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日頃のそなえ

2022.02.03

【車両火災に注意】火元がないのに起きる原因は?

日頃のそなえ

2022.02.03

【車両火災に注意】火元がないのに起きる原因は?

車内にペットボトルを置いていただけなのに火が出てしまった!というケースもある車両火災。車のメンテナンス不足はもちろん、実は車中仮眠での誤った操作なども火災の原因になるのです。今回は、知っておきたい車両火災の事例や、日ごろからできる対策などについてご紹介します。


車両火災はなぜ、どれくらい起きている?

車両火災は意外と多く起きている



消防庁の資料によると、令和2年に起きた火災件数のうち、建物火災に次いで多いのが車両火災となっています(「その他火災」を除く)。「火災の10件に1件は車両火災」と聞けば、その多さが実感できるでしょうか。

車両故障による火災が多いが、それ以外も油断禁物

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総務省消防庁「令和2年版 消防白書」より作成


続いて、車両火災の原因も見てみましょう。「令和2年版 消防白書」によると、令和元年中に起きた車両火災の主な出火原因は、判明しているものの中だと排気管や交通機関内配線(スパークプラグなど)の車両故障を原因とするものが上位を占めています。実は車両故障による出火の方が、放火やたばこを原因とする出火よりも多いのです。

ペットボトル放置や車中仮眠も車両火災の原因に?

ペットボトルやフロントガラスの吸盤が日光を集めて発火

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ここからは、車両故障よりも火災件数としては少ないものの、注意したい例を見ていきましょう。ペットボトルや、フロントガラスに貼った透明な吸盤などは、意図せず凸レンズのように日光を集めてしまい、光が集まった部分の温度が上がって発火につながることがあります。

モバイルバッテリーでスマートフォンを充電中に発火
モバイルバッテリーは、内部が破損してショートする、直射日光が当たって高温になるなどすると、火の気のないところでも発火することがあります。公共交通機関の車内で乗客のモバイルバッテリーが発火したり、清掃車の車内でモバイルバッテリーが発火したりした事例に加えて、乗用車の助手席に置いてスマートフォンを充電していたモバイルバッテリーが発火し、車が全焼する事故も起きています。

ライターなどのオイルやスプレー缶が高温になって破裂・発火
強い日差しなどで高温になった車内に、ライターなどのオイルが入った容器やスプレー缶といった引火性の高いものが放置されているのも危険です。車内の温度が高いことで容器や缶の内部の温度も上がり、破裂・発火してしまうことがあるのです。

エンジンをかけて仮眠中、無意識に踏み込んで発火
駐車場などでエンジンをかけたまま仮眠するのも車両火災につながることがあります。足元のエンジンペダルを誤って無意識に踏み込んでしまい、エンジンの空ぶかしが続いて発火してしまうのです。

浸水してしまった車のエンジンをかけようとして発火
水害などで浸水してしまった車は、そのままエンジンをかけると電気系統のショートで発火することがあります。また、海水が浸水した場合は、塩分によって自然発火することもあります。

以下の記事も参考にしてみてください。
【大雨でも走れる?】車が浸水してしまったら

車両火災予防のために心がけておきたいポイント

定期的な車両点検を欠かさない
排気管での引火やバッテリーのショートといった車両故障による火災を防ぐには、まず定期的な車両点検を欠かさずに受けることが大切です。もし危険な箇所が見つかっても、あらかじめ手を打つことができます。

以下の記事も参考にしてみてください。
【しないとどうなる?】自動車の法定点検(定期点検)

電源を必要とする機器は接続状態を確認

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カーナビゲーションシステムやドライブレコーダーなど、車両購入後に取り付けた電気機器がある場合は、それらが正しく接続されているか、ケーブルを覆うビニールが破損して銅線が見えていないかなど、ショートの心配がないかも確認しましょう。

発火につながるものは車内に持ち込まない、放置しない
ライターオイルやスプレー缶など発火しやすいと考えられるものは、できるだけ車内に持ち込まないように心がけましょう。ペットボトルなどは持ち込まざるを得ないかもしれませんが、降車する際は必ず持ち出し、車内に放置しないようにします。

燃えやすいものの取り扱いにも注意する

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エンジンルームの中に雑巾代わりのタオルを置き忘れたり、枯草が多い場所でエンジンをかけっぱなしにして停車したりといったことから、車両故障などで発火した火が燃え広がって被害が広がるケースもあります。車の周りに燃えやすいものがないかにも注意が必要です。

もし、車両火災が起こってしまったら?

まず後続車などへの周知と乗員の安全確保・通報を
どんなに車両火災防止に努めていても、思いがけない原因で火が出てしまうことは考えられます。もしもの時、まず走行中であればハザードランプを点滅させて後続車へ異常を知らせ、路肩側へ停止しましょう。車を離れるなどして運転手や同乗者の安全が確保できたら、119番へ通報します。

できれば初期消火も、ただし安全な避難を優先して
火の勢いが小さいなど、安全面で問題がない場合は初期消火も行いましょう。消火器を搭載していればそれを使うのが望ましいですが、燃えにくい素材の上着で火を覆ったり、飲料水をかけたりするだけでも火の勢いを弱められることがあります。ただし、あくまで安全に避難することを優先とし、初期消火は問題なく行えるときだけにとどめます。

建物の中では暖房や調理器具などの火の気に注意していても、車ではそれほど気にしていなかったという方もいるかもしれません。しかし、実際は車も火災が起こりやすい場所のひとつ。車両点検や設備、持ち物の扱いなどに十分注意して、安心安全なドライブを心がけましょう。


参考:
消防庁「令和3年12月消防の動き 608号 【レポート】令和2年(1~12月)における火災の状況(確定値)
消防庁「令和2年版 消防白書
JAF「もし運転中に車両火災が発生したら?

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