こんにちは。ちょっとディープな日本全国の旅をお届けするツーリング雑誌『モトツーリング』の編集長、神田英俊です。
この雑誌は隔月で発刊中の旅雑誌ですが、日本全国の穴場的秘境や絶景ロードや郷土グルメといった旅情報をお届けしています。記事をつくるにあたっては、必ず現地で実走取材を行い、地域の知られざる郷土文化や道路史といった少々ニッチな部分も合わせてお伝えするべく、日本中を走り回っています。
本稿は、そんな僕が、ぜひ足を運んでいただきたい房総半島のオススメスポットの紹介です。今回は都内からもアクセスしやすく潮風を感じる爽やかな半島南部に焦点を絞り、内房(東京湾沿岸)と外房(太平洋沿岸)の2エリアに整理し、週末の日帰りドライブでも抜群の充実感を楽しめる、ちょっと穴場なポイントを厳選しました。
厳選ドライブスポットお品書き
さて、まずは本稿で紹介するスポットのお品書きマップをご覧あれ。
▶Google マイマップ版「房総半島南部の穴場ドライブスポットマップ」
今回は「絶景&穴場観光スポット」「味わい深きご当地グルメ」「爽快ロード」という3つのテーマから計10ヵ所のスポット情報をお届けします。いずれも狭路や未舗装路といった運転しにくい道路を走らなくてもアクセス可能! そして、お子さん連れでも歩きやすく、安心して楽しめるスポットを選定しています。
では、さわやかな潮風に包まれた房総半島のドライブ&ツーリングへ出発しましょう!
海と山と断崖と! 絶景&観光スポット×6
鋸山は「地獄覗き」だけじゃない! 採石場が魅せる絶景断崖<内房>
「穴場」といいつつも、まずは内房定番の観光スポットの筆頭格とも呼べる鋸山(のこぎりやま)からご紹介。
房総丘陵や東京湾一望の大展望と共に、落差約100mもの圧倒的な断崖のスリルを楽しめる「地獄覗き」は首都圏屈指の観光地としてあまりにも有名です。その他、国内有数の石造大仏である日本寺大仏や五百羅漢像などの文化財も多くの人が知るところ。よく知られたスポットである分、訪れる人は多いのですが、少々の混雑に目をつぶっても訪れる価値あり、とオススメしておきたいところです。
そして、鋸山にはこれら定番のスポット以外にも穴場な見どころが実はたくさんあるのです。見どころとは、無数に点在する石切り場跡。鋸山はそこかしこに切り立った断崖がある景観が特徴的ですが、地獄覗きも含めたこのような景観は、実は人の手によって造られたもの。鋸山は全体が凝灰石の岩山で、江戸時代より関東屈指の石材産地として知られており、山中の断崖は長年にわたる石材採掘の跡なのです。産業遺構とも呼べる知られざる見どころを、いくつか紹介しましょう。
まるで古代神殿のような威容をたたえる石切り場跡。これらは全て江戸時代の石材採掘の痕跡なのです。採掘は昭和60年頃まで行われており、当時の採掘機材も点在。観光地イメージの強い鋸山の違った一面が感じられます。
採掘場に残る石畳の道は、車力道と呼ばれる石材搬出路の跡です。運搬作業に従事したのは「車力(しゃりき)」と呼ばれる女性たち。1人あたり約240kgもの石材を女性が荷車で運搬したといわれています。海岸まで運ばれた石材は船で各地へ輸送され、「房総石」の名で珍重されました。
こうした採掘跡地は、「地獄覗き」など先のメジャーなポイントと比べると、かなりマイナーな穴場スポットですが、まるで異世界のような独特な景観は圧巻! 鋸山を訪れた際は、ぜひ足を伸ばしていただきたいスポットです。
アクセスは鋸山登山自動車道か鋸山ロープウェーが一般的ですが、素晴らしい展望が楽しめるロープウェーも、観光スポットの一つとしてオススメですよ。
岩盤に張り付く威容の本殿! 崖観音 大福寺<内房>
断崖絶壁の真ん中。伊豆半島や富士山を見渡す岩山の崖に張り付くように建てられた景観が珍しい寺院です。7〜8世紀を生きた僧、行基(ぎょうき)がこの崖に「十一面観世音菩薩」を刻み、その後、慈覚大師(じかくだいし)が堂を創建したのが由来とされる、大変歴史深い場所です。こうした深淵な歴史も魅力ですが、本堂からの風景が大変素晴らしい。眼前の東京湾はもちろん、伊豆半島、ときには富士山まで一望するパノラマが楽しめますよ。しかも、人影が少なく、穴場感も抜群。駐車場も完備されており、アクセスも便利。その上、参道も整備されているので、家族連れで訪れやすいのもうれしいポイントです。ぜひぜひ、飛鳥~平安時代の歴史のロマンを感じていただきたい。
本堂からは周辺一望の大パノラマが広がります。歴史ある寺院なので、眼下には広大な墓地が広がりますが、絶景であることには間違いなし。内房屈指の風景が楽しめます。
さながら房総のカッパドキア! 神秘的な石仏回廊の大悲山清厳寺 岩谷観音堂やぐら群<内房>
もはや、遺跡!なぜこんな場所に自由に立ち寄れるのか……という疑問すら感じるのが、富津市にあるこちらのスポット。無数の岩窟内に掘られた多数の石仏が、なんとも神秘的な雰囲気をたたえるスポットです。崖に掘られた岩窟は14窟。その内部に掘られた多数の石仏を見学できます。この石仏は、岩壁などを彫った磨崖仏(まがいぶつ)と呼ばれるもので、中世~江戸期の長期にわたり彫られたと考えられています。一方で、岩窟自体は古墳時代の横穴墓を加工したもので、古代より地域の信仰の場として大切にされてきたことがうかがえます。日光が差し込むと、石仏がまるで浮かび上がったかのように見えるその光景はまさに神秘的です。
多数の岩窟の中でも特に見ておきたいのは、こちらの回廊式の第2窟です。コの字型の岩窟内にある大型の仁王像(写真右手前)が、存在感を放っています。中世の文化を直に感じられる貴重な場所ですが、照明こそあれど内部は暗いので、懐中電灯持参が安心です。
地球が生み出した圧巻の造形を楽しむ根本海岸 白浜の屏風岩<外房>
続いては、ハンドルを太平洋に向け、外房へ。まずご紹介するのは、波打ち際に林立する無数の岩が特徴的な奇景です。大陸プレートが複雑に接する南房総付近の珍しい地質構造、そして、波の浸食によって、まるで洗濯板のような切り立った岩の数々が生み出されました。その洗濯板のスケール感たるや、東西500m以上! 千葉県の天然記念物にも指定されており迫力抜群です。この奇景を楽しむ上で注意すべきは、潮の満ち引きです。干潮時は岩が完全に露出してしまい、「海+洗濯板」の絶景とはなりません。満潮の少し前くらいの時間帯がオススメですので、潮汐表をよく確認してから訪問してみてください。
世にも珍しい“二階建て”トンネルをご覧あれ! 共栄・向山トンネル<外房>
もしも「珍トンネル100選」なるものがあれば、その筆頭として推したい奇妙なトンネルがこちら。外房を訪れたら、ぜひこの珍景を楽しんでいただきたいのです。なにが一体奇妙なのか? 一見すると、コンクリートで固められた一般的なトンネルですが、ちょっと上を見上げてみると……なんと頭上に穴が! それも外がはっきり見える程の大穴です。穴というより、もう一つの出入り口とも表現できそうです。
まるで2階建てのような奇妙なトンネルなのですが、かつては上部に見える大穴こそ出入り口でした。しかし、昭和45年頃に出入り口の工事が行われ、路面の一部を掘り下げて位置変更を行ったのです。そのせいで、かつての出入り口が頭上に見える奇妙なトンネルが生まれました。トンネル内ですので薄暗く歩行者もいますので、通過時には細心のご注意を。
さて、向山トンネルを訪れたら、その周辺も楽しまない手はありません。付近一帯は房総屈指の渓谷美を誇る養老渓谷の中心部。向山トンネル入口付近から養老川沿いに設けられた約1.2kmの中瀬遊歩道は深緑・紅葉を楽しむ人気のスポットになっており、この遊歩道を歩くことしばし……
こちらの弘文洞跡(こうぶんどうあと)にたどり着きます。こちらは江戸期に農業用として人力で掘削された巨大な水路の跡。元は隧道(ずいどう)、つまりトンネルだったのですが、昭和54年に屋根の部分が崩落し、ご覧のとおりのV字の渓谷のような形状になりました。この水路を人が作り出したのかと思うと、圧倒されます。
太平洋の大パノラマと断崖! 鵜原理想郷<外房>
荒波に浸食された絶景は外房にも。南房総国定公園の一部である鵜原理想郷は複雑な自然の造形が美しい絶景の海岸です。ここには明神岬という正確な地名がありますが、大正期に計画された別荘地開発の際に「理想郷」と呼ばれるようになり、現在ではこちらの名称の方が親しまれているかもしれません。古くから絶景地として知られる同地には多くの文人や歌人が訪れており、なんとも歴史深い地でもあります。なかでも与謝野晶子はこの地に滞在し、76首もの歌を詠んだことでも有名です。
この鵜原理想郷は、全域に遊歩道が整備されており、変化に富んだリアス式海岸風景を楽しめます。特に絶壁の断崖はまさに房総半島の断面! 大迫力の地層と真っ青な太平洋を一気に展望するダイナミックな光景は感激必至の絶景です。お弁当持参でハイキングを楽しむのもオススメの過ごし方です。高低差があるため、お子さん連れの散策では十分にお気を付けを。
鵜原理想郷の遊歩道はいくつかルートがあり、それぞれで変化に富んだ風景が楽しめるのが特徴。範囲が比較的広く鵜原理想郷の全体を周回すると約90分程度かかりますが、海岸へ降りると太平洋の大パノラマとはまた違った海岸絶景が楽しめます。
ここでしか食せない房総のローカルグルメ×2
房総半島を走り回り、そろそろお腹が減ってきたのでは? 房総にはさまざまなグルメがあるのでご安心を。半島ならではの海の幸も捨てがたいところですが、ここはちょっと趣向を変えて、ご当地ラーメン&バーガーなんていかがでしょうか。
パティは国産牛100%!ローカルで愛されるビンゴバーガーの旨味とボリュームにノックダウンされよ!<内房>
内房、というには、ちょっと内陸に入ってしまいますが、これぞまさに穴場店。一見、道の駅のケータリング店舗のような雰囲気で出店しているコンテナハウスの店構えながら、実は地元の名店として客列の絶えないハンバーガー専門店なのです。
その人気の秘密はボリューム。写真を見れば一目瞭然ですが、人の顔ほどはあろうかというBIGなサイズに圧倒されます。中にはさまるパティも重量200gとヘビー級で、バンズからはみ出んばかりの大きさ! ポイントはボリュームだけではありません。パティは日本橋の老舗精肉店、日山より仕入れた国産牛100%で、旨味と肉汁が溢れんばかり。レタスやオニオンなど、その他の具材もたっぷりで、1つで満腹間違いなしのサイズです。必ず腹ペコで訪問することをお忘れなく。
住所:千葉県南房総市川田82-2(道の駅「鄙の里」内)
TEL:0470-36-1234
営業時間:11:00~16:00(パティがなくなるまで)
定休日:木(祝祭日の場合は営業)
駐車場:あり(道の駅の駐車場を利用)
漁師町が生んだ、ピリ辛のソウルフード勝浦タンタンメン<外房>
外房のご当地ラーメンといえば、太平洋の荒波が打ち寄せる厳しい環境が生み出した勝浦タンタンメンが外せません。その名のとおり、勝浦市界隈で盛んなこのラーメンは、現在は市内・周辺40店舗以上で提供されている大人気のメニューなのです。発祥は昭和20年代後半頃、勝浦市界隈の漁業関係者たちが冬の海の寒さを乗り切るために、ラーメンにラー油をかけて食していたのが起源といわれています。
こうした出自ゆえ、「タンタンメン」という名にもかかわらず、中華料理でいうところの「担々麺」とは、ルックスも味の方向も全く異なります。キモになるのは、醤油ベースの鶏ガラスープをラー油で仕上げた辛み。上に乗る具材は豚挽肉とタマネギ、ニンニクやニラなどを唐辛子で炒めており、見るからにスタミナ感抜群! ピリ辛かつ、香ばしい旨味のラー油とともに麺をすすると、もうたまりません( 写真の1杯は、大ぶりなチャーシューがのっており、具材がよく見えませんが……)! まさに外房の自然が生んだ郷土の味。海鮮も美味いですが、地域の歴史を味わえる房総郷土グルメは必食ですよ。
【ちょっと寄り道】房総半島を快適にドライブするための予備知識
房総半島は首都圏屈指の観光エリア。となれば、休日や連休といった行楽日和には渋滞が付きものです。もちろん完全に回避する手段はありませんが、渋滞しがちな場所や時間を知っておけば、かなり快適なドライブが可能です。ここでは、私の知る房総半島ドライブにおける渋滞ポイントをお伝えします。
渋滞ポイント1:アクアライン&アクアライン連絡道袖ヶ浦IC周辺
アクアラインは東京都房総半島をつなぐ、重要ルート。ですから、行きも帰りもここがボトルネックとなりがちです。アクアライン連絡道では、「車がまったく動かない!」ということもしばしばです。こうした渋滞を少しでも回避するためには、行き帰り共にスケジュールが最も重要なポイントとなります。
<対策>
アクアラインにかぎりませんが、「早め行動」が渋滞回避の鉄則です。遅くとも8時頃には川崎浮島本線料金所を通過したいところです。このポイントを早く通過することで、結果的に、その先にある房総半島南部の館山自動車道・冨浦IC付近や館山市内の渋滞回避にもつながります。また、帰路も「早め行動」が望ましく、16時頃には木更津金田ICを通過したいところです。しかし、せっかく訪れた房総をじっくりと楽しむならば、思い切って夜に帰宅するのも一つの作戦です。温泉や夕食を楽しみながら20~21時ころにアクアラインへ到達するイメージであれば、渋滞は峠を越していることが多いです。“行きは早めで帰りは遅く”といったスケジュールも快適走行のコツといえますよ。
渋滞ポイント2:館山自動車道・富浦IC付近
館山自動車道の終点となる富浦ICは行きも帰りも定番の渋滞ポイント。房総半島南部のドライブでは利用頻度が非常に高いインターのため、朝夕はとにかく交通が集中します。アクアラインで渋滞に巻き込まれた場合は、自動的にこの地点でも渋滞に巻き込まれがちですから要注意です。
<対策>
ここへの対策は前述のとおり、早めにアクアラインを通過することです。しかし、もしも渋滞に巻き込まれそうであれば、一つ手前の鋸南富山ICで降り、安房グリーンライン経由で南へ向かえば高速より速い場合もあり、結果的に館山バイパスの渋滞も回避できることも。このルートは帰路に使用しても、渋滞回避に有効な場合があります。
参考までに、以下が鋸南富山IC〜安房グリーンラインのルートです。半島中央を走ることで、館山市内に入ることなく南下できます。
▶鋸南富山IC〜安房グリーンラインのルート(Googleマップ)
渋滞ポイント3:館山市内国道127号線館山バイパス
富浦ICより館山市内を連絡する館山バイパスは、南房総一帯の基幹路線のため、曜日を問わず朝夕の交通集中が顕著なルートです。休日渋滞は定番ですが、平日でも油断はできません。特に通勤の時間帯は渋滞しがちなことを覚えておきたいところです。
<対策>
基幹路線ではありますが枝道や回避路の選択肢が多く、走りなれた地元の方々は、あの手この手で渋滞を回避しています。特にバイパスより東側の裏道は交通量が非常に少ない場合があります。ただし、分岐が多く、ナビでも適切なルートが表示されるとはかぎらないので、土地勘のない方にはかなり難度の高いルートです。やはり「早め行動」をとっておくのが安心でしょう。
渋滞ポイント4:鴨川市内国道128号線横渚地区周辺
外房で最も渋滞すると私が感じるエリアがここ。鴨川市内、加茂川より東側の国道128号は慢性的な渋滞路線で、鴨川シーワールドや各観光ホテルといった人気のランドマークがあるため、休日の渋滞はかなりハードです。また通勤渋滞の影響もあるので、朝夕は避けるべき路線でしょう。
<対策>
渋滞の原因の一つは加茂川がボトルネックになっていることです。ですから、128号線以外の加茂川通過ポイントを探しておくことが渋滞回避のポイントになってきます。周辺には加茂川を渡る橋が複数あるので、事前に渋滞状況を確認し、あらかじめルートを決めておくのが重要です。
不意に狭くなる道に要注意。房総半島の道路事情
房総半島はさわやかな潮風と爽快な道……といったイメージを抱きがちかと思います。もちろん間違っていません。しかし、爽快ロードは海沿いの国道で、山間部に入ると1.5車線の狭い県道が珍しくありません。基幹県道でも、不意に道路が狭くなる場合もあるので、車の運転に慣れない方は、山間部では特に要注意です。不安ならば海沿いの国道と広域農道のみでも十分にドライブを楽しめます。ここまでで紹介した絶景&観光スポットはこうした広い道を走って周遊可能ですよ。
写真は鴨川市と養老渓谷を連絡する県道81号線の清澄養老ラインです。現在は整備が進んでいますが、このような1.5車線区間もいきなり出現しますので、どうかご注意を。
外房も内房も海岸沿いはこのような整備された2車線路が大部分。場所により旧道で狭くなっている場合もありますが、国道を基本に走るかぎりは、かなり安心度は高いでしょう。
車窓から絶景を楽しむ爽快ロード×2
本稿を締めくくるのは、走って楽しい、気分上々の爽快ロードです。花と海と断崖が織りなす、房総ならではの道をお楽しみあれ!
車窓に広がる菜の花を楽しむ房総フラワーライン<内房>
館山市より洲崎・野島崎を経て南三原海岸へ至る約45kmの半島周遊ロードです。外房の海岸線に沿って太平洋を横目に潮風を感じながらのロングドライブが楽しめます。基幹県道と国道で構成されたルートのため、運転に自信がなくても、比較的安心してドライブが楽しめるでしょう。
そして、このルート一番の特徴は四季の花が車窓から楽しめることです。特にオススメなのは春。館山市伊戸から相浜までの約6kmの区間は道の両脇に菜の花が咲き乱れており、車窓は黄色に染まることでしょう。道路の左右どちらにも花景色が広がっているので、車内のどの座席からも景観が楽しめ、家族でのドライブにも最適です。
房総フラワーラインのハイライトゾーンでは、道の両側に菜の花が続きます。海岸風景こそ若干見えにくい区間もありますが、南房総屈指の爽快で走りやすい道といえます。
潮風と房総半島整備の歴史を感じる房総東往還 国道128号旧道区間<外房>
房総東往還とは房総半島の付け根に位置する千葉市を起点に、外房の海岸線に沿う旧道のこと。現在の国道128号の大部分を構成していますが、一部には旧道がひっそりと残っているのです。それが、写真の太平洋を見渡す大パノラマが楽しめる、通称「崖ルート」です。
小湊地区と大沢地区を連絡する旧道区間は、海景色とともに、房総半島整備の歴史を感じさせる、味わい深いルートなのです。この路線、旧道とはいえ現役の路線なので完全舗装されており、車でも十分走行可能です。しかし、全線1.5車線の狭路のため走行には注意が必要です。歴史浪漫と太平洋の大展望を一挙に楽しめる穴場絶景道。一度は走っておいて損はありませんよ。
路肩の随所に林立する「落石注意」の看板が周辺の地質を物語っています。“崖ルート”の通称のとおり、道路の脇は左右いずれも切り立った断崖絶壁で、それだけに海側の眺望は抜群です。しかし、この道がかつて房総髄一の基幹国道として活用されていた時期もあったと考えると、歴史の積み重ねを感じずにはいられません。
海と山のコントラストが楽しめる房総半島ドライブへぜひ!
アクアラインの存在によって、房総半島は首都圏屈指の観光地となり、道路事情もかつてと比べ大きく改善され、気軽に絶景ドライブを楽しめる地域となりました。加えて、房総半島は文化遺産も豊富で歴史ファンにとっても楽しめる地域です。
房総半島は広大なため、本稿では南部地域の魅力をご紹介するに留めましたが、「北総」と呼ばれる北部地域も素晴らしい魅力に溢れた地域です。本稿をきっかけに房総半島の魅力を感じ、週末ドライブのプラン作りに活かしていただければ幸いです! それでは、くれぐれも安全運転で絶景&美味しい房総スポットを楽しんでみてくださいね。
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編集:はてな編集部