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日頃のそなえ

2021.09.02

【保険金を狙う悪質業者】住宅修理トラブルに巻き込まれないために

日頃のそなえ

2021.09.02

【保険金を狙う悪質業者】住宅修理トラブルに巻き込まれないために

台風や大雨などで壊れた自宅を一刻も早く修理したい、修理費用が保険でまかなえるか知りたい……被災地では、こうした被災者の心理につけ込んだ悪質な勧誘が横行しがちです。今回は、火災保険や地震保険を悪用した住宅修理に関するトラブルについてご紹介します。


損害保険を悪用する「住宅修理トラブル」とは?

「保険で自己負担なし」「煩雑な手続きはお任せ」と言って契約を迫る
自宅が被災した人のところへ押しかけ、専門家らしいそぶりで「この損害なら保険が支払われるから自己負担なしで修理できますよ」と修理契約を持ち掛けたり、「保険金請求の手続きもやっておきますよ」と代行契約を持ち掛けたりする業者がいます。そのなかには、不確かな情報を吹き込んで契約を迫る、悪質な修理業者も多く存在します。

結果的に全額自己負担になったり、知らないうちに不利な契約に巻き込まれたりすることも
こうした業者とうっかり契約してしまうと、「保険金が支払われなかったから料金は支払いません」というわけにはいかないのが一般的です。保険金が支払われなければ、結果的に修理代や代行料金は自己負担になります。また、無事保険金が支払われたとしても、本来支払う必要のない法外な手数料や報酬等を取られてしまうケースもあります。

問題のないケースとの線引きが難しい
明らかに保険金が支払われない損害を「必ず保険金で修理できる」と騙すようなケースはともかく、原因がよくわからない損害に対して、「おそらく保険金で修理できる」とアドバイスするような行為は、いわばグレーゾーン。「悪質」と呼べるまでの悪意があるか線引きが難しいのも、こうしたトラブルの特徴です。

続いて、被災時の住宅修理トラブルでよく見られる手口をいくつかご紹介します。

「保険金支払対象外の修理を強引に契約させる」ケース

経年劣化などの保険金が支払われない損害も「保険金でまかなえる」と吹き込む

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火災保険や地震保険は、経年劣化による損害に対しては保険金が支払われないのが一般的です。しかし、悪意のある住宅修理業者は「自然災害で壊れたと見せかけて申請すれば、経年劣化でも保険金が支払われる」と、もっともらしくウソの説明をしたり、書類を捏造したりするケースが少なくありません。

保険会社の調査が終わらないうちに契約を結び、強引に支払いをさせる
こうした住宅修理業者は、相手が「保険金が支払われる」と信じ込んでいるうち、つまり保険会社の調査が済まないうちに見積書を提出し、修理契約を結んでしまいます。契約さえあれば、保険金が支払われなくても修理費用を請求できて、取り損なうことがないというわけです。
一方、契約者は「保険金が支払われる」と聞いたから修理の契約をしたにもかかわらず、結局自腹で修理費用を支払うことになってしまいます。

「不明瞭な契約で高額の手数料を取る」ケース

「修理を急ぐ」心理につけ込み、詳細な契約書なしで契約を結ぶ
被災者の心理につけ込んで「早く修理や保険の手配をしましょう、契約書は後で持参します」と、契約内容が不明瞭なまま契約を結ぶ業者もいます。「修理の見積書はあるから大体の費用はわかる」と考えていると、思わぬ落とし穴があるのです。

保険金請求手続き代行などで高額な手数料を取る
こうした悪意のある業者は、修理だけでなく保険金請求の手続き代行や、コンサルティングなども請け負うのが一般的な手口です。つまり修理費用ではなく、手数料やコンサルティング料の名目で高額な費用を請求してくるのです。しかし、契約者側は契約前に詳細な契約内容を確認していないので、こうした費用が高額であることに気づくのは後になってから。大抵はキャンセル料も高額に設定されていますから、契約を解除しても結局大損になりかねません。

「代金だけを先に受け取り、修理せずに姿をくらます」ケース

保険金が支払われるのを待って、修理代金を先に受け取る
「代金を先払いしたにも関わらず、サービスや商品が提供されず、業者と連絡が取れなくなる」というのは、他の業種でもよく耳にする典型的な詐欺の手口です。住宅修理の場合は、「立替を迫らず、保険金が支払われるまで待ってくれたから」と信頼して修理代金を先払いしたものの、修理の日程を先延ばしし続けたり、連絡が取れなくなったりするようなケースもあります。

「住宅修理トラブル」に遭わないためにはどうすればいい?

向こうから勧誘してくる業者、特に訪問勧誘はむやみに信頼しない
自然災害の場合、近隣で同時に多くの損害が起こりますから、信頼されている業者であれば発災直後は修理対応に追われているはずです。そんなときにわざわざ被災者を訪問して住宅修理を持ち掛ける業者が皆、善意から勧誘を行っているとは言い切れません。急かされてもすぐに契約はせず、もし契約してしまった場合は消費生活センターなどに相談するようにしましょう。

高齢の家族などとはよく話し合っておく

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2010年度から2019年度に国民生活センターと全国の消費生活センターに寄せられた「住宅修理トラブル」の相談者は、その約半数が70歳以上。特殊詐欺などと同じように、年齢の高い方が狙われていることが窺えます。一人暮らしをしていたり、日中一人で家にいたりする家族などには、こうしたトラブルがあることを知らせ、住宅に損害があった場合に修理をどうするかについてもあらかじめ話し合っておきましょう。

まずは契約している保険会社か代理店に相談を

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火災保険や地震保険の請求手続きは、住宅修理業者や手続き代行業者の手を借りなくても、自分自身で行えます。手続きに必要なことは契約している保険会社や保険代理店にサポートしてもらえますから、まずはそちらへ相談するようにしましょう。

被災直後は気持ちも落ち着かないもの。そんなときに「大変ですね、早く修理しましょう」、「保険が使えますから、費用の心配は要りませんよ」と親身に声をかけられたら、つい相手を信用したくなるかもしれません。そんなときでもできるだけ冷静に対応できるよう、今回ご紹介した悪質業者の手口を、ぜひ心に留めておいてください。


参考:
一般社団法人 日本損害保険協会「住宅の修理などに関するトラブルにご注意」
https://www.sonpo.or.jp/news/caution/syuri.html

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