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日頃のそなえ

2017.05.25

【サーキットドライバーに聞いてみた】事故を回避するコツ

日頃のそなえ

2017.05.25

【サーキットドライバーに聞いてみた】事故を回避するコツ

ハンドルを握るドライバーは常に事故の危険と隣り合わせ。いつ起こるかわからない不測の事態を回避するコツを学ぶため、今回は国内A級ライセンスというモータースポーツライセンスを保有する運転の達人に「ここが危ない!」というシチュエーションを想定しながら、公道走行時の運転の注意点・危険回避のポイントを教えてもらいました。



石川賢志さん
某企業のマネジメント業務に従事する傍ら国内A級ライセンスを持ち、富士スピードウェイなどで開催されるカーレースにも参戦する本格派ドライバー



実はサーキットより一般道の方が危険がいっぱい?

-サーキットで走るのって、スピードも出ているし危険なイメージなのですがそうなのでしょうか。
「多くの方が『サーキットで走る方が危ない』と思っていらっしゃるかもしれませんが、一般に経験することのない速度域の世界というだけで、人や物が飛び出してくることはありませんし、路面もしっかりメンテナンスされているのでサーキットは結構安全なんですよ。その点で言えば、不測の事態が起こる一般道の方が危険かもしれません。」

-一般道の方が危険というのは意外ですね。
「一般道には歩行者をはじめ、自転車、その他の障害物も多いですよね。スピードが出すぎていると、不測の事態が起こっても回避しきれません。サーキットでは限られた情報を処理すればよいため、かなりのスピードで走っていますが、一般道では歩行者や周囲の状況に関する情報が処理しきれないことも多く、そんな時はスピードを制限速度よりもぐっと抑えて走行します。時速20kmや30km制限となっている商店街などの狭い道で、制限速度と同じくらいのスピードで走っている車を見かけますが、僕はもっとスピードを落とすべきだと思っています。」

-自動車の運転時は、周囲の状況を把握しておくことが重要だと思いますが、どのような確認をおこなっていますか。
「前方の状況はもちろん、バックミラーやカーブミラーを含めて全体を見ることで周囲の状況を把握していますが、これはサーキット走行で身に付けたことなのかもしれません。一般道を走る場合もバックミラーやカーブミラーを定期的に確認することで周囲の状況が把握できると思います。特にバックミラーを見ている人は少ないようです。ブレーキを強く踏んだ際には見るようにしたいですね。どの確認作業もバランス良くできるようにするべきです。」

-運転にあまり慣れていないサンデードライバーなどが事故を起こしやすいと思われがちです。
「サンデードライバーはハンドルを握る機会が少ないからこそ、運転に慎重な方が多いかもしれません。逆に、毎日運転している人は自身の運転を過信していることが少なくありません。『自分は大丈夫だ』という意識なので、実際に事故に遭うなどしない限りなかなか実感しにくいかもしれません。その過信を制御する術は、意識の持ちようしかありません。『自分もいつか、事故の加害者や被害者になる可能性がある』という意識を持ち続けたいものです。」

『万が一』に備えるイマジネーション

-運転で重要なのは先を予測することだと、教習所でも習いました。石川さんは、普段ドライブする際にどんなことに気をつけているでしょうか。
「いろいろと気をつけていることがあります。例えば屋外の風の強さは電光掲示板などでチェックするようにしています。風にもっとも影響を受けやすいのは体積が大きいトラック。もしトラックが強風で転倒したりすると、自分の車も巻き込まれてしまうかもしれない。たくさんの荷物を積載している車も同様で、荷崩れの可能性を秘めています。そんなシーンを思い描き、車間距離をあけたりと、なるべく近づかないようにしています。」

-なるほど。他にも車間距離をあける場合はありますか。
「フラフラと車線をまたぎながら走っていたり、おかしなところでブレーキを踏んだりする車を見かけますが、こんな車にも近づかないようにしています。こういう運転をするドライバーは、居眠り運転をしているか運転への意識が散漫になっている場合が多く、いずれにしても危険です。バイクの後ろを走る場合もなるべく車間距離をあけ、前方のバイクが転倒した場合でも対処ができるようにしています。また、左折車線と直進車線の2車線道路で自分が直進車線を走っている場合、左折車が右車線にはみ出してくることを想定して、左折車の右隣にはなるべく近づかないようにしています。」

-運転時に注意したいのが走行車線への合流だと思いますが、合流時に気を付けることって何でしょうか。
「もっとも良い合流方法は、走行車線の車のスピードに合わせて入っていくこと。また、バイクや軽自動車などは死角に入りやすいので、ゆっくりと合流車線に近づいていって死角をなるべくなくしていき、ミラーチェックだけでなくしっかりと目視するようにしています。」

最先端テクノロジーに頼るという選択も

-年齢による運転能力の低下という悩みを持つドライバーもいらっしゃると思うのですが、どんな対策があるでしょうか。
「歳を重ねると、視野が狭くなっていったり、ブレーキを踏み込むタイミングが遅れたり、確認ミスが多くなったりと事故のリスクは高まる傾向にあります。近年の最新モデルの自動車には、そんな運転能力の低下による事故を回避するためのテクノロジーが多数導入されていますし、人間の運転で補えない部分をテクノロジーに頼るというのは、僕はアリだと思います。」

-テクノロジーによる事故ゼロの未来が近づいているのかもしれませんね。一方で、石川さんのような運転が好きなドライバーにとっては、自動運転になると運転の楽しみが減ってしまうのではと思いますが。
「そう思う方もいらっしゃるかもしれません。ただ、個人的にはサーキットで運転を楽しむので十分。普段公道を運転するときは自動運転に頼りたいです。自分のためにも家族のためにも、事故を起こさないことが一番です。」

自分自身がどれだけ気をつけていても、予測できない事態から事故に遭ってしまうのが一般道。それでも自分で可能な限りの予防策を講じておかねばなりません。自動車教習所で習った「かもしれない運転」を心がけ、ドライブを楽しみたいものですね。

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