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牡蠣
季節のそなえ

2018.11.20

牡蠣にあたったら?冬場の食中毒、ノロウイルスのリスクと対策

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2018.11.20

牡蠣にあたったら?冬場の食中毒、ノロウイルスのリスクと対策

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牡蠣にあたる原因やどういった症状が出るのかについて紹介します。また、牡蠣にあたらないよう安全に食べるにはどうしたらよいのかについても解説します。

どのくらいの確率で牡蠣にあたるの?

牡蠣にあたった経験があるかどうかをアンケートで調査しました。

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アンケート調査概要
アンケート日時:2021年12月
有効回答者数:300人(男150名,女150名、成人以上)
調査:インターネットリサーチ会社経由
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牡蠣にあたった経験アンケート

結果として、今までの人生で牡蠣にあたったことがある人は76.3%という結果となりました。
アンケートで、牡蠣にあたった経験を持つ方に、エピソードを教えてもらいました。

牡蠣にあたる女性

20代女性

牡蠣にあたる女性

20代女性

社会人になって、お洒落な飲み屋さんを開拓していた頃、
オイスターバーに当時付き合っていた彼と食事に行きました。
豊富な種類の生牡蠣をいくつも食べて、美味しい?!と満足しながらその日は近くのホテルに宿泊。
朝方、何だか気分が悪くなり、お手洗いに直行、お昼過ぎまで吐き続けました。。。
それまで、病気も含め、吐いたことがほとんどなかったため、こんなに辛いのか…と衝撃を受けました。
そこから生牡蠣はトラウマになり、ほとんど食べていません。

牡蠣にあたる男性

30代男性

牡蠣にあたる男性

30代男性

祖母の家に帰省して食べたとき、生牡蠣をたくさん出してもらい大量に頂きました。とても美味しかったのですが数時間後から凄まじい吐き気がきて何時間かトイレにこもりました。

牡蠣にあたった時の症状

牡蠣にあたる,ノロウイルス,腹痛

牡蠣にあたった際に起こる症状の概要と、症状が現れるまでの潜伏期間を4つの原因ごとにご紹介します。あたりやすい時期や原因の詳細などは、後の段落でまとめています。

①ノロウイルスによる症状

高熱(38度前後)や腹痛、激しい嘔吐や下痢、胃もたれや悪寒などの症状が現れます。幼児や身体の抵抗力が落ちている人だと、重症化するケースもあります。症状は一般に1~2日ほど継続します。

・潜伏期間
多くの場合食後、1日~2日で症状が現れます。遅ければ牡蠣を食べてから2日後あたりに症状が現れることもあります。

②貝毒による症状

症状には麻痺性と下痢性の2つがあります。麻痺性の症状は、唇や顔面、手足のしびれや頭痛、めまいなどです。下痢性の場合に見られる症状は、下痢や吐き気、嘔吐などです。症状は一般に3日ほど継続します。

・潜伏期間
麻痺性の場合、食後30分ほどで唇や顔面にしびれの症状が出始めます。重症だと、思うように身体が動かなくなるケースもあり、なかには12時間以内に呼吸困難に陥るほど重症化することもあります。
下痢性の場合、食後30分~4時間以内に症状が現れます。

③腸炎ビブリオによる症状

激しい下痢(1日に数回~数十回)や腹痛が症状として現れ、血便になることもあります。そのような症状に加えて、吐き気や嘔吐、発熱が現れるケースもあります。症状は6時間~24時間ほどで落ち着きます。
ただし、腸炎ビブリオをきっかけで高齢者が低血圧や心電図異常で亡くなったケースが過去にあります。症状が落ち着いていても、念のため医療機関で受診しましょう。

・潜伏期間
食後12時間ほどで症状が現れ、早ければ症状が現れるまで食後2時間~3時間ほどです。

④アレルギーによる症状

アレルギーによって症状が現れる場合、腹痛や下痢だけではなく、身体に蕁麻疹のような発疹が出ることが特徴として挙げられます。アレルギーが重い場合に気をつけたいことが、アナフィラキシーショックです。アナフィラキシーショックが起こると、意識障害や呼吸困難に陥るなど、命に係わる症状が出るケースもあります。アレルギーは牡蠣を食べる度に何らかの症状が現れるため、少しでも心配なことがあれば医療機関での受診をおすすめします。

・潜伏期間
食後1時間~2時間ほどで現れます。

牡蠣にあたる原因

原因①ノロウイルス

ノロウイルスは、食中毒を引き起こすウイルスです。ノロウイルスは牡蠣自体が保有しているわけではありません。下水処理の際に処理しきれなかったノロウイルスが川や海に流れ出て、牡蠣の体内にとどまります。
ノロウイルスのピークは1月~2月です。また、牡蠣も同じ時期に旬を迎えるため、牡蠣が原因でノロウイルスを発症する人が多くなっています。また、ノロウイルスの場合、アルコール消毒が効きづらく、次亜塩素酸による消毒が必要です。

参考:厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A

原因②貝毒

貝毒は牡蠣が作り出しているわけではなく、海水中に生息している有毒なプランクトンを牡蠣が食べることで体内に毒素がたまります。
そして、毒素(貝毒)が含まれた牡蠣を食べることで、牡蠣にあたるという状況が発生します。
貝毒で牡蠣にあたりやすい時期はプランクトンの出現時期によってさまざまですが、多くは春から夏にかけてです。
宮城県の公式サイトによると、麻痺性の貝毒が2~4月に、そして下痢性の貝毒が6~8月にピークを迎えると公表しています。その主な要因は、海水温の上昇によるプランクトンの活性化が影響しているとされています。

原因③腸炎ビブリオ

腸炎ビブリオは魚介類を食べて直接起こる一次汚染や、調理器具を介した二次汚染によって感染します。牡蠣による感染の場合、食べた牡蠣に腸炎ビブリオが付着していたことで感染します。腸炎ビブリオが発生する時期は5月~6月から始まり、ピークは7月~9月です。しかし、直接の原因は加熱処理が足りないことであるため、冬場であっても発生するケースがあります。

原因④アレルギー

牡蠣の食あたりは一度起これば再発はほとんどありませんが、牡蠣で毎回のように症状が出る場合、牡蠣アレルギーが関係しています。牡蠣そのものだけでなく、牡蠣の成分が含まれている食品でも症状の現れることが特徴です。また、アレルギーの場合は体質の問題であるため時期は関係ありません。

牡蠣にあたらないようにする対策

手洗い,牡蠣にあたらない対策

牡蠣は旬の時期になると特に美味しいため、多くの人が食べたいと思う食材です。美味しく牡蠣を食べるために対策を紹介します。

生食用は避ける

牡蠣には生食用と加熱用が分けられて販売されています。仕組みとして、定期的に行われる水質検査で細菌数の基準を満たした海域で捕獲された牡蠣が生食用とされています。この海域以外で捕獲された牡蠣は加熱用として販売されています。しかし、前述の通りノロウイルスの基準は明確に定められておらず、生食用牡蠣でもノロウイルスは一定数含まれていることがあります。加熱用の牡蠣を生で食べることはもちろんだめですが、ノロウイルスの感染を避けたい方は生食をできるだけ控えましょう。

できるだけ加熱して食べる

ウイルスが付着した牡蠣であっても、中心部分を85℃~90℃で1分30秒以上加熱することで、ウイルスによる感染がなくなると言われています。カキフライや牡蠣鍋のように、きちんと加熱調理されている状態であれば感染する可能性が低くなります。

牡蠣以外の食材の取り扱いにも気をつける

牡蠣と一緒にほかの食材を調理する場合、包丁やまな板は使い分けましょう。生野菜など加熱しないものは、牡蠣よりも先に切っておくと安心です。もし、ほかの食材が牡蠣に触れてしまった場合、そのまま食べずにきちんと洗う必要があります。牡蠣を調理する際に使用した調理器具は、洗ったあとに熱湯をかけておくことで消毒できます。

手をきちんと洗う

牡蠣に限らず、手洗いは衛生面で非常に重要です。砂抜きの際や中身を取り出す際などの牡蠣を下処理した手で、ほかの食材に触れないようにしましょう。手にウイルスが付着している可能性があるため、牡蠣を触ったあとは必ず手を洗ってからほかの食材を扱ってください。可能であれば、調理に使用可能な手袋を着用して調理すると感染防止につながります。

冬場の健康リスクは他にもあります。ヒートショックについて「ヒートショックとは?症状や対策、お風呂等での注意点について解説」で、カイロや湯たんぽで気をつけたい低温やけどについては「低温やけどの見た目はなんともないけど大丈夫?対処や予防法を解説」で解説しています。

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