• 2011年3月1日

マレーシアにおけるタカフル事業への資本参加について

三井住友海上火災保険株式会社

三井住友海上火災保険株式会社(社長:柄澤康喜)は、損保事業・生保事業で戦略的提携関係にあるホンレオングループ(マレーシアの有力コングロマリット)傘下のタカフル*事業会社に資本参加することに関して、3月1日付でマレーシアの監督当局より認可を得ました。今後、必要な手続きを進め4月初旬を目処に株式売買に関する契約書を締結する予定です。

当社では、持続的な成長の実現に向けた戦略の1つとして、海外における損保事業・生保事業への積極的な事業投資を掲げておりますが、本提携はアジアの中でも重要な事業拠点であるマレーシアにおいて新たなリスク関連事業への市場参入を実現させるものです。今後ともアジア市場において安定的な事業基盤の確立に向けた取組みを加速してまいります。

(*イスラム金融における保険類似事業)

1.ホンレオングループのタカフル事業会社概要

  2009年7月〜2010年6月*
掛金(生命タカフル、グロス) 1,197百万円
掛金(損害タカフル、グロス) 435百万円
総資産 9,847百万円
純資産 2,557百万円
従業員数(2010年12月末) 63人

(1マレーシアリンギット=27円で換算:他の箇所も同様) *同社の決算期は7月〜6月

2.株式の取得形態

当社がホンレオングループのタカフル事業会社の既存株式の35%を取得(取得金額は33.6百万マレーシアリンギット、約907百万円)します。当社は、役職員の派遣等を通じてタカフル事業のノウハウを獲得するほか、生損保事業で培ったノウハウをもとに販売力強化等を行い、生損保事業とのシナジー効果を追求します。

3.資本参加後の展開

  • [1]既にホンレオングループと展開している損保・生保のクロスセリングに、タカフル商品を加えることで、総合力を活用した保険販売を実現し、代理店の販売力を強化します。
  • [2]三井住友海上およびホンレオングループのブランド力・事業基盤・保険事業ノウハウの相乗効果により、MS&ADインシュアランス グループの企業価値の更なる向上を図ります。

ホンレオングループの概要、タカフルについて

1.ホンレオングループについて

ホンレオングループは金融・保険業、製造・販売業(窯業・自動車販売等)、不動産業を柱に展開する、マレーシアを代表する財閥であり、傘下14社がマレーシアで上場しています。2010年10月より三井住友海上グループと戦略的提携を結び、同グループの業界6位の保険会社である生命保険会社(Hong Leong Assurance Berhad)は、三井住友海上グループが株式30%を保有しています。

ホンレオン・アシュアランス社(Hong Leong Assurance Berhad)

設立:
1982年12月20日
支店数:
21
株主:
ホンレオングループ 70%、三井住友海上グループ 30%
収入保険料:(生保)約249億円(2009年6月期)、マーケットシェア:4.9%

2.戦略的提携の目的と背景

  • (1)マレーシアは、人口約2,800万人を有し、政治的安定性も高く、今後も更なる市場拡大が見込めること。また、同国はイスラム金融市場のハブとなることを目指しており、タカフル事業は今後も高い成長が見込まれること。
  • (2)当社においては、成長分野である海外事業の戦略地域であるアジア市場において、本資本参加は新たな市場への参入を実現するものであり、安定的な事業基盤を確立できる投資機会であると判断したこと。

3.タカフルについて

  • イスラム圏では、金利や投機等が禁じられているイスラム法(シャリア)を満たすタカフル(相互扶助を趣旨としたイスラム圏における保険制度)が発達しています。仕組みは共済、相互保険会社に似ており、タカフル契約者が提供する掛金(保険料に相当)を基金として運営され、危険差益等が出た場合は、無事故割引などの形でタカフル契約者に還元されます。
  • タカフルには、ゼネラル・タカフル(損害保険)とファミリー・タカフル(生命保険)があり、生損兼営が一般的です。
  • タカフル事業者は一般的に株式会社であり、[1]運営する掛金に対する一定の運営手数料(ワカラ手数料)、[2]運営の成果に基づく成果手数料(ムダラバ)、または[3]この両者の組合せを受領する収益モデルが大半を占めます。
  • タカフル事業には、次のような制約が含まれます。
    • タカフル事業のイスラム法(シャリア)適格性を監視するシャリア諮問委員会を設置すること
    • 株主資本を契約者勘定の基金から分離すること
    • 利益を保険契約者に分配することをあらかじめ約定すること
    • シャリア非適格資産への投資を回避すること

以上