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季節のそなえ

2023.01.05

【雪に備える】知っておきたい雪害対策

季節のそなえ

2023.01.05

【雪に備える】知っておきたい雪害対策

1月~3月は積雪による事故が増えます。降雪地域では雪下ろしや雪かき中の事故も多く見られますし、帰省時などに臨時でこうした作業をする際にも注意が必要です。一方、積雪の少ないとされるエリアでも大雪警報が発令されることがあります。今回は、改めて知っておきたい雪害対策についてご紹介します。


「雪害」の種類を知っておこう

事故による犠牲者数が多い「除雪中の事故」

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消防庁「消防白書」によると、雪害、雪の事故で最も犠牲者が多いのは、雪下ろしなど除雪作業中の事故だといいます。具体的には、屋根からの転落、屋根からの落雪、融雪槽(燃料などを用いて雪を溶かすため、地中に設置された容器)への転落、運転中の除雪機への巻き込み、寒い中での重労働による急病などが挙げられています。降雪地帯では除雪が日常的な作業であり、慣れや過信から危険に対する意識が弱まりがちになるといった要因もありそうです。

雪道運転の難しさから起こる「車の事故」
降雪中は吹雪などで視界不良になったり、降雪後は路面の凍結が起こったりして、車を安全に運転することが難しくなります。雪道でスリップし車をコントロールできずに事故を起こしたり、新雪でタイヤが空回りしてスタックしてしまったりといった状況が起こりがちです。

降雪量が増えると転倒も増える「歩行者の事故」

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歩行者の転倒災害件数は降雪量とほぼ比例していて、例年スノーシーズンの13月に集中すると言われます。降雪の多い地域はもちろん、雪の少ない地域で急に降雪した場合も、不慣れさから転倒事故を起こすことは十分に考えられます。

見通しの甘さが危険につながる「スノーレジャーの事故」
冬山登山の遭難者は高止まりから増加の傾向にあり、その多くが経験から来る油断や準備不足によるものと言われます。レジャーで気が大きくなったり、携帯電話などの通信手段を過信したりといった様子がうかがえます。

急な斜面などで起こる「雪崩事故」
傾斜30度を超える急な斜面、落石の危険がある斜面などでは雪崩が発生しやすいとされています。雪崩は非常に動きが速く、発生後は逃げるなどの対策が難しい場合が多いものです。危険箇所の情報収集や、前兆となる現象を知っておくなどの事前対策が重要です。

まずは気象庁「今後の雪」、ハザードマップなどで情報収集を

6時間先までの雪を予報する「今後の雪」
気象庁は「今後の雪」として、最大6時間先までの降雪短時間予報をマップで表示するWebサイトを公開しています。また、3日先までの比較的長期にわたる降雪予報は、ニュースの気象情報などで確認することができます。大雪が予想される際には、こうした情報を確認して外出などの計画を調整するようにしましょう。
他にも、山形県、福島県(会津地方)、新潟県、富山県、石川県、福井県、滋賀県、京都府、兵庫県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県を対象に、短時間に顕著な降雪が観測され、その後も強い降雪が続くと見込まれる場合、気象庁は「顕著な大雪に関する気象情報」を発表しますので、チェックしておきましょう。

雪が降ってからはどうすればいい?

除雪は作業環境を入念に整え、2人以上で
除雪作業に対する慣れや過信を防ぐため、国土交通省が「雪下ろし安全10箇条」(下記)をまとめています。これを参考に、除雪や準備に取り組みましょう。

(1)安全な装備で行う
(2)はしごは固定する
(3)作業は2人以上で行う
(4)足場の確認を行う
(5)雪下ろしの時は周りに雪を残す
(6)屋根から雪が落ちてこないか注意する
(7)除雪道具や安全対策用具の手入れ点検を行う
(8)除雪機の雪詰まりはエンジンを切ってから棒などで取り除く
(9)携帯電話を身に着ける
(10)無理はしない


雪道の運転は控えめな速度で一定走行、吹雪中はライトと車間距離を

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凍結路面で車が滑りやすいのは、坂道での急ブレーキやカーブ走行中など。速度は控えめにし、アクセルは一定を保って走行しましょう。ブレーキは普段よりも手前からじわっと踏むようにします。日陰や交差点、橋の上、トンネルの出口などは特にアイスバーンが発生しやすいため、坂道やカーブでなくても速度を控えて走行したいところです。また、吹雪の中では周囲が見えにくくなりますから、ライトを点けて車間距離を十分に取ります。

歩行は歩幅を小さく、靴の裏全体を路面につけて

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雪道を歩く場合はいつもより歩幅を小さくし、靴の裏全体を路面につけるペンギンのような歩き方をすると安定して転倒しにくいとされています。白線の上や下り坂、踏み固められて凍った場所などは滑りやすいので特に注意しましょう。

スノーレジャーはグループで、無理な行動は控える
スキー場のルールや係員の指示を守るのは当然ですが、それでもリスクはゼロにはなりません。もしもの場合を考えて1人での行動は避け、携帯電話や無線機などを携帯しましょう。自分の能力以上の無理な動きは控えることも重要です。

雪崩が起きた場合の対策方法を確認しておく
まずは事前の情報収集を怠らず、危険な場所には近づかないことも大切です。加えて、もし雪崩に遭遇してしまったらどうすればよいかも確認しておきましょう。全国地すべりがけ崩れ対策協議会「雪崩対応安全ガイドブック」には概ね次のようにまとめられています。

<1.雪崩に遭遇したら>
1. 流されている人を見続けること。
2. 仲間が雪崩に巻き込まれた地点(遭難点)と見えなくなった地点(消失点)を覚えておく。
3. 雪崩が止まったら、見張りを立てて、遭難点と消失点にポールや木などの目印をたてる。
4. すぐにビーコン(無線機)などを用いて、捜索する。
5. 見つかれば、直ちに掘り起こして、救急処置を行う。

<2.自分が流されたら>
1. 雪崩の流れの端へ逃げる。
2. 仲間が巻き込まれないように、知らせる。
3. 身体から荷物をはずす。
4. 雪の中で泳いで浮上するようにする。
5. 雪が止まりそうになったとき、雪の中での空間を確保できるように、手で口の前に空間を作る。
6. 雪の中から、上を歩いている人の声が聞こえる場合があるため、聞こえたら大きな声を出す。

雪に慣れている・慣れていないに関わらず、降雪や積雪はさまざまなリスクをはらんでいます。降雪の少ない地域であっても、まずは自分も当事者だという意識をもって、日頃から雪害対策の知識を備えておくことが重要です。


参考:
消防庁 令和3年版 消防白書(第1章第8節)
https://www.fdma.go.jp/publication/hakusho/r3/63931.html
消防庁 令和2年版 消防白書(第1章第8節)
https://www.fdma.go.jp/publication/hakusho/r2/#cat_6307

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