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日頃のそなえ

2018.08.30

【自転車に保険加入の義務化?】最近の自転車事情

日頃のそなえ

2018.08.30

【自転車に保険加入の義務化?】最近の自転車事情

今、自転車の運転者に保険加入を義務付ける流れが、都市部自治体から全国へ広がりつつあります。今回は、「自転車の安全利用促進委員会」メンバーで、自転車ジャーナリストの遠藤 まさ子さんに、最近の自転車事情を聞きました。



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自転車の安全利用促進委員会 メンバー
自転車ジャーナリスト
遠藤 まさ子さん

自転車業界新聞の記者や自転車専門誌の編集などを経てフリーランスへ転向した自転車ジャーナリスト。子乗せ自転車や幼児車、電動アシスト自転車などを中心に取材を行い、各誌に寄稿している。また、テレビ番組をはじめとした各種メディアでコメンテーターとしても活躍中。


自治体の条例として「自転車保険加入の義務化」が拡大中

-兵庫県、大阪府、滋賀県などを皮切りに、自転車保険加入を義務化する自治体が増えていると聞きます。
大阪府堺市が義務化を決めた際は大きな話題になりましたね。もともと大阪府は「自転車の街」でメーカーなども多いので、全国に先駆けて自転車保険の加入義務化が進められたという背景もあります。
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-それ以外の地域では自転車保険加入の義務化はまだ見られないのでしょうか?
広がってきています。例えば神奈川県大和市では、小学校5年生から中学3年生までは自治体負担で自転車保険に一括加入したり、他の市でも前向きに動いています。九州や北陸の方にも広がりつつあるので、これから東北地方などにも保険加入義務化が広がっていくのではないかと思います。

免許がいらない自転車事故への備えは忘れられがち

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-自転車保険加入が義務化になった背景を聞かせてください。例えば、大和市では義務化の対象が「中学生以下」とのことですが、自転車事故が多い年代を対象として義務化が進んでいるのでしょうか?
自転車保険加入の義務化は、自転車事故に伴う高額賠償の事故が多発してしまっており、対策が必要だったという背景があります。そういった意味でも、大和市では事故の多い年代を対象として義務化を進めているのだと思います。統計を見ても、自転車事故の加害者になる率は10代後半を中心に若い層が高くなっています。自動車、バイクの運転免許を取られた方であれば、教習場で道路交通法を学んでいるのですが、10代の多くはまだ自動車やバイクの運転免許を取得していないので道路交通法の認知・理解が浸透していないことが原因の一つに考えられます。

-自動車では高齢者の起こす事故が目立っていますが、自転車ではいかがですか。
加害者になるよりも、運転者自身がケガをする事故を多く聞きます。昔と同じように運転しているつもりでも、実際はふらついたりして危ないことが多いのです。
そこで最近「シニア向けの自転車」が注目されています。そういう製品や、電動アシスト自転車などもうまく取り入れながら、自分もケガをしない、周りにも被害を与えないように意識することが重要かと思います。

-日常的に自転車を使用していると、あまりリスクが高くないように感じてしまいますね。
日常で乗っていると、無意識に自転車を“生活用品の一部”だと考えていることが多いんです。例えば、自転車を選ぶ時も「荷物が積めるか」「パンクしにくいか」など、安全性より便利さばかり気にする方がいます。乗り物に乗っている意識がないので、交通ルールもぼんやりとしてしまい、自分が便利だからと歩道を走ったり、歩いている感覚でフラッと飛び出したり……という使い方になりがちなんです。

-確かに、お子さんにはヘルメットをかぶせても、自分はかぶらずに運転する親御さんも多いですね。
特に子乗せ自転車は、育児用品の延長になってしまいがちです。あまり練習しないままお子さんを乗せた電動アシスト自転車で路上に出てしまう方もいます。例えば、アシストされることでスピードが出るので歩行者にぶつかっても気づかず、そのまま走り去ってしまったが、ぶつかられたほうは骨折していた。これは本当にあった事例です。同様の事故の話もよく聞くのですが、自転車なのでナンバープレートもなく、被害者も追いかけようがないんです。自転車に乗るからには、「歩行者を傷つける危険性がある」ことも認識しておかないといけませんね。

乗る人別!賢い自転車の選び方

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-お子さんを乗せる自転車を選ぶ際のポイントはなんですか?
重みでふらつきやすく、またブレーキもかかりにくくなるので、頑丈で安定感があり、ブレーキなども子どもが加わる分の荷重を想定して設計されていることが重要です。ハンドルロック機能があれば乗せ降ろしの際も安定しますし、変速機があると走り出しでふらつきにくくなります。スタンドも片足ではなく、安定した両立スタンドにしましょう。
購入の際は、お子さんも一緒に試乗するのがおすすめです。サドルにまたがった状態で足の裏がしっかりと地面に着くか、ブレーキはかけにくくないか、お子さんを乗せた状態でも運転者が乗り降りしやすいか、ご自身で確認してみてください。複数の方が乗る場合は、小柄な方に合わせて選びます。
ちなみに幼児を2人乗せる場合は、安全基準マーク「BAA・幼児2人同乗用基準適合車マーク」(BAAマークについては後述)が目安になるでしょう。京都府など、都道府県によってはこの基準を満たした自転車でなければ幼児2人乗せが認められていないところもあります(道路交通法の地方細則による)。

-シニアが乗る自転車を選ぶ際のポイントはなんですか?
先ほどお話した「シニア向け自転車」はとてもおすすめですし、一般的な自転車から選ぶ際もシニア向け自転車の設計ポイントが参考になると思います。例えばクランクが短く、足を上げる幅や、膝を曲げる角度が小さくてもペダルを漕げることや、低床設計でサドルをまたぎやすくなっていることなどが挙げられます。
それから、シニアの運転は漕ぎ出しを中心にスピードが出にくいことからふらつきやすいのですが、その対策として電動アシスト自転車は有効です。一方で、電動アシスト自転車はこぎ出した瞬間にグッと加速するような独特の運転感覚がありますから、初めて乗る時には必ず交通量の少ないところで練習をしてから乗っていただきたいですね。
駐輪スペースなどの問題がないようなら、三輪車もおすすめです。前が二輪のタイプでも、後ろが二輪のタイプでも同様で、脚力が衰えていても三輪車であれば転びにくくなります。

-自転車の車両について、乗る人を問わず備えておくと安心なことはありますか?
できれば毎年自転車店に点検に出して、「TSマーク」を更新するのがおすすめです。自転車によく貼ってある赤や青のマークで、これは国家資格である自転車整備士や、自転車技士が点検・整備した自転車であるという印なんです。しかも、傷害補償や賠償責任補償がついた保険も兼ねています。
ちなみに、格安の粗悪な自転車の中には、部品などの状態が劣悪で整備ができない製品があり、点検に出してもTSマークの貼付を断られる可能性があります。そこで、まず自転車を選ぶ時にチェックしたいのが安全基準マーク「BAAマーク」。BAAマーク付きの自転車であれば一定の品質も担保されますし、メーカー依存の不具合があった場合に補償してくれる保険もついています。
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自転車は生活用品ではなく“乗り物”だと意識して

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-自転車ユーザーのみなさんに、メッセージをお願いします。
自転車は“乗り物”です。もし電動アシスト自転車の前後にお子さんを乗せて3人で走った場合は、全体の重量が150kg近くになることもあります。ご自身の自転車の乗り方、起こりうるリスクを想定しつつ、自転車に楽しんで乗っていただきたいです!

参考:
平成29年中の交通事故の発生状況(PDF)|警察庁

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