2015年度の活動

1.農業技術指導の実施

  • (1)地元住民への農業技術指導(40名の農民が参加)では、トレーニング農地で12月にトウガラシの植え付けを開始し、2月には126kg、3月には128kgを収穫しました。研修参加者はトウガラシの栽培技術を習得し、自宅で栽培し自家消費・販売しているほか、近隣の住民に対して指導しているメンバーもいます。
    トウガラシは季節により価格変動が大きく栽培時期の見極めが必要になります。季節による価格変動の影響を避けるため、今季は、より価格が安定しているエシャロットを栽培し、また、トウガラシの連作障害を防止し生産性を向上させるため、乾季にトウモロコシを栽培しました。雨季のトウガラシ栽培期間中は、病害虫の発生を抑止するため、トウモロコシを障壁作物として使用しました。
  • 農業技術指導
  • トウガラシの手入れ
  • (2)農業技術指導を受けている農業グループは、2015年2月に法人格をもつ農業協同組合として登録、外部からの資金も得るなどグループとしての活動を順調に進めています。
    メンバーの一部は自ら土地を借りて共同で農業活動を開始することを検討しており、今後、自立的な活動の活発化が期待されます。
  • メンバーへの貸付、組合の会計報告の実施
  • メンバーによる取組多様化の論議
  • (3)ジョグジャカルタ自然保護局天然資源保護事務所がバイオガス事業を開始しました。予算は2,500万ルピアで、農業技術指導に参加している農業組合メンバー8名に対して、家畜の糞からバイオガスを生成しコンロに使用するための設備の導入を支援しました。
  • バイオガスの原料としての可能性調査
  • 畜舎から堆肥小屋までパイプを設置

2.環境教育の実施

  • (1)2010年度までは不法伐採を防ぐため、小学生に対して森林の大切さを教えてきました。2011年度より、より多くの小学生に波及させるため、対象を地元小学校の先生に変更しました。参加した先生は、関連する教科に組み入れて環境教育を行うなどの工夫をしています。
  • 小学校の先生への環境教育
  • 熱心に講義を聞く小学校の先生
  • (2)参加した学校の校長先生からは、持続的に環境教育を実施するためには、卒業してしまう生徒より先生を対象とする方が効果的であり、年々進化させることも可能であるとの評価を得ています。

3.パリヤン野生動物保護林を守るためのフォーラム設置

本保護林を地元関係者で管理していく体制を確立するため、2011年度に立ち上げたフォーラムの運営を継続しています。保護林管理事務所等が、保護林内の不法伐採および不法採取防止のためのパトロールを毎日実施。植林木や動物の生息状況、耕作状況等を確認し、保護林内の土地利用状況についてのマップを作成しました。また、植林地および植林木の管理、植林木の成長量の測定と定点撮影を実施し、順調に成長していることを確認しています。

  • 森林管理事務所との合同パトロール
  • 森林管理事務所による森林保全のための説明会

4.植林の成功事例として、多くの訪問者の受け入れ

  • (1)このプロジェクトは、森林回復の成功事例として、インドネシア林業省ほか専門家から高い評価を受けています。2015年度は合計約1,200人の訪問者を受け入れました。そのうち4分の3は学校および大学による環境教育、実習、研究目的での訪問です。訪問者に対しては、保護林管理事務所およびプロジェクト関係者等がプロジェクトの概要とこれまでの成果を紹介しています。
  • ガジャマダ大学による両生・爬虫類調査
  • ODA事業のブロモ国立公園担当チームが訪問
  • (2)5月にはジョグジャカルタ特別州知事(スルタン:イスラム王朝の君主)の訪問を受けました。また、9月にはJICAの研修による視察がありました。アジア・アフリカ地域を中心とする8カ国からの参加者とボゴール森林研修センターを対象に、プロジェクトを説明し、保護林の植生回復状況の見学、ディスカッションを行いました。
  • 州知事による記念植樹
  • JICAによる視察・研修

5.その他

  • (1)第Ⅲ期事業の検討
    2016年3月に第Ⅱ期事業が終了することを踏まえ、引き続きパリヤン野生動物保護林の保全およびそれを中心とする地域の持続的な発展に貢献することを目的として、第Ⅲ期事業の検討を行いました。周辺村落からの聞き取り、関係者との意見交換会等により産業需要のある早成樹の植林の支援を要望する住民が多いことが分かり、また、近隣のジョグジャカルタ、マゲランに木材加工工場があり販売先も確保できると考えられることから、住民に苗木を提供し保育の技術指導を行う住民協働型植林を実施することとしました。
  • (2)当社のインドネシア現地法人による寄付活動
    1. インドネシア現地法人では本プロジェクト地周辺の小学校に、学習用具・中古パソコン等の寄付を行っています。
    2. 2015年11月に開催した社員向けツアーでは、インドネシア現地法人が継続的に支援している地元の小学校を訪問し、小学生との交流(楽器演奏による歓迎、持参した竹とんぼ、あやとりを使った触れ合い、エコバッグ・ドラえもんノートのプレゼント)を行いました。
  • 寄付先の小学校での記念撮影(右がインドネシア現法社長)
  • 小学生や先生との笑顔での記念撮影

2016年1月時点での再生状況

  • 2005年10月撮影(植林前)
  • 2016年1月撮影