現在地
ホーム>知る・楽しむ>ソナエル・ラボ
物損事故

2022.07.28

物損事故とは?人身事故との違いや賠償項目、事故後の流れなどを解説

物損事故

2022.07.28

物損事故とは?人身事故との違いや賠償項目、事故後の流れなどを解説

物損事故とは、死傷者のいない交通事故のこと。事故を起こしてしまったときや、巻き込まれてしまったとき、警察が事故内容によって「物損事故」か「人身事故」かを判定しています。両者では慰謝料や加害者の責任などが変わるため、当事者には非常に重要な点です。
ここでは、物損事故と人身事故の違いをはじめ、物損事故の加害者・被害者になってしまったときに行うべきこと、賠償金などについて解説します。

死傷者のいない交通事故である物損事故

物損事故とは、死傷者のいない交通事故のことです。対になる言葉は人身事故で、こちらは交通事故のうち死傷者がいる事故を指します。
交通事故には、1人で電柱にぶつかるような自損事故もありますが、事故の相手がいる場合は過失割合が低いほうが被害者、高いほうが加害者となります。どちらかが100%悪いケースはまれで、双方に過失がある場合がほとんどです。

交通事故は警察によって、死傷者がいなければ物損事故、死傷者がいれば人身事故として処理されます。ただ、かすり傷程度の軽症などでは、被害者の意向も踏まえて、人身事故ではなく物損事故扱いとなることもあります。いずれにしても、物損事故と人身事故のどちらとして処理するかは、あくまでも警察が判断するものです。
なお、物損事故は交通事故の一種ですが、警察庁が発表する交通事故統計には現在は含まれていません。

物損事故と人身事故の違いは?

物損事故と人身事故では、加害者の責任や警察が事故についてまとめる書類に違いがあります。具体的な違いを確認しておきましょう。

加害者が問われる責任の違い

物損事故の場合、加害者が問われるのは民事責任(被害者への損害賠償)のみ。飲酒運転や無免許運転など一部の例外を除けば、刑事責任を問われたり、免許停止などの行政処分を受けたりすることはありません。
一方、人身事故の場合に加害者に生じる責任は、刑事責任(懲役刑、罰金刑など)、行政責任(免許停止、免許取消など)、民事責任の3つです。

警察によってまとめられる事故の書類の違い

物損事故の場合は、警察による実況見分は行われず、簡易な記録として物件事故報告書の作成のみで終わることがほとんどです。
一方、人身事故の場合は警察が事故現場で実況見分を行い、捜査資料として実況見分の内容をまとめた実況見分調書を作成します。
なお、物件事故報告書や実況見分調書は、加害者・被害者の過失割合を決める上で証拠のひとつにもなります。

■物件事故報告書のイメージ(1枚目)

物件事故報告書のイメージ(1枚目)

■物件事故報告書のイメージ(2枚目)

物件事故報告書のイメージ(2枚目)

■物件事故報告書のイメージ(3枚目)

物件事故報告書のイメージ(3枚目)

■実況見分調書のイメージ(表)

実況見分調書のイメージ(表)

■実況見分調書のイメージ(裏)

実況見分調書のイメージ(裏)

賠償内容の違い

人身事故の場合、被害者は加害者に慰謝料を請求できますが、物損事故の場合は原則としてできません。
慰謝料とは精神的な損害に対する賠償金であり、被害を受けたのが物なら、財産的損害が賠償されることで、精神的な損害も癒やされると考えられているためです。

物損事故として処理された場合に生じる被害者側のデメリット

物損事故

人身事故であっても、加害者への同情などから被害者が物損事故としての処理を希望すると、警察によって物損事故として処理されることがあります。ただし、人身事故を物損事故扱いにすると、被害者側にはデメリットが生じるので注意が必要です。

具体的には、物損事故では実況見分調書ではなく、より簡単な書類である物件事故報告書しか作られないので、事故当時の状況を証明するのが困難になります。このため、過失割合を決める際にもめると、被害者が不利になる場合があります。
また、慰謝料請求ができない分、受け取る賠償金が少なくなる可能性も否定できません。

物損事故が起きた場合の対応手順

物損事故の加害者・被害者になった場合、どのような対応が必要なのでしょうか。具体的な手順を知っておきましょう。

1. 安全の確保

道路上などでの事故の場合は、二次被害が起こらないように、発煙筒や三角表示板を使って周囲に知らせ、安全確保を行います。車を動かせる場合は、事故車両を安全な場所まで移動させます。

2. 警察に連絡

安全の確保が終わったら、警察に連絡します。警察への報告は事故当時者双方に課せられた義務なので、加害者・被害者どちらの場合でも連絡しなければいけません。連絡を怠ると、道路交通法違反で3ヵ月以下の懲役または50,000円以下の罰金が科される可能性があるほか、交通事故証明書を受け取れないおそれもあります。

3. 現場の状況証拠の収集

警察が到着するまでのあいだに、自身が被害者なら加害者の氏名、住所、連絡先、勤務先の連絡先を確認しておきましょう。さらに、事故の状況を記録に残すため、現場の道路状況や事故が起こった位置、ガラス等の破片の散乱状況、車両の損壊、スリップ痕など、現場の写真はできるだけスマートフォンでたくさん撮っておくのがおすすめです。ドライブレコーダーを搭載しているなら、映像を保存しておきます。

4. 保険会社に連絡

加入している自動車保険の保険会社に連絡します。物損事故の場合、使えるのは対物賠償保険や車両保険になります。
ただ、事故の当事者のどちらか一方に100%過失がある事故はまれですから、たとえ事故の被害者であっても、加害者に発生した損害のうち、被害者の過失割合分は賠償する責任があります。例えば、過失割合が30:70で、お互いの車の合計損害金額が250,000円だった場合、加害者が被害者に対して支払う額は、双方の賠償額を相殺して、差額の100,000円になるわけです。

5. 事故に関する資料の収集

保険会社が相手側と賠償金について協議するには、過失割合を判定する資料や損害額を明確にする資料が必要なので、事故に関する資料を集めなくてはなりません。
資料とは、例えばドライブレコーダーの記録や車両の修理見積書、交通事故証明書、現場で撮った写真などです。保険会社が手配してくれるものもありますが、ドライブレコーダーの記録や写真は、自分で提出する必要があります。
なお、三井住友海上の「見守るクルマの保険」をご契約いただくと、一定以上の衝撃を検知した場合にドライブレコーダーの映像が自動で当社へ送信されるため、契約者の手間を軽減できます。

6. 示談交渉

資料をもとに示談交渉が行われます。損害賠償金額と過失割合について合意ができたら、示談は成立。当事者双方が示談書に署名捺印し、加害者から賠償金が支払われて、事故の後始末は終了となります。

■物損事故発生時の対応手順

物損事故発生時の対応手順

物損事故における賠償金の項目

物損事故において、被害者から加害者に請求できる賠償金の内訳は、以下のとおりです。

買替え代金

車両の損壊が激しく修理不能だった場合は、車両の買替え代金も賠償の対象です。ただし、事故車両の時価相当額が上限になります。

修理代

修理代は、車両の修理にかかった費用です。交換部品代はもちろん工賃なども含まれますが、事故に無関係な損傷の修理や、事故前以上のグレードの部品への交換は対象外となります。被害者から加害者に請求できる修理費の上限は、事故当時の車両の時価相当額までです。

なお、物損事故で車が損傷して修理したいと思った場合、必ずしも修理費用の全額が補償されるとは限りません。
車が修理できない状態になることを「全損」といい、事故当時の時価額を上回る修理費用がかかり、現実的に修理をするより買い替えたほうが良いとされる場合は「経済的全損」、車両に致命的な損傷を受けて修理不能となった場合は「物理的全損」といいます。いずれにせよ、車の時価額までしか、相手に負担してもらうことができません。なぜなら、修理をしなくても(できなくても)時価額が補償されれば、同等のスペックの車を再取得できると考えられているからです。そのため、愛着のある車がまだ修理できる状態だったとしても、経済的全損の場合は修理をあきらめなくてはならない可能性もあります。三井住友海上では、こうした場合も車両超過修理費用特約をオプションでつけていると、プラス30万円まで追加の補償を受けることができます。

評価損

評価損とは、修理によって、車の市場価格が下落してしまった分の差額のことです。修理代の3割程度とするのが一般的ですが、車種や走行距離によっては、それ以上の評価損が認められることもあります。

代車費用

代車費用は、車両の修理や買替えまでのあいだに、代車を手配した場合にかかった費用です。レンタカーを借りた場合も含まれます。

休車損害

休車損害とは、営業車両が事故によって損壊し、使用できなかったことで生じた利益の損失分です。

積荷損

積荷損とは、事故のため、積載していた荷物が破損した場合の損失分です。

登録手続関係費

登録手続関係費とは、車両買替えの際に必要となる消費税、自動車取得税、移転登録費用、車庫証明費用、廃車費用などです。

レッカー代

レッカー代は、事故車両のレッカー移動が必要だった場合にかかった費用です。

物損事故でありがちなトラブル

物損事故

物損事故で起こりがちなトラブルとしては、次の2つが挙げられます。

当て逃げ

駐車場に停めていて戻ってきたら車がへこんでいたなど、加害者がわからない場合は、加害者に対して損害賠償請求ができず、結局は被害者自身の車両保険を使うか、自費で直すしかありません。
ただし、このような当て逃げにあってしまった場合は、できる限り早く警察に通報し、事故証明書を発行してもらいましょう(被害の大きさにかかわらず、警察への報告義務があります)。ドライブレコーダーの映像などがあれば、加害者の発見に役立つ場合もあります。

当て逃げについて詳しくは以下のページをご覧ください。
当て逃げの法的定義から被害を受けたときの対処法までを解説

示談難航

示談交渉では、事故の状況を示す資料をもとに双方の過失割合を決め、損害賠償金額を話し合います。しかし、双方の主張が対立して示談が難航し、合意に至らないケースもあります。
交渉での解決が見込めそうにない場合は、交通事故紛争処理センターや日弁連交通事故相談センターといった機関を通して裁判外紛争解決手続(ADR)を進める、もしくは裁判を通して解決を図るといった道があります。

物損事故から人身事故に変更はできる?

実際はケガをしていたのに加害者に同情して物損事故扱いを希望した場合や、事故当時は何ともなかったのに後から痛みが出てきて病院での治療が必要になった場合などは、物損事故として処理されていても、警察に申告して認められれば人身事故への切り替えが可能です。具体的な手続きの方法は、以下のようになります。

1. 病院で診断書を書いてもらう

物損事故から人身事故への切り替えには、事故で負傷していることを証明しなくてはなりません。できるだけ早めに病院へ行き、事故日と初診日を記載した診断書を書いてもらいましょう。

2. 事故処理を担当する警察の交通課へ届け出る

診断書を担当の警察の交通課へ届け出て、人身事故への切り替えを申請します。

3. 人身事故に切り替わり、刑事事件として捜査がスタートする

人身事故に切り替わると、刑事事件としての捜査が開始され、実況見分や当事者に対する取り調べなどが行われます。実況見分調書も作成されます。
なお、人身事故への切り替えが認められなくても、事故で負傷した事実があるなら、被害者が加害者に損害賠償請求をすることは可能です。

■物損事故から人身事故への切り替えの流れ

物損事故から人身事故への切り替えの流れ

対物事故への備えとして対物賠償・車両保険付き自動車保険に加入しよう

物損事故は、強制保険である自賠責保険の補償の対象外。物損事故では相手の車が全損して多額の賠償金の支払いが必要になったり、当て逃げされて自分で修理代を負担せざるをえなかったりすることもあるため、対物賠償・車両保険を完備した自動車保険に入っておくと安心です。

三井住友海上の自動車保険では、対物賠償や車両保険、ロードサービス費用特約を基本的な補償として備えたプランをご用意しています。加えて、事故時の状況を証明するのに役立つドライブレコーダーがついたプランや、オプションでレンタカー費用特約もありますので、ぜひご検討ください。

皆さまの安心・安全をご支援する自動車保険(任意保険)

詳しく見てみる

お気軽にお問い合わせください

ページの先頭へ