
ごあいさつ
当財団では、平成7年以降に助成の対象となった研究成果について、平成9年から年度ごとに取りまとめ、「研究結果報告書集」として毎年刊行してまいりました。
このたび、その第29巻をお届けいたします。本書には、当財団が令和5年度に助成した研究を中心に39件が収録されております。紙面の制約上、限られたスペースのなか、各研究者には結果報告をコンパクトにまとめていただきました。また、平成19年度からは、新たに始めた海外研究助成の報告も収めておりますので、是非ともこれら研究結果をご一読、ご活用いただければ幸甚です。なお、この「研究結果報告書集」は、広く社会に開示できるように当財団webサイトでも公開し、キーワード検索機能も追加して、より一層使い勝手の良いものに改良しております。
さて、当財団は、住友海上火災保険株式会社(現三井住友海上火災保険株式会社)の創業80周年を記念して、損害保険事業と関係の深い交通事故や各種災害における被害者への援護や事故防止、さらには医療に関する研究助成を目的とし、昭和50年9月に設立されました。
設立当初は、交通事故や災害に遭われた方への援護事業を主体としておりましたが、昭和50年代後半に入り、交通安全運動の普及・啓発活動への助成、並びに病院などの施設や事業への助成に重点を移し、その後わが国の社会の高齢化に対応して、高齢者福祉の分野にもその事業を広げてまいりました。
平成5年以降、当財団の事業は研究助成が中心的な柱となり、平成7年に「特定公益増進法人」、その後平成21年12月には、内閣府公益認定等委員会の認定を受け、「公益財団法人」に移行しました。
おかげさまで、設立以来令和7年3月末までに助成した研究は1,343件、15億2,251万円に達しており、研究助成以外を含めた助成事業全体では2,376件、26億4,873万円の累計実績まで拡大しております。
最後になりましたが、これらの研究を進めていただいた研究者の皆さまには、改めて深く御礼を申し上げます。また、それらご努力が、わが国の学術の発展に大きく寄与していき、本書が少しでも社会の福祉増進に貢献できることを心より願っております。
令和7年7月
公益財団法人三井住友海上福祉財団
理事長柄澤康喜