活動状況

4月 下草刈り

成長中の木の根本の雑草を刈り取り、間違って伐られないように根本を小石で囲む(マルチング)作業を必要に応じて行いました。下草刈りは土壌流出の抑制、水分蒸発の抑制効果が期待されています。

  • 下草刈りの作業
  • 刈り取った後は、マルチングを施し、誤伐を防ぐ

6月 周辺小学校への寄付活動

インドネシア現地法人では、本プロジェクトをきっかけにしてパリヤン野生動物保護林周辺の小学校と親交を深める活動を行っています。2010年は、楽器、文房具、スポーツ用具などを小学校に寄贈をしました。

  • 文房具などを、現法の社員から児童に直接手渡ししました。
  • 贈呈式後、児童との交流も深めました。
    パティック染めを児童から教わりました。

7月 農作状況確認および歩道の整備

パリヤン野生動物保護林では、アグロフォレストリーを実行中です。植栽した木が成長するに従い、耕作面積は狭くなりますが、まだ、キャッサバ等の収穫は順調のようです。
また、当地を訪れる見学者が増えているため安全対策としてパリヤン野生動物保護林内の歩道の整備を始めています。

  • キャッサバの収穫状況を農民に聞き取り調査します。
  • 見学者の増加に対応し、展望台に続く歩道を修復、整備をはじめた。

8月 第2段階に向けての準備

2005年4月から始まった本プロジェクトは2011年3月末で一区切りがつきます。
その後のパリヤン野生動物保護林を如何にするか、ガジャマダ大学の専門家の方とのディスカッションや新たな取組みについて協議をはじめています。

  • ガジャマダ大学の先生は、パリヤンの森を守るためには、地元農民の所得向上が必要との意見が強い。
  • JICA(国際協力機構)の研修用の施設としてパリヤンが使える可能性について確認するための視察チームが訪問

10~11月 住民説明会の開催

農作物の植え付けが始まる季節となったため、今年も、植え付けの際の注意事項を説明する集会をインドネシア林業省パリヤン野生動物保護林管理事務所(以下「BKSDA」)と現場担当のKTI社とが共同で、周辺4村の代表農民と各村ごとに行いました。

説明会の際には、森林の公益的機能についても住民にレクチャーし、盗伐や誤伐が起きないように注意喚起しています。

12~1月 見学者対応

パリヤンプロジェクトに関して視察や見学に訪問される方が年々増加しています。
ガジャマダ大学の森林学部の学生は大学の授業の一環としてパリヤンを見学して、パリヤンプロジェクトに関してプロジェクトの現場担当からプロジェクトの内容を聴講しています。
また、インドネシア林業省で森林再生を推進している自然保護総局のダロリ総局長や他の国立公園のスタッフが視察に来ました。

  • プロジェクト地内の植栽現場の見学
  • 現地担当からプロジェクトの説明を熱心に聴講
  • 1度に200名ほどの学生が見学することもある。
  • インドネシア林業省のダロリ自然保護総局長が視察
  • Meru Betiri国立公園のスタッフ15名が視察
  • 日本の林業専攻高校生の海外研修
    (主催:国土緑化推進機構)のメンバーが見学に

2月 パリヤン野生動物保護林の未来について「ステークホルダーミーティング」を開催

パリヤン野生動物保護林の修復・再生が順調に進み豊かな森林が形成されようとしています。
この豊かな森林を維持しながら且つ地域農民のためにどうやって有効活用して行けばいいのかを関係者間で話し合いました。参加者はBKSDA等の行政担当者、農民代表者などが出席し、司会はガジャマダ大学の教官が行いました。
ミーティングでは、パリヤン野生動物保護林は他の保護林とは異なって、地域コミュニティと連携した運営管理をしていく新しいモデルをめざすことを合意いたしました。
そして、[1]保護林を3つのゾーンに分けて、ゾーンごとに管理方法を決める。[2]保護林の運営のためのフォーラムを設立する。
などの提案が行われ、今後具体的な検討を行っていくことになりました。

ガジャマダ大学の森林学部の内務学部長の開催挨拶後、保護林管理事務所、ジョグジャカルタ州林業局、グヌンキドゥール県、パリヤン郡の行政部門も参加し議論いたしました。

2~3月 周辺小学校への環境教育の実施

2008年度から森林の大切さを周辺住民に理解してもらうため、小学校高学年を対象に「環境教育」をガジャマダ大学の学生とともに行っています。2010年度も周辺小学校5校から50名のこどもたちが集まり、延べ4日間にわたり実施しました。

最終日はジョグジャカルタ市内の動物園でクイズ形式の授業をガジャマダ大学の先生から受けました。そして、パリヤン野生動物保護林の未来についての思いを絵に表現しました。

3月 新しい協働取組みのスタート

JICA(国際協力機構)がインドネシア林業省と共同で国立公園の復旧取組みを開始することになっています。その取組みを支援するため、パリヤン野生動物保護林を研修場所として提供をはじめました。今後は、研修用の施設を充実する予定です。

今回の研修にはメラピ国立公園、ナレメイ国立公園関係者など総勢90名が参加し4日間にわたりパリヤン野生動物保護林を中心にした研修を行いました。

3月 東日本大震災 日本への励ましのメッセージ

大震災の惨状を気遣って、パリヤン周辺小学校の児童たちが私たち日本人に対し、励ましのメッセージを送ってくれました。
「DOA UNTUK JAPAN」や「PRAY FOR JAPAN」(日本のために祈ります。)」

  • ジュディス第1小学校
  • パリヤン第2小学校

2010年9月時点での再生状況

  • 2005年10月撮影 植林前
  • 2010年9月撮影 現在の状況

ガジャマダ大学の2010年度の調査報告

本プロジェクトはジャワ島の在来樹種による熱帯林の造成と果樹供給による長期にわたる地域経済への貢献を目的としています。これらを検証するため、プロジェクト開始当初から地元のガジャマダ大学に調査研究を委託しています。

調査は、(1)鳥の生態の変化、(2)蟻と蝶の生態変化、(3)パリヤン周辺地域の社会経済調査の3つの分類で進めています。調査で得られたデータをもとに、森林再生が期待された内容に近づいているか、また、地元住民が森林再生についてどういう考えを持っているか、また、経済的な問題が顕著になってきているなどの分析を行っています。

2010年度の調査結果では、保護対象動物であるオナガザル(カニクイザル)がパリヤン野生動物保護林に戻っていることが確認されるなど、森林再生は順調に進んでいることが明らかになっています。また、社会経済の調査では、今後のパリヤン野生動物保護林を如何に管理・活用していくべきかについてガジャマダ大学が中心となってのステークホルダーミーティングを開催しました。参加者はインドネシア林業省・州・県の行政関係者、警察や軍関係者、パリヤン周辺の農民、NGO等幅広い層から参加者を集め意見交換しました。結論として、今後のパリヤン野生動物保護林の管理運営はステークホルダーによるフォーラム組織を立ち上げて検討していくことが必要ということになりました。

ガジャマダ大学の2010年度研究報告書(和訳文)