パリヤン野生動物保護林再生プロジェクト:
現地視察ツアー報告(2016年11月19日~5日間)

三井住友海上は、地元住民の不法伐採で消滅したインドネシアジャワ島ジョグジャカルタ特別州パリヤン野生動物保護林の再生プロジェクトを通じて、森林と住民の共存と地域の貧困解消という課題に取り組んでいます。
2014年度に開始した現地視察ツアーは、今回で3回目となりました。

今回のツアーは、当社グループ社員・家族15名参加のもと実施しました。

(1)本プロジェクトの説明と地元農民との交流会の様子

  • 当社の植林プロジェクトの説明会と農業技術指導に参加している地元農民との交流を行いました。本植林プロジェクトの長年にわたる取組を理解するとともに、地元農民の日ごろの活動、生活を垣間見ることができ、貴重な異文化交流体験ができました。

トウガラシの作付け等の体験

  • 2016年11月の作付けの様子
  • 2017年2月の様子
  • 実をつけたトウガラシ
  • 農民の生活を向上させているトウガラシの作付けを体験。実際に作付けしたトウガラシは2017年2月には実をつけました。

(2)熱帯林トレッキング、記念植樹、植樹体験

  • 熱帯林トレッキング
  • 熱帯林内の鍾乳洞
  • 参加者の記念植樹
  • 熱帯林トレッキングを行い、2005年頃には不法伐採等で跡形もなく荒廃していた森林再生の成果を体感しました。30万本の樹木が定着した今では 「これこそ森林修復の見本!」と言われるまでになり、インドネシアのトップ官僚、議員、大学教授や、海外企業・団体などからの多くのVIPや専門家が当地を視察に訪れています。
  • ツアー参加者全員が、自分の名前が書かれたプレート付きの記念植樹を行いました。30mほどにまで大きく成長する樹種もあり、これから南の島の熱帯林で自分の名前のついた木が大きく育っていくことを思うと、その成長が本当に楽しみです。

植樹体験

  • 記念植樹とは別に、穴掘りから始める植樹の全工程を体験し、その大変さも実感しました。

(3)現地小学生との交流

鼓笛隊や民族舞踊による歓迎

  • ガムランの調べが心に染み入ります
  • サッカーボール贈呈

小学生との交流

全体写真

  • 当社現地法人による地元の小学校への寄付や小学生との交流といった社会貢献活動によって、MSIG(三井住友海上グループ)の名前が浸透し、森林保全の理解につながっています。その現地法人が日ごろから、学用品、靴、楽器、鼓笛隊の制服の寄付等で支援している小学校のうちの1校を訪問しました。鼓笛隊の演奏や民族楽器の調べによる温かい大歓迎を受け、子どもたちの一所懸命な姿に感動しました。
  • 日本から持参した竹とんぼ、あやとり、シャボン玉、楽器、サッカーボールなどを使って無邪気な小学生と触れ合い、楽しい時間を過ごしました。サッカーボールのプレゼントには先生も大変喜ばれ、即席の贈呈式を開催いただきました。
  • ガジャマダ大学に依頼して小学校での環境教育を行っています。子どもが森林の大切さを理解し、森林について家庭の話題になることが、伐採抑止力につながっています。

(4)世界遺産観光、インドネシア伝統文化体験

  • ボロブドゥールの日の出
  • プランバナン寺院群
  • ラーマヤナ舞踏劇
  • 二つの世界遺産、(世界最大級仏教寺院の)ボロブドゥール遺跡と(ジャワ建築の最高傑作の一つといわれる)プランバナン遺跡の訪問、美しい民族衣装と音楽が紡ぎだす伝統舞踏ラーマヤナ観劇など、インドネシアの伝統や歴史に触れ、現地文化への理解や愛着が一層深まりました。
  • 特にボロブドゥール寺院では、幻想的な日の出の絶景を観ることができました。水墨画のような靄の暗がりがだんだん明るくなっていき、日の差す瞬間、その荘厳な美しさと迫力に、静かな歓声が沸き起こりました。壮大な幻想世界に浸ることができ、あまりに素晴らしい光景に言葉を失います。
  • オプショナルツアーで訪れる世界屈指のリゾート・アマングループの「アマンジオでの朝食」と、そこから遠くに見るボロブドゥールの絶景は大変好評でした。

「一般のツアーではなかなか味わえない貴重な体験ができて大満足だった」との感想が多く寄せられました。 今後もこのツアーを継続して実施してまいります。

2回目:2015年11月21日~5日間

第2回目のツアーは、21名(うち当社グループ社員・家族18名)参加のもと実施しました。

現地プロジェクト関係者との交流、農業体験(2015年)

  • 農業省大臣補佐官Ani氏
  • 農業体験
  • 農民との交流
  • 現地プロジェクトのキーマンの臨場感あふれる発表を聴き、このプロジェクトがインドネシア国内おいて高い価値観をもって受け止められていることを実感しました。(発表内容は、環境林業省自然保護局ジョグジャカルタ事務所第2地域部長Joko氏「パリヤン野生動物保護林について」、農業省大臣補佐官Ani氏「農民の生計向上プログラムについて」、ガジャマダ大学の先生3名「環境教育と生物多様性調査について」)。
  • 農業技術指導に参加している農業組合代表Warsijo氏から、熱い思いのこもった感謝の挨拶と決意表明があり、一同、心が熱くなりました。
  • 交流会には多くの農民の皆さんが参加し、トウガラシの作付け(種植え、幼苗の移植、苗木の植付けなど)について説明いただき、ツアー参加者も農作業を体験しました。

1回目:2014年11月22日~5日間

今回初めて現地インドネシア視察ツアーを実施。31名(うち当社グループ社員23名)が参加しました。

(1)大学教授のレクチャー(2014年)

ガジャマダ大学(インドネシア最難関の国立総合大学)が運営しているワナガマ演習林を訪問し、森林学部の学部長教授に、熱帯林再生についてレクチャーいただきました。また、ガジャマダ大学は、本プロジェクトを研究対象の一つとしており、生物多様性モニタリング等に取り組んでいます。

(2)現地村民との交流(2014年)

  • 現地の村を訪問
  • 家の中も撮らせていただきました。
  • 農民の方々と笑顔で記念撮影
  • 訪れた現地の村では、村民が家の中にまで招き入れてくれました。村民の生活に触れさせていただき、一般のツアーでは決して味わえないような貴重な経験をすることができました。
  • プロジェクトは、周辺の村との打ち合わせを繰り返し行って村民の理解と協力を得ながら進めました。村民に植樹を委託して賃金を支払ったり、森林内耕作を一部認めたりといった協調策も取りました。
  • 村民の暮らしの向上、地域経済振興のために、農業技術指導、流通販売指導、組合組織立ち上げなどの生活環境支援を実施しています。村民の収入は大きく増加し、森林不法伐採の再発防止、森と住民の共存につながっています。