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日頃のそなえ

2018.10.25

【人が消える!?】夜のドライブで気を付けたい「蒸発現象」

日頃のそなえ

2018.10.25

【人が消える!?】夜のドライブで気を付けたい「蒸発現象」

夜間や雨天時に車で走行していると、横断する歩行者や自転車の姿が突然ドライバーや同乗者から見えなくなってしまう、いわゆる「蒸発現象(グレア現象)」が発生することがあります。今回は、群馬県警察本部のご協力を得て、この蒸発現象について詳しく解説するとともに、夜間の運転時に気を付けたいポイントをご紹介します。


蒸発現象はどのようにして発生するのか

走行車と対向車のヘッドライト(前照灯)が交錯することで起こる
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(画像提供:群馬県警察本部)

群馬県警察本部に伺ったところによると、蒸発現象(グレア現象)とは「夜間、対向車とすれ違う際に、自車と対向車の前照灯の光が交錯する部分にいる歩行者などが、ドライバーから見えなくなり、あたかも”蒸発したかのように歩行者などの姿が突然見えなくなる”現象」のことなのです。
これは、前照灯の光が強まることでドライバーの目がまぶしさを感じ、光が当たっている部分にあるものが見えにくくなることが原因なのだそうです。

明るい色や反射材を着けても視界から“消えて”しまうことも
もちろん、蒸発現象は対向車とすれ違う時に必ず起こるわけではなく「歩行者に対して30~50メートル離れた位置から前照灯を下向きで照射すると、対向車の前照灯と交差する中心付近(道路中央付近)で蒸発現象が発生し、その場所に歩行者などがいた場合にその歩行者は見えなくなる」そうです。

ちなみに、夜間の歩行者や自転車は、明るい色の服装や反射材を身につけているとドライバーから見えやすいと言われますが、蒸発現象が発生すると、服装が明るい色(白や黄色)であったり、反射材を着けたりしている場合でも、見えなくなることがあるといいます。

雨の日は特に注意!路面に光が乱反射して見えなくなりやすい
雨が降ると、路面の条件も変わります。雨が降っていない時に撮影された上の画像では、歩行者の上半身だけに蒸発現象が起こっています。しかし、雨天の際には路面にも光が乱反射し、同じ条件でも歩行者の全身に蒸発現象が起こってより見えにくくなります。水はけの良くない道路では、特に注意が必要です。

蒸発現象による交通事故を防ぐには

ドライバー側では蒸発現象を防ぐことはできません。「起こるもの」として対策を
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群馬県警察本部によれば、歩行者は“夜間、上下線双方から車が近づいている時の車道や、ライトを点けて止まっている車の前は横断しない”こと、“自分はドライバーから見えていないかもと意識する”ことで、蒸発現象による事故の回避、ひいては身の安全を守ることができます。

しかし、ドライバー側からは「蒸発現象そのものをなくすことは難しいので、それを念頭においた防止策が重要」なのだそうです。具体的には、次のような防止策が挙げられています。

・夜間の運転は、道路状況を認知することが十分にできない(見えていない・見間違い・錯覚が起こる)ことを認識する。

・時間・天候・道路形状等、運転時の交通状況に応じた安全な速度で運転する。

・「蒸発現象により見えなくなっている歩行者等がいるかもしれない」と危険を予測し、それを回避することができる、余裕を持った運転を心がける。

ヘッドライトは「走行時はハイビーム、すれ違う時はロービーム」
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蒸発現象においては重要なポイントでもあるヘッドライト。運転に慣れていないと、2種類の前照灯(ハイビーム/ロービーム)の使い分けは迷いがちなものです。これについて群馬県警察本部は「ハイビームでの走行が基本です。しかし、対向車がある場合はハイビームの光で対向車の運転手を幻惑させてしまうので、すれ違う際にはロービームにしてください」とアドバイスしています。

ちなみにハイビームは“走行用前照灯”、ロービームは“すれ違い用前照灯”とも呼ばれます。ロービームは明るい道を走るためのものかと思いきや、そもそも対向車とすれ違う時に使うものだったのですね。交通量の多い都市部などでの運転が多い方は、ハイビームを使用する機会が非常に少ないかもしれません。

夜間、長距離にわたってハイビームで走るような交通量や建物が少ない道路では、つい歩行者もいないだろうと思って走ってしまいがちです。対向車に気をつけるのはもちろんのことですが、歩行者がいる可能性も常に意識するようにして、安全運転を心がけましょう。

協力:
群馬県警察本部

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