2017.10.05
【運動会で気を付けたい】つむじ風と竜巻の違いとは
2017.10.05
【運動会で気を付けたい】つむじ風と竜巻の違いとは
運動会が催されるこの時期、会場でつむじ風が発生している様子をニュースなどでご覧になったことのある方がいらっしゃるかもしれません。
過去には、茨城県の小学校で運動会の最中につむじ風が発生し、吹き飛ばされたテントによって児童数名が顔や腕にケガを負ってしまった事例がありました。運動会に参加されるご家庭にとってつむじ風はとても気がかりな自然現象ですが、一体どのようなメカニズムで発生しているのでしょうか。また、どのような点が竜巻と違うのでしょうか。対策と合わせて解説します。
運動会でつむじ風が起こりやすいのはなぜ?
つむじ風は、晴れた日の日中に発生することが多く、地表が温められたことで発生する上昇気流が建物などの障害物に当たって発生する渦巻きのこと。運動会では、以下の条件が重なることから、つむじ風が発生する可能性が高くなると言われています。
・気温の高い晴れた日に行われることが多い
・広い地面(運動場)が存在する
・運動場の近くに風の変化を促す建物(校舎)が建っていることが多い
つむじ風の風速は秒速20メートル前後ですが、その程度の風速でもテントなどの地面に固定されていない構造物が飛ばされる可能性は十分にあるため注意が必要です。
つむじ風って竜巻のこと?
つむじ風と竜巻は、似ていますが別物です。具体的には以下のような違いがあります。
つむじ風
発生原因:晴天の日に太陽光で地表が温められたことで発生する上昇気流により発生
最大風速:秒速20メートル程度
サイズ:数メートル~数十メートル
竜巻
発生原因:積乱雲に伴う強い上昇気流により発生
最大風速:秒速100メートル程度
サイズ:数十メートル~数百メートル
気象庁|竜巻などの激しい突風について
つむじ風と竜巻とでは発生のメカニズムや風速、サイズなどの規模感が大きく異なるのです。特に9~10月は竜巻が発生することが多く、つむじ風だけでなく竜巻の発生にも注意を払わなければなりません。
つむじ風・竜巻の予兆は察知できる?
つむじ風は、前兆現象はなく発生の予測はほぼ不可能です。一方、竜巻の発生時には、以下のような予兆が現れます。
・雷鳴が聞こえる
・乳房雲(ちぶさぐも)が現れる
・冷たい風を感じる
・真っ黒い雲が近づき、周囲が急に暗くなる
・大粒の雨や雹(ひょう)が降り出す
被害を最小限に抑える対策は?
発生の予測が難しいつむじ風と、大きな被害をもたらす竜巻。万一に備えて対策をおさえておきましょう!
つむじ風は寿命が短く、長時間発生することはありませんが、移動スピードが速く複雑な動きをします。運動会などの最中につむじ風が発生したら、直ちにテントや仮設構造物から離れてください。事前の対策として、テントなど設置する構造物はしっかりと事前に固定するようにしてください。
一方、屋外で近くに竜巻が迫ってきたときは、素早く以下のような行動を取ってください。
・近くの頑丈な建物に避難し、さらに窓ガラスから遠く離れる
・そのような建物が無ければ、飛散物から身を守れるような物陰や水路などのくぼみに身を伏せて、両腕で頭や首を守る
タイムリーな情報収集を
気象庁では、半日~1日前から「竜巻注意情報」を段階的に発表しているほか、「竜巻発生確度ナウキャスト」にて、詳細な竜巻予測も行っています。これは、竜巻が発生する可能性ついて1時間後までの予測を行うもので、10分ごとに更新されます。竜巻発生の予兆が現れた場合には、直ちに気象庁のホームページでチェックしましょう。
気象庁|竜巻注意情報
気象庁|竜巻発生確度ナウキャスト
夏から秋にかけて増える、つむじ風や竜巻。規模が小さいつむじ風でも、一瞬のうちに物が飛ばされて、大きな被害を受けることも十分考えられます。つむじ風も竜巻も頻繁に遭遇することはないかもしれませんが、予兆や対策をしっかりと頭に入れておき、秋のイベントを安全に楽しんでください。