危険運転による事故の多発から注目が集まる「ドライブレコーダー」

あおり運転やちょっとした不注意による痛ましい事故が多発している昨今、運転中の事故状況を記録してくれるドライブレコーダーに注目が集まっています。国内出荷台数も、2017年度は約266万台でしたが、2018年度には約367万台※と急激に増加しており、社会的な反響として強い関心を持たれていることは顕著です。

こうした世の中の動きを受け、当社は『GK 見守るクルマの保険(ドラレコ型)』を開発しました。これは当社オリジナルの通信機能が付いている専用ドライブレコーダーをお客さまに貸与することで、これまで以上に迅速かつ的確な事故対応を実現する商品です。

  • 一般社団法人 電子情報技術産業協会「ドライブレコーダー統計出荷実績」より

西川

「商品開発は、お客さまの声に耳を傾け、世の中の動きを常に把握する等、さまざまな観点から物事を捉え、企画します。今回の『GK 見守るクルマの保険(ドラレコ型)』は、世の中の動きとして、自動車にドライブレコーダーを搭載するドライバーが増えつつあることから、それに合わせた具体的な商品を開発するに至りました。当社が長きにわたって研究を続けてきたテレマティクス技術を活用し、ドライブレコーダーと掛け合わせることで、これまで以上にお客さまへ安心を届ける商品が作れるのではないかという思いがあったからです。」

とはいえ、従来の保険商品の開発は「目に見えない」商品を生み出すもの。ドライブレコーダーという「モノ」を提供する商品開発には、さまざまな苦労がありました。

嶋田

「当社では、これまで『モノ』をご提供する商品開発の実績が少なく、ドライブレコーダーの選定をはじめ、録画した映像を送信するためのシステム開発やドライブレコーダーの配送方法等、初めて経験することばかりでした。社外の方々のご協力をいただいて成り立つ商品だからこそ、関係者が一丸となって解決しなければならないことが多く、通常の保険商品を生み出すのとは違う『難しさ』がありました。」

西川

「前例がない分、『正解』がないため、どこを譲歩して、どこにこだわるべきなのかという『着地点』を定めるのが特に難しかったです。ドライブレコーダーという商品の中にどうすれば『当社らしさ』を表現できるのか、より多くのお客さまに選んでいただけるのかということを、機能面やコスト、事故時のサポート体制等、さまざまな面から検討していきました。」

充実の機能でお客さまの安全をサポート

今回特にこだわったのは、ドライブレコーダーの機能。映像の画質の良さや操作の分かりやすさはもちろん、お客さまの安全をサポートする機能が充実していることが大きな魅力です。

一定以上の衝撃を検知すると、当社に位置情報や映像を送信してくれる「事故緊急自動通報サービス」や、事故につながるおそれがある運転状況・動作に対して注意喚起してくれる「安全運転支援アラート」等、さまざまな面からお客さまの安全をサポートする機能を搭載しています。

また、ドライブレコーダー自体に通信機能を持たせることで、万一の時もスムーズに正確な情報を得られるため、事故発生後のお客さまに対するサポートもこれまで以上に迅速な対応が可能となり、お客さま満足の向上につながっています。

西川

「一番の課題は、お客さまにご提供するサービスの品質を、どこまで高めることができるかということです。さまざまな機能を追加すればするほど、ドライブレコーダーの処理能力を超えてしまうため、搭載できる機能には制限がありました。そのため、ドライブレコーダーを開発しているメーカーの方々や、社内でも議論を重ねながら、お客さまが必要としている機能は何かを検討していきました。」

嶋田

「今回、ドライブレコーダーを貸与するという仕組みを取り入れたことから、商品化するまでに通常の倍近い月日がかかりました。お客さまにとってもわかりやすい商品となるよう、十分に検討を重ねました。」

今回の商品開発にあたって、全国の当社社員や代理店、一般消費者等にドライブレコーダーを貸与し、実際に使っていただくトライアルを実施しました。すると、「設置の仕方がわかりにくい」「アラートの音が大きすぎる」等、開発段階ではわからなかった課題が見えてきました。

こうしたユーザーの方々の生の声を受け、機能面等の修正を重ねました。また、導入に際して必要となるドライブレコーダーの設置方法の説明動画や冊子も作成。多くの人々の声が反映された形で、2018年10月に販売開始を迎えることができたのです。

嶋田

「販売開始時から、テレビCMをはじめとした広告を積極的に打ち出したこともあり、予想以上に大きな反響をいただきました。年明けから当社のコールセンターには資料請求はもちろん、『この保険に入りたい!』と多くのお客さまからお問い合わせをいただき、販売開始直後に、メーカーにドライブレコーダーの増産をお願いしたほどです。危険運転による事故、あるいはドライブレコーダーに対する世間の関心の高まりがお客さまニーズと合致したことを肌で感じた瞬間でもありました。」

西川

「正直なところ、販売開始直後からこれだけ多くのお客さまにご利用いただけるとは思っていなかったので、とても驚きました。「モノ」をご提供する商品のため、在庫管理という新たな課題に直面しましたが、ドライブレコーダーメーカーや配送業者、システム開発会社等のパートナー企業のご協力のもと、ご提供することができています。開発からサービス提供まで、携わってくださった関係者の方々には本当に感謝しています。」

ドライブレコーダーを通じて得たデータを新たな商品開発に生かす

こうしたことから、『GK 見守るクルマの保険(ドラレコ型)』は、2019年1月にサービス提供を開始してから、5月上旬には約5万件ものご契約をいただき、現在も着実にその数を伸ばしています。それを見ると、今後の保険商品のあり方も、さまざまな技術を活用して得たデータを反映したものや、ドライブレコーダーのように「モノ」が付随した形へと変わっていくのではないかと考えられます。

左:西川 右:嶋田

嶋田

「商品の形は変わっても、常に私たちが第一に考えているのは、お客さまにとっての『使いやすさ、魅力』です。せっかくご加入いただいたからには、十分商品を活用していただきたいですし、その分私たちも、より便利でわかりやすい商品を生み出していかなければなりません。また、ご加入後にも連絡をし、実際にドライブレコーダーを活用いただいているか、ご不明点がないか、などのアフターフォローも行っています。」

西川

「こうして多くのお客さまにご活用いただいているからこそ、当社としては膨大なデータの収集にもつながっています。これを生かし、自動車に関するお客さまのリスクをさらに低減できるような新しい商品の開発にもつなげていきたいと考えています。」

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