時の対処法」を検証していきます。
運転時に冠水・浸水したとき
冠水時に行動すべきこと
災害ニュースや気象庁が発令する気象警報等で、自分がいるエリアが冠水する可能性があるという情報を確認した場合、なるべく早く安全な場所にクルマを移動させましょう。水は低い場所に集まるので、冠水に関する注意表示がある場所は避け、山や丘など少しでも高い場所に移動することが最適です。
「おそらく大丈夫だろう」という思い込みが、後で取り返しのつかない事態を引き起こしてしまいます。
渋滞などで身動きが取れない場合は、極力交通の妨げにならない場所にクルマを避難させてエンジンを停止し、速やかにクルマから降りて近くの避難所やビル、高台などに移動してください。のちにクルマを移動させなければならない状況を考慮し、ドアロックはせず、エンジンのかかる状態で避難する必要があります。
マフラーへの水の浸入
冠水している時に、最初に想定しなければならないリスクがマフラーからの水の侵入です。排気口が水に完全に浸かると、水がマフラーから逆流し、ガスの排出が困難になり、エンジンが停止する可能性があります。
ではマフラーの高さはどのぐらいなのでしょうか。国土交通省が定める「保安基準」第3条には、クルマの最低地上高は9センチ以上(アンダーカバー等が装着されている場合は5センチ以上)と定められています。一般的に「セダン」とカテゴライズされるクルマだと、地上からおおよそ9センチあたりにマフラーが設置されており、これがSUVタイプとなるとさらに高くなります。
いずれにしても、浸水するとエンジン停止の危険や部品が劣化したり、電気系統のトラブルにつながります。特に、バッテリー類に動力の一部を委ねているハイブリッドカーともなると、浸水によるバッテリーの故障は致命的です。
また、海水の場合は塩分を含んでいるので、水没を免れたとしても海水が浸入しただけで部品にサビを発生させてしまいます。浸水後は、なるべく早くクルマを清掃・整備をおこなうのがよいでしょう。
クルマの中に閉じ込められてしまう!
水害発生時の水の勢いは、想像を超えるほどの速さです。気がついたら周囲を水に囲まれてしまい、あっという間に水かさが増してきて外に出られなくなる可能性があります。車内に水が入り込んでくるほどの高さになると、水圧で人間の力だけでは開けられなくなります。そうなる前にいち早く脱出するにこしたことはないですが、その状況に陥った際の対処法も知っておきましょう。
クルマに閉じ込められてしまったとき
無理やりドアを開けず、窓から外に出ましょう
水かさがドアの半分の高さにあたる約60センチまでになると、ドアを開ける際に通常の約5倍の力が必要になると言われています(日本自動車連盟調べ)。水は驚くほどの速さで迫っていき、60センチという高さでも、あっという間に達してしまう可能性があります。
万が一閉じ込められてしまった場合は、無理やりドアを開けようとはせず、窓ガラスを開けて外に出ましょう。
窓を破壊するための道具を備えておきましょう
すでに窓の高さにまで浸水し、電気系統が故障してしまってパワーウインドーが開かない…。そんな状況に陥ったときは、窓ガラスを破壊して脱出しなければなりません。
ただ、クルマの窓ガラスは並大抵の力では割れないほど頑強にできています。「家にあるハンマーやカナヅチを積んでおけば大丈夫」と思われる方もいるかもしれませんが、面が平らなハンマーやカナヅチだと衝撃が分散してしまい、破壊は容易ではありません。
そんなときに役立つのが、一般的に販売されている“脱出用ハンマー”です。およそ1,000円から3,000円程度で購入することができます。
窓ガラスをピンポイントで打ち破るための突起が設けられたハンマー型のレスキューグッズで、シートベルトを断ち切ることができるカッターも備わっているものが多いです。万が一を想定して1本クルマに常備しておくと良いですね。
災害を「大丈夫だろう」と甘く見ることはとても危険です。とりわけ水害は、時間が経つほど危険度は増します。実際にクルマに閉じ込められてしまったら、脱出用ツールが命綱。頻繁に使用するアイテムではありませんが、いざというときのために常備しておくと安心です。ゲリラ豪雨や台風の季節の運転は十分に事前の情報収集をおこない、必要な知識、ツールを持って安心安全なドライブを楽しみましょう。