従来の取組で培ったノウハウで、引き続き地域経済を活性化したい

地方の人口減少に歯止めをかけ、日本全体の活力を高めていくことを目的とした政策「地方創生」が、2014年9月に内閣府から発表されました。同時に「まち・ひと・しごと創生本部」が設置され、「地方における安定的な雇用の創出」「地方への人の流れの創出」「安心して結婚・出産・子育てができる社会の実現」「地域と地域の連携」という基本目標に向けて、日本各地でさまざまな取組が進められています。

こうした国主導の動きが活発化する前から、三井住友海上では、地方の中小企業の経営を、保険だけではなくさまざまなサービスの提供で支援するなど、各地それぞれの問題・課題に対して「自分たちには何ができるのか」を考えながら、地域経済の活性化に向けた支援活動を進めてきました。

目黒

「地域経済と当社が共に発展していくために、当社では以前よりさまざまな地域経済の活性化に向けた企業支援などを行っており、その取組を通じて蓄積したノウハウは当社の強みとなっています。そして『地方創生』は、当社が取り組んできた活動と方向性が合致していました。そこで、当社は、これまで築き上げてきた地域との強い関係性などの強みを活かしつつ、自治体の皆さまと一緒に地域経済を活性化させるために、既存の取組をさらに加速させることとしました。」

三井住友海上では、これまでに培ってきた「ビジネスマッチング」や「起業家や後継者の育成」などのノウハウを、各地域に展開できるプログラムとしてパッケージ化。地域経済の活性化に向けて、小規模事業者や起業家を育成・支援する「地方創生支援モデル」を開発し、2014年11月から全国展開を開始しました。

自治体や企業のニーズに柔軟に応えられるよう、日々準備を続ける

「地方創生支援モデル」は、地方創生のために各自治体が描く計画の実現を、三井住友海上が支援するスキームです。例えば、起業家やベンチャー企業の育成を目標としたセミナーや勉強会に、ノウハウを持つ三井住友海上の社員がプレゼンテーション方法や資料の作り方などの講師として参加することもあります。また、地元企業の商品や製品の販売先を探す、いわゆるビジネスマッチング支援も実施。農産物の販路開拓に向けて、東京のオーナーシェフや小売チェーンの担当者を招待し、食材として農産物の購入を検討してもらう機会を作ってきました。

目黒

「現在、当社は20(※)の都道府県と包括協定を結んでいますが、当然各地でのニーズは異なるため、協定の内容も違います。当社としてはさまざまなご要望にいつでも柔軟に応えるための準備を怠らないよう心掛けています。新しい取組にも挑戦していく必要があり、実際にどのようなご支援ができるのか、日々検討を続けています。」

  • 2017年7月時点

まずは関係部署で「地域社会に貢献したい」という思いを一つに

地方創生のプロジェクトは、通常、自治体の首長、現場の職員、中小企業の経営者や社員、ときには自治体が招いた外部コンサルタントなど、さまざまな立場の人々が参加します。そのため「地方創生支援モデル」を展開する三井住友海上側もまた、一つのプロジェクトを支援するにあたり、現地メンバーや営業推進部をはじめとした本社各部、そしてグループ会社まで幅広い関係者が参加しています。

こうした参加人数が多いプロジェクトでは、すべての人がしっかりと方向性を一致させて取組を進めていくことが不可欠です。三井住友海上は、これまで携わってきた数々の地方創生プロジェクトにおいても、社内の関係部署と方向性をしっかり擦り合わせた上で、自治体や企業に提案することを心掛けてきました。

保坂

「私たちが単純に『当社にはいろいろなサービスがあります。それをお役立てください。』とお話しするだけでは、自治体や地元企業の皆さまには『なぜ損害保険会社が地方創生に関わりたいのか?』という疑問が先に立ち、何も伝わりません。やはり当社側の気持ちを一つにして、『地方創生に貢献したい。地域経済と当社が共に発展していきたい。』と熱い思いを伝えることが、非常に大切だと強く感じています。」

三井住友海上が熱意を持って取り組んでいる地方創生プロジェクトの中には、既に成果が出ているものもあります。

保坂

「岩手県三陸地域の特産品を扱う小規模事業者の販路拡大を目指した『さんりくチャレンジ』では、プレゼンテーションの講習を実施するとともに、東京で展示会を開催。最終的に24社の事業者を支援しました。
また、高知県では地元企業向けに、営業力強化を目的とした勉強会を実施しています。主催している県の外郭団体の黒子となって、営業ツール作成や効果的なプレゼンテーションの方法をお伝えしてきました。これまで十数社を個別にサポートしてきたこの活動は、現在も継続しています。」

こうした事例以外にも、グループ会社であるインターリスク総研との連携により、地震などの災害時に重要な避難経路などを示した地図を作成し、観光地としての信頼性を高める支援を実施。また、ホテル・旅館の事業者や市町村職員を対象に、災害などの緊急時に被害を抑え、業務を継続するための計画であるBCP策定のための研修も行いました。

地域に密着して細かなニーズを確認し、柔軟に対応していく

近年、地域経済の活性化のためには、外国人観光客の誘致などインバウンドビジネスへの対応も必須となってきています。また、全国で取組が進む「働き方改革」への対応も、社会全体の新たな課題として浮上しています。三井住友海上は、こうした新しい動きをキャッチアップし、すでにインバウンドビジネスや、働き方改革に関するサポートも始めています。「地方創生支援モデル」には決まった形はなく、これからも柔軟に形を変えていくでしょう。

目黒

「今後は活動の範囲をさらに広げて、より多くの地域を支援していきたいと思っています。また、すでに提携している自治体とは、より地域に密着して今後も深い取組を進めていきたいと考えています。」

保坂

「当社は、地方創生の一助となるサービスメニューを、今後も拡充していく予定です。もし、それでも当社に足りないものがある場合は、それを補うコンテンツを持っている企業や専門家と連携して、地域の方々のニーズに合う内容を提供していく、という風に柔軟に対応していきます。日本各地が活性化し、挑戦を続ける前向きで元気な企業が生まれるよう、私たちは地方創生のお手伝いを続けていきたいと思います。」

2017年8月