2014年度の活動

(1)鳥と昆虫のモニタリング

  • モニタリングを行っている森林
  • 確認された鳥類の1種
    (オリーブバックトサンバード)

地元ガジャマダ大学に鳥と昆虫を指標とした生物多様性のモニタリングを引き続き委託して、森林の生態系の回復状況を見守っています。2012年度からは、5か所の定点観測スポットを設定し、継続的に生物の種類と個体数を調査しています。

昆虫は誘蛾灯および落とし穴方式で採集。バッタ・鳥類は所定区間の個体数を調査員がカウントするトランスセクト方式で調査しています。

(2)農業技術指導の実施

地元住民への農業技術指導等による地元住民の収入向上・自立等の経済的貢献に注力しています。40名の農民が参加し、トウガラシの栽培を中心に農業技術を習得し、また、トウガラシの価格変動を踏まえて栽培時期を調節するなど、マーケティングのノウハウも学んでいます。また、トウガラシの連作障害を防止し生産性を向上させるため、乾季にトウモロコシとの輪作を実施し、家畜飼料として1束10,000ルピアで販売、合計で3,985,000ルピアの収入となりました。

  • 農業指導でのトウガラシ育成の様子
  • 収穫したトウガラシの販売

農業技術指導に参加している農民が、農業技術指導を行っているDr.アニ等の指導の下で協同組合を設立し、自立化に向けた取り組みを加速させ、2015年2月、農業組合として県知事の承認を得ることができました。農業組合として正式に認められたことから、外部からの信頼度が高まり、公共の資金へのアクセスが容易となります。また、メンバーの中には、周囲の住民に対して農業技術指導をしている者もおり、自立化の動きも加速しています。

  • 登記のための証書を公証人から得る
  • 証書

(3)環境教育の実施

2010年度までは不法伐採を防ぐため、小学生に対して森林の大切さを教えてきました。2011年度、より多くの小学生に波及させるため、環境教育の対象を、地元小学校の先生に変更しました。参加した先生は、関連する教科に組み入れて環境教育を行うなどの工夫をしています。

  • 小学校の先生への環境教育の様子
  • 熱心に講義を聞く小学校の先生

参加した学校の校長先生からは、持続的に環境教育を実施するためには、卒業してしまう生徒より先生を対象とする方が効果的であり、また、年々進化させることも可能であるとの評価を得ています。

(4)パリヤン野生動物保護林を守るためのフォーラム設置に向けた論議

本保護林を地元関係者で管理していく体制を確立するため2011年度に立ち上げたフォーラムの運営を継続しています。保護林管理事務所等のスタッフが毎日巡視を行い、植林木や動物の生息状況・耕作状況等を確認しています。また、植林地および植林木の管理、植林木の成長量の測定と定点撮影を実施し、順調に成長していることを確認しています。

  • 地元林業事務所との合同パトロール
  • 植林木の成長量を測定

(5)植林の成功事例として、多くの訪問者の受け入れ

このプロジェクトは、森林回復の成功事例として、インドネシア林業省ほか専門家から高い評価を受けています。林業省社会林業局がカナダ視察団を案内したほか、インドネシアの大学・高校、農園業者等、毎月訪問者を受け入れています。また、大学による実習や学位論文のための調査が実施されるなど、環境教育や生物多様性の復元研究の場として活用される機会も増えています。

  • 林業省によるカナダ視察団の案内
  • ガジャマダ大学生による学位論文のための調査

2014年4月、インドネシアの国会議員団等の視察を受け入れ、他地域に対する森林修復の見本であるとの高い評価を得ました。また、2015年5月にはジョグジャカルタ特別州知事(スルタン:イスラム王朝の君主)の訪問を受けました。

  • 国会議員による記念植樹
  • 州知事による記念植樹

(6)その他

1.農民自らの生計向上活動

本プロジェクトで苗を配布したトウガラシ、ショウガ、キャッサバ、空芯菜、サツマイモ、スイカ、葉野菜等を自宅菜園で栽培し、生計向上に役立てるメンバーも出てきています。また、新しい可能性として、保護林内に所在する洞窟を活用したエコツアーの企画等について、保護林事務所が主催する若手世代の意見交換会で論議されました。
  • 自宅での温室を利用したトウガラシ栽培
  • ツアーで訪問したエコツアーの資源となり得る洞窟

2.当社のインドネシア現地法人による寄付活動

インドネシア現地法人では本プロジェクト地周辺の小学校に、学習用具・中古パソコン等の寄付を行っています。

2014年11月に初めて開催した社員向けツアーでは、インドネシア現地法人が継続的に支援している地元の小学校を訪問し、小学生と交流(楽器演奏による歓迎、持参したけん玉・竹とんぼを使った触れ合い、エコバッグ・ドラえもんノートのプレゼント)を行いました。

  • ドラムセットを寄贈するインドネシア現法社長
  • 小学生や先生との笑顔での記念撮影

2015年1月時点での再生状況

  • 2005年10月撮影(植林前)
  • 2015年1月撮影