2017年度の活動

1.パリヤン野生動物保護林の保全

  • (1)2011年度に立ち上げた本保護林を地元関係者で管理していくフォーラム等の関係者との議論の場に参加、本プロジェクトの目的を共有するとともに事業の方向性について意見交換を行いました。また、関係者による合同パトロールに参加し、保護林内の不法耕作や植生回復に係る情報収集に貢献しました。
  • フォーラムで挨拶するジャカルタ天然資源保護事務所長
  • ジャカルタ天然資源保護事務所との合同パトロール
  • (2)新規植林については、植生回復が進んでいない区域の中から、ジャカルタ天然資源保護事務所と協議し、21haを植林サイトに選定しました。2017年度はそのうち11haに対して7,250本の植林を10月から12月にかけて実施しました。植林エリアの耕作者に対しては、森林回復の取り組みに関する普及啓発を事前に行い、耕作地およびその周辺の植林につき賛同を得て、耕作者の協力の下で植林を実施しました。
  • 苗畑にて植林用の苗木(自生種)を管理
  • 植林予定地にて苗木を植樹

2.住民協働型植林

本プロジェクトでは、住民による植林活動(住民協働型植林)を支援するため、以下の通り苗木配布や植林技術指導を実施しています。

(1)住民に対する普及啓発

地域住民に対し、住民協働型植林への理解・参加促進を目的とした普及啓発を通年で実施しています。生計向上や木材市場価格に関する情報提供とともに、保護林内では住民協働型植林の活動が禁じられていることなどの規則についても説明しています。

耕作を継続する農民グループに対する普及・啓発

(2)苗木生産

住民協働型植林に使用する主な苗木は、昨年度同様に参加住民の需要を考慮した3樹種(ファルカタ、アカシア、グメリナ)とし、中部ジャワ州クンダル県ボジャにある苗畑で生産しました。

  • ファルカタ
  • アカシア
  • グメリナ

(3)苗木配布

12月から3月にかけて、5つの村に計43,700本の苗木を配布しました。苗木配布時には苗木をポットトレイで各村に運び、住民又は団体が各自で苗木を取りに来る方法を採用しました。参加住民は名前、苗木の種類と数量、私有地の面積、所在地を登録して苗木を受け取ることにしました。

苗木を受け取る住民

(4)モニタリング

配布後に各サイトを訪問し植林状況を確認しています。昨年度に配布・植林された苗木については、一部の水分状況が悪い土地に成長不良がみられたものの、その他の個所では成長は概ね良好でした。

住民の植林をモニタリング(樹高・幹径の計測)

住民協働型植林を開始した理由

  • 早生樹の存在
    パリヤンの周辺地域においてはファルカタ等の産業用早生樹への関心が高まり、既に自主的に植林を開始している住民もいます。ファカルタ、アカシア等の早生樹は通常7年ほどで伐採でき、小規模な農地等おいて農作物とあわせて育林することで、住民はより安定した収入を得ることが可能となります。
  • 伐採後の販路の存在
    伐採後はジョグジャカルタやマゲラン等の近隣郡市の工場に販売し、得られた収益により再植林を行うことが可能となります。
  • 住民の保護林への依存の抑制
    住民協働型植林を支援することにより、住民の生計向上および地域の持続的な発展に貢献し、パリヤン野生動物保護林への依存度を減らすことが期待されます。

3.農業協同組合の自立化推進

  • (1)第Ⅲ期プロジェクトでは、第Ⅲ期に設立した農業協同組合の自立支援のため、組合活動のモニタリングを実施しています。毎月上旬に月例会を開催し実演農場での農作物栽培、貯蓄貸付活動による資金運用を継続するとともに、ジャカルタ天然資源保護事務所や県の農業普及員などから、組合の運営や外部資金のアクセスに関する指導を受けています。
  • (2)現在、実験農場は、以下3.の住民協働型植林のパイロット地として産業用樹種を植林していますが、組合による農業利用の継続を認め、植林木の管理も合わせ委託しています。
  • 組合の月例会の様子
  • 実演農場での畑作業

4.環境教育の実施

  • (1)2010年度までは不法伐採を防ぐため、小学生に対して森林の大切さを教えてきました。2011年度、より多くの小学生に波及させるため、対象を地元小学校の先生に変更しました。参加した先生は、関連する教科に組み入れて環境教育を行うなどの工夫をしています。
  • (2)参加した学校の校長先生からは、持続的に環境教育を実施するためには、卒業してしまう生徒より先生を対象とする方が効果的であり、年々進化させることも可能であるとの評価を得ています。
  • 小学校の先生への環境教育
  • 環境教育に参加した先生の集合写真

5.パリヤン野生動物保護林の多面的活用

年間を通じて政府機関、大学、地元の小学校等の来訪者を受け入れ、本事業の概要説明等を行っています。

  • Bakti Rimba Bogor 林業高校生徒の受入
  • NGO「ARUPAジョグジャカルタ」の訪問

6.当社のインドネシア現地法人による寄付活動

  • (1)インドネシア現地法人では本プロジェクト地周辺の小学校に、学習用具・中古パソコン等の寄付を行っています。
  • (2)2015年11月から開催した社員向けツアーでは、インドネシア現地法人が継続的に支援している地元の小学校を訪問し、小学生との交流(楽器演奏による歓迎、持参した竹とんぼ、あやとりを使った触れ合い、エコバッグ・ドラえもんノートのプレゼント)を行いました。
  • 寄付先の小学校での記念撮影
    (前列中央がインドネシア現法取締役)
  • 小学生や先生との笑顔での記念撮影

7.現地視察ツアーの実施(2017年11月22日(水)~26日(日))

  • (1)2014年度に開始した現地視察ツアーは、今回で4回目となりました。今回のツアーは、当社グループ社員・家族24名が参加しました。また、MS&ADホールディングス鈴木会長、藤井副社長、松永社外取締役、アジア持株・田中会長がこのツアーに合わせ現地を訪問しました。
  • (2)記念植樹や植林地のトレッキングにより森林が再生している実態を肌で感じ、また、農業技術指導に参加した農民等や訪問した小学校での子どもたちとの交流を通じ、本プロジェクトが植林による森林の再生だけでなく、持続可能な地域社会の形成に大きく貢献していることを参加者全員で体感しました。
  • 植林地の展望台にて
  • 農民との交流会
  • 小学生との交流会
  • インドネシア語に翻訳した絵本贈呈

現在のパリヤン野生動物保護林の再生状況

  • 2005年1月撮影
  • 2018年1月撮影