2017.09.07
【働きながらの介護をサポート】介護離職を避けるには?
2017.09.07
【働きながらの介護をサポート】介護離職を避けるには?
高齢化社会といわれる現在の日本。平成28年の総務省「人口推計」によると、65歳以上の高齢者人口は3,459万人となり総人口に占める割合は27.3%とおよそ4人に1人が高齢者となっています。 多くの方が家族を介護に直面する可能性がある中、社会問題と言われているのが「介護離職」。介護は突発的に発生することが多く、介護をおこなう期間や方法も多種多様であることから、仕事と介護の両立が難しくなってしまう場合が多いといわれています。厚生労働省の実施アンケートでは介護離職の理由として「仕事と手助・介護の両立が難しい職場だったため」という回答が約6割、「自分の心身の健康状態が悪化したため」という回答が約3割を占めます。(参考:厚生労働省「仕事と介護の両立に関する労働者アンケート調査」)
働きながらの介護は大きな負担を伴うものです。介護をサポートする制度をあらかじめ知っておきましょう。
「働きながらの介護」をサポートする制度とは
1.介護休業・介護休業給付金
1日または時間単位で取得できる介護休暇とは異なり、介護休業は介護を必要とする家族1人につき取得できる日数が93日間までと定められています。最大で約3ヶ月の長期休暇が取れるということですね。より長期で家族の介護サポートが必要な場合に取得することができます。 また、介護休業を取得した場合、一定の条件を満たすと介護休業給付金の支給を受けることができます。介護休業給付金の申請は、事業主への申請ではなくハローワークにて申請を行うことになります。
厚生労働省|介護休業制度
2.介護休暇
現在、施行されている育児・介護休業法では、「介護休暇」という1日または時間単位で仕事を休むことができる制度が定められています。イメージとしては有給休暇に近い休暇制度ですが、介護休暇は時間単位での取得も可能な場合もあるなど、より柔軟に活用できる制度となっています。
また、介護休暇は就業規則で定められた年次有給休暇とは別に支給され、要介護状態にある家族が1名の場合は年間5日、2人以上の場合は年間10日が限度とされています。家族の介護が原因で、1日~2日間程度仕事を休まなければならないときなどにはこの制度を利用しましょう。
厚生労働省|介護休暇制度
3.介護のための所定労働時間短縮等の措置
事業主は、家族の介護を必要とする労働者に対し、必要とする期間や回数などに配慮して、下記1~4のいずれかの措置を講ずることが定められています。
1、短時間勤務の制度
2、フレックスタイム制度
3、始業・終業時刻の繰上げ、繰下げ(時差出勤の制度)
4、労働者が利用する介護サービスの費用の助成その他これに準ずる制度
ただし、対象者の判断は事業主の判断に任されているため、上記に当てはまらなくても取得できる場合もあります。勤務先の人事担当者などに確認してみてください。
厚生労働省|育児・介護休業制度ハンドブック
身近な介護サービスを検索できるシステム
これまで、介護サービスに関する情報は行政から基本的なものは出されていても十分ではありませんでした。そこで、事業者に関する情報提供の仕組みを整備して利用者がより適切に事業者を選択できるよう支援するために「介護サービス情報の公表」制度の機能が充実されました。各都道府県が、事業者から受けた報告を調査してその結果を公表しており、提供される情報は「介護サービス情報公表システム」というホームページで確認することができます。いざという時に備えて自分や家族が住んでいる地域の事業者情報を検索し、どのような介護サービスがあるのかチェックしておきましょう。
厚生労働省|介護サービス情報公表システム
働きながら介護をすることは、個々人にとって大きな負担となります。働きながらの介護をサポートしてくれるさまざまな制度やサービスを活用すれば、多くの負担を軽減することができます。
また、最近では介護休業時の給与を補償する保険商品が販売されています。介護には継続的にお金がかかることが多く、給与の減少に対する不安がつきまとうため、このような保険はその不安を軽減する一つの手段となるかもしれません。
制度やサービス、保険など幅広い知識を持っておき、働きながらの介護にそなえましょう。