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安全運転のポイント-防衛運転の基本「自車を見せる」-


交通事故の要因にはさまざまなものがありますが、相手を見落としたり、相手に気づくのが遅れて事故になったというケースも少なくありません。これは立場を変えてみれば、見落とされることがいかに危険であるかを物語っています。したがって、事故に遭わないようにするためには自車を目立たせ、早めに相手に気づかせる必要があります。
そこで、防衛運転のポイントの一つである「見せる」(自車を目立たせたり、相手に見せる)ことについて考えてみましょう。


自車を目立たせる

薄暮時に、ヘッドライトを点灯せずに乗用車を運転して片側1車線の道路を走行していたAさん(32歳)は、道路を横断してきた自転車との衝突事故を起こしてしまいました。幸い死亡事故には至らずにすみましたが、自転車に乗っていたBさん(68歳)は骨折等で全治3か月の重傷を負いました。
この事故の場合、まず、車が接近しているにもかかわらず、なぜBさんが横断したのかが問題になりますが、Bさんは衝突する直前までAさんの車に気づかなかったということでした。
事故当時は、日が暮れてあたりが薄暗くなった頃で、ほとんどの車はヘッドライトを点灯していましたが、Aさんの車は点灯していませんでした。そのためBさんは、ヘッドライトを点灯した数台の車が通過した後、ヘッドライトが途切れたので、車は来ていないと思って横断を開始したのです。
一方、車を運転していたAさんのほうは、Bさんの自転車に気づいていましたが、自車が接近しているのだから、まさか横断してはこないだろうと思っていたということです。そこには「Bさんは自車に気づいているはずだ」という思い込みがあったと考えられます。また、ヘッドライトを点灯していなかったことについては、薄暗くはなっていたものの、ヘッドライトを点灯しなくても見える状況だったので点灯しなかったということでした。


ヘッドライトには自車を目立たせる役割もある

この事故はBさんがAさんの車を見落としたことも原因の一つですが、それよりもAさんが薄暮時にもかかわらずヘッドライトを点灯しないで走行していたことのほうにより大きな原因があると考えられます。実際、Aさんがヘッドライトを点灯していたら、この事故は起こらなかったでしょう。
ここで留意しておかなければならないことは、ヘッドライトの役割についてです。ヘッドライトの第一の役割が自車の視界を確保するという点にあることは当然ですが、しかし、それだけではなく周囲に対して自車の存在を知らせるという役割もあるということです。特に周囲が見えにくくなる薄暮時には、自車を目立たせ、相手に存在を知らせるということは、事故を防止するうえできわめて重要なことであり、その手段がヘッドライトの点灯なのです。その意味では、「ヘッドライトを点灯しなくても見える状況だったので点灯しなかった」というAさんの考え違いが、この事故の真の原因といってよいでしょう。
「秋の日は釣瓶落とし」といわれるように、これからはどんどん日暮れが早くなっていきます。「薄暮時は早めに点灯」を徹底していきましょう。


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