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日頃のそなえ

2017.12.21

【リスクコンサルタントに聞いた】2017年の発生災害と教訓

日頃のそなえ

2017.12.21

【リスクコンサルタントに聞いた】2017年の発生災害と教訓

2017年も残りあとわずかですが、今年も1年間を通して多くの自然災害が発生しました。報道などで見聞きし、記憶に残っている方も少なくないかもしれません。今回は、災害のリスクコンサルティングを行っている株式会社インターリスク総研の長島さんに、2017年に発生した災害を振り返って気をつけるべき点などを聞きました。



長島 睦さん
株式会社インターリスク総研(※)にてリスクコンサルタントとして主に企業向けに自然災害リスク等のコンサルティングを行っている。
※三井住友海上と同じ、MS&ADインシュアランス グループの一員で、リスクマネジメントに関するコンサルティング、調査研究業務等を行う会社。



「家族間の情報共有」「自主的な行動」がカギ

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-2017年を振り返ると、どのような災害が多かったのでしょうか?
梅雨前線、停滞前線に台風が接近して相乗効果で大雨が降り、水害が多く発生しました。特に被害規模が大きかったのは、2017年7月に発生した九州北部の集中豪雨です。

-水害に対して、日ごろから備えておくことはあるでしょうか?
お住まいの地域のハザードマップを確認しておいてください。自然災害の被害予想範囲や避難場所が掲載されており、役所や自治体のホームページで確認することができます。
また、家族の安否確認の方法も決めておきましょう。SNS、メール、災害掲示板など、何を使って連絡を取り合うのか、どの避難場所に逃げるのか、話し合っておいてください。

-今年に起こった水害から得られた教訓を教えてください。
2017年7月の九州北部の集中豪雨によって、大分県のとある地域が被害に遭いました。この地域は過去にも同じような水害が発生した場所でした。そのため、大雨が降り始め『過去と同じようなことが起こるのではないか。』と地域の方々が話し合い、避難勧告が出される前に一斉に避難し、難を逃れたそうです。
自然災害への対処としては受け身で情報を待つのではなく、自主的に予測し行動へと移すことで命が助かることもあるのです。

「外水氾濫」「内水氾濫」とは?

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-今年は台風の被害が多かった印象がありますが、いかがでしょうか。
今年は平年よりも台風の数は少なかったのですが、2017年10月に発生した台風21号は気圧が低い超大型のもので、京都、奈良、和歌山、三重など広範囲にわたり、被害をもたらしました。

-台風のときに特に気を付けておくべきことは何でしょうか。
沿岸部に台風が来ると、高潮が発生します。高潮は津波と同じく非常に怖いもので、広範囲にわたって浸水する可能性があるので注意が必要です。ハザードマップで、高潮や土石流の危険性を把握し、当該地域の方は早めに避難してください。
また、都市部に住む方も注意をしなければなりません。水害には『外水氾濫』と『内水氾濫』の2種類があります。『外水氾濫』とは台風や大雨によって川の堤防が決壊したり、堤防を越えて水があふれてしまい洪水が起きることです。『内水氾濫』は、集中豪雨や台風の影響で排水が追いつかず、水が溜まってしまう状態のことを指します。この『内水氾濫』は都市部を中心に増えていますので、台風の上陸が予想される場合には排水溝などの掃除をしておくことや、接近した場合には、アンダーパスや地下街などには近づかない方がよいでしょう。

-これからの季節、雪による都市部への被害も心配です。
普段雪が降らない都市部で発生するのは、屋根などの雪を長く放置したために雪が硬い塊となって落下し、通行人がケガをしたり、隣の家のクルマやカーポートに落ちて損傷させてしまうという事象です。それに備えて雪下ろしをする必要がありますが、やり慣れていないと危険を伴いますので、無理はしないで業者に頼んでも良いでしょう。

-今後発生しうる災害に向けて、どういったソナエをしておくべきでしょうか。
どのような災害に対しても備蓄品を用意しておくことは大切です。水、食料、毛布、簡易トイレを最低限用意しておきましょう。ただし、食料については消費期限がありますので、目のつきやすい場所に期限を明記し、定期的にチェックしてください。備蓄しておく量は、国が推奨している3日分を用意しておくとよいでしょう。

水害に備えて覚えておきたい豆知識

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長島さんから教えていただいたように、2017年は水害被害が多かった年といえるようです。家庭での水害被害を最小限に抑えるために知っておきたい豆知識を紹介します。

1.下水の逆流を「水のう」で防ぐ
急激な大雨によって、トイレやふろ場、洗濯機の排水溝などから下水が逆流することがあります。ビニール袋に水を入れた「水のう」をトイレの中や排水溝に置くと逆流を抑える効果があります。

2.浸水を「簡易土のう」で防ぐ
玄関などからの浸水を防ぐために、土のうが無くても下記のようなもので一時的に代替することができると言われています。
・ゴミ袋に水をため、隙間なく詰める。※段ボール箱に入れると強度が増す。
・土を入れたプランターをレジャーシートで巻き込む。
・10~20リットルのポリタンクに水を入れ、レジャーシートで巻き込み連結する。

3.自治体が用意する「土のうステーション」を活用する
自治体によっては、住民が必要に応じていつでも土のうを持ち出せるように「土のうステーション」を設置しているところがあります。万が一にそなえて、お住まいの地域の自治体へ土のうステーションの場所を確認してみてもよいかもしれません。


2017年は水害の多い年となりましたが、2018年はどんな自然災害が発生するかはわかりません。今年の教訓を生かし、十分に備えておきましょう。

参考:
国土交通省|「身につく防災」コンテンツ

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